下北リベンジ旅行 第2日目

6:06、起床。
下がコンクリートだから思ったより硬かった…
目覚ましがてら足湯に浸かってからドライブ再開です。
道の駅の記念切符を回収していきます。


陸奥湾沿いの国道338号を走っていきます。
下北半島と津軽半島に囲まれた内海ということで
北国らしからぬ穏やかな水面です。


川内町から青森県道46号で川内川に沿って内陸部へ。
一歩内陸に入った途端民家が無くなるな…


青森県道253号に移って深く刻まれた川内川渓谷に沿い
更に奥地へと進んでいきます。
この人跡稀な地に似付かわしくないほど高規格な道路に深い峡谷、
これが意味するものと言えば…


勿論ダムですね。
本州最北のダムとして知られる川内ダムです。
発電や取水施設は無く、純粋に流量調整の為だけに造られました。
川内川流域に住んでいる人の数ってそう多くない気がするけど、
その割には相当なお金を投じているような。


その川内ダムのすぐ上流にあるのが道の駅かわうち湖です。
本州随一の道の秘境駅でしょう。
輸送が大変だからか品揃えは微妙ですが。
このままもう一つの秘境道の駅、
道の駅わきのさわまで抜けて…


行けないのかよ!
ここが通れないと15kmも迂回しないといけないんだけど…


取り敢えず、道の駅の前に民家の一切無い
ワインディングロードの国道338号を走って、
とある有名観光地を目指します。
借りている車は普通のコンパクトカーなので
普段S2000に乗っている時よりも
大分安全運転を心掛けているつもりなのですが、
ヘアピンではちょくちょくスキール音が鳴ります。
改めてS2000のコーナリング性能って凄いんだな。


という訳で、安全運転度を増して
仏ヶ浦展望台までやって来ました。
懐かしの仏ヶ浦(2018/7/26)です。
こう見るとあの一角だけが別世界ですね。
ちなみに、国道338号沿いに遊歩道入口があり、
遊覧船に乗らずとも陸上からアプローチすることが可能です。
見てお分かりの通り相当な急登ですが。


仏ヶ浦最寄り集落の一つ、牛滝集落にも寄ってみました。
国道338号が開通するまでは海路でしかアクセス出来なかった
文字通り陸の孤島です。


5年前(2018/7/26)はシィラインの青森-佐井航路が寄港していましたが、
今年3月に航路が廃止されてしまいました。
あれ?確かここってシィラインが唯一の公共交通だったような…
とすると、公共交通機関では到達出来ない集落になってしまった?


調べてみると1日に1本だけ、
川内病院行きの佐井村コミュニティバスが走っているようですが、
そのバス停が何処なのかが判然としませんでした。
色んな情報を総合すると、
この牛滝地区交流促進センターが発着場っぽい気はするけど…
ちなみに、川内病院行きの上り便が7:30発、下り便は13:00着の為、
公共交通機関で牛滝を訪れると宿泊を余儀無くされます。
しかも、宿泊施設は無いので野宿です。


この集落から最寄りのスーパーマーケットまででも
山道を32kmも行かねばならないのですが、
高齢者が日常的に運転出来るものなのでしょうか?
でも、航路廃止に対して大した反対活動が起きなかったということは
問題無いってことなんだろうな…


国道338号が一部通行止めになっているので、
川内町まで戻ってぐるっと大回りして脇野沢を目指します。


道の駅わきのさわに到着。
ここも立地的には最果ての道の駅と呼べる場所です。
ただ、近くにダムしか無かった道の駅かわうち湖と違って
それなりに大きな脇野沢集落が近くにあるので、
秘境感は若干薄れます。


一方で道の駅の目の前にあるラーメン屋は秘境感たっぷり。
…というか、本当にラーメン屋だよね?


