乾徳山

先月(2024/5/18)は仕様も無い理由で
今季初登山の機会を逃していましたが、
再び登山のチャンスが巡ってきました。
今度こそ登ります。


という訳で、松田から2時間掛けて
山梨市の徳和駐車場にやって来ました。
前回の反省を活かして、今回はちゃんと駐車場情報を調査済です。
そもそも車を使わずに公共交通機関で行けって?
松田町から山梨県は公共交通機関だと
一度東京都を経由しなければならないくらい大迂回を強いられるので…
塩山駅から路線バスでアプローチしてきた
会社の登山部の人達と合流します。


30分ほど林道を歩いていざ入山です。
今回は鎖場の練習に最適と名高い乾徳山に登ります。


ところどころ登山道が荒れている箇所があります。
去年の梅雨前線豪雨の爪痕でしょうか。
実は乾徳山最短コースの大平牧場登山口への市道も
路肩崩壊の為未だに通行止めとなっています。


奥能登国際芸術祭の作品(2023/6/11)みたいになった小屋。
これも去年の大雨の影響?
良くこんな姿勢を保っているな…


暫く登っていると不意に草原に出ました。
扇平のようです。
白樺が立っている草原ということで何か北海道を思い出す…


この開けた扇平にあるのが月見岩。
お誂え向きのクラックが何本も入っていて
登ってくれと言わんばかりの岩です。
この先から本格的な岩場が始まるので
肩慣らしに登ってみましょう。


今日は満月なので月は見えませんが、
富士山は綺麗に見えました。
この扇平は富士山が見えるように野焼きでもしているのでしょうか?


扇平にあるもう一つのネームド岩の手洗石。
溜まっている水が汚過ぎて絶対に手を入れたくない。
もしかして、ここの水で手を洗うんじゃなくて
汚いから触ったら手を洗いましょうってこと?
それとも、手洗いって便所のことを指している?


扇平を過ぎると俄に岩が増えてきました。


いよいよ鎖場のお出ましです。
とはいえ、この辺りはまだ鎖が無くても楽勝ですが。


ただ、嫌らしい位置に倒木があったりして
無駄に難易度を上げています。


名物の髭剃岩。
ここを通るとあまりの狭さに皮膚が岩に擦れて
髭が剃れてしまうことからその名が付いたとか。
太っていると通れないので別名肥満度チェック岩
と僕が勝手に呼んでみました。


肥満体ではないことを証明する為に通り抜けます。
成人男性の骨盤より幅が狭いから
構造的に蟹歩きを強いられるのが辛い。


ちゃんと抜けました。
肥満度チェック合格です。
ちなみに、抜けた先は崖になっているので往復する他ありません。
注意しましょう。


さあ、矢継ぎ早に岩場が出て来ますよ。
岩の形状的には大した難度ではないのですが、
登山者が多い所為で岩の表面が摩擦で磨かれており、
光を反射するほどツルツルになっているので滑り易いです。


富士山に見守られながら登っていきます。


お次はカミナリ岩。
岩の形を稲光に喩えたのでしょう。
ここも難易度としてはそこそこです。
しかし、次に現れるのが…


これこそ乾徳山の知名度を押し上げた名岩、鳳岩です!
石材を切り出したかのように平らな高さ20mの巨岩。
そこに入ったクラックを頼りに攀じ登るという
中級者向けの山にあるまじきポイントなのです。


その難度故に断念する人も居ますが、
この鳳岩だけは迂回路が付けられていて
登攀しなくても山頂を踏むことは可能です。


が、勿論我々は直登します。
鳳岩を登る為にここまで登ってきたようなものですから。
鎖無しで登ろうと挑戦してみましたが、
クラックの上部が細くなっていて登山靴を捻じ込めない上に
例によって摩耗してツルツルになっているので、
最後は鎖を使って腕力に頼らざるを得ませんでした。


踊り場から更にもう一段登れば…


乾徳山(標高2,031m)登頂です!
無事にメンバー全員が鳳岩を制覇出来ました。
一般ルートにしては相当に手強い岩だった。
ただ、高度感は無いのでその点は練習に良いですね。
落ちたら骨折くらいはするでしょうが。


絶景を眺めながら暫し昼食休憩。
バーナーの点火装置が壊れているのに
マッチもライターも持ってくるのを忘れるという大失態を犯して
一人失意に沈んでいました。


路線バス組は帰りの終バスの時刻が厳しいので、
昼食を摂ったらすぐさま山頂を後にします。
鳳岩を下るのは厳しいので、北側から下りて周回コースを取ります。
こっちもそれなりに険しい。


こちらの道は鎖場が少ない代わりに
急勾配のガレ場が続きます。
一長一短ですね。


国師ヶ原にある高原ヒュッテまで下ってきました。
無人の避難小屋とは思えないほどお洒落な小屋です。
ガレ場の通過に予想以上の時間を要してしまい、
既に終バスまでの下山は絶望的になってしまいました。
仕方無いので、タクシーを呼ぶ前提で焦らず下山します。


という訳で、無事下山しました。
マイカーで来ていた他の登山者はもう殆ど帰っていますね…
コースタイムから大幅に遅いとかいう訳でもないんだけど。
乾徳山は路線バスの始発便が結構遅いので、
公共交通機関での登山にはあまり向きませんね。


この後は塩山駅前で温泉と打ち上げを済ませてから
S2000を2時間駆って松田へと帰りました。
今季初登山は中々登り堪えのある山で良かった。

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