本当にラーメン屋でした。
しかも、地元のお爺さんお婆さん達の溜まり場となっている系の。
外観からしてもっとマクロビオティックとか
そういうちょっと拗らせた系のお店かと…
焼干しラーメン美味しかったです。


ちなみに、脇野沢は野生の猿が生息する地としては
世界で最北に位置することで有名。
道の駅から少し歩いたところに脇野沢村野猿公苑があります。


ただ、脇野沢って陸路で達する為には
一旦もっと北にある田名部を経由しなければならないんですよね。
夏の内に下北半島の括れた部分を抜けて
脇野沢までやって来て定着したのでしょうか?


そんな果ての地脇野沢ですが、
実はJRバス東北の路線バスが走っていたりします。
JR系列の交通機関で到達出来る最果ての地でもある訳ですが…


ここから更にコミュニティバスが走っています。
源藤城は今見てきた道の駅の方面、
そしてもう一つの九艘泊は…


目指しましょう。
ここからは国道338号ではなく青森県道175号です。


ここが九艘泊。
何人かの太公望が岸壁で釣り糸を垂らしています。


この九艘泊(くそうどまり)、「時刻表2万キロ」や
「最長片道切符の旅」で有名な宮脇俊三が
「ローカルバスの終点へ」で終着として描いていた地です。
「船が九艘泊められるからこの名になったと言っているが、
実際はどん詰まりだから糞止まりとかではなかろうか」
と散々な言われようでやけに印象に残っていました。


バスの終点は九艘泊バス停ですが、
道はまだ続いているので窮めようと思います。


この広場が終点?
でもまだ先に四阿が見えるな…


四阿まで来てもまだ明らかに道が続いている、
いや、続いていた形跡があります。
堤防のように見えなくもありませんが、
こんな断崖絶壁を護岸する意味が分かりませんし、
先の方には手摺りが見えています。
廃遊歩道のようですね。


巨岩によって無惨に破壊された廃道を無理矢理進んでいくと…


唐突に無傷の区間が現れました。
これがこの道の在りし日の姿のようです。
ありがちな手摺り付き遊歩道です。


出自は良いとして、では何処へ導くことを
使命として課された道だったのでしょうか?
この先に何かがあるようにも見えないけど…
単にこの地形美を間近に堪能する為?


どうやら目的地だったらしき場所が見えてきました。


これは…結局何?
一瞬校舎かと思ったけど流石に小さ過ぎるし…
明らかに四阿らしき廃屋もありますが…


良く見たら、沢が公園っぽく整備されていますね。
ということは、ここも元は公園だったのでしょうか?
あまりにも隔絶された立地だけど…


下北半島の本当の最果ての岬まで
更に階段が延びているのも見えますが、
時間が怪しくなってきたのとダニやクマが怖いのでここで引き返します。


あれ?何だかさっきより潮が満ちてきてない?
急いで戻らねば!


何とか駐車場まで戻って来られました。
助かった…
…ん?


何だ、ここの看板にさっきの廃遊歩道の情報が載っていたのか!
どうやら、あの謎の目的地は貝崎園地という公園で
廃屋はバンガローやキャンプ場の跡だったようですね。
昔はもう少し観光客が居たのかな…
それでは今日の宿は下北半島の付け根の三沢市なので
そろそろ宿に向けて走り始めます。


と、途中にあって気になり過ぎて写真を撮ってしまった小島。
皆さんなら何と名付けますか?
僕は「鯨島」と予想しましたが、正解は鯛島でした。
灯台の位置が絶妙過ぎる。


ん?
ああっ!この船は廃止されたシィラインで
5年前(2018/7/26)に乗ったポーラスターじゃないか!
脇野沢港に繋留されているんだ…


いきなり場面が飛んで横浜町。
下北半島は大きいです。
下北半島縦貫道路を欲しがるのも分かる気がする。


夕暮れ時に丁度良さげな海岸の近くを走っていたので、
日没を拝みがてらちょっと休憩します。
昨日登った釜臥山が見えますね。


陸奥湾に沈む夕陽。


日没から更に1時間ほど走って漸く三沢市に辿り着きました。
遠かった…
下北半島はとても良いところなんですが、
如何せんアクセスが悪いですね…

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