いつの間にかチェックインカウンターが開いていたので
チェックインを済ませてゲートに向かいます。
どうせ機内食は出ないのでフードコートで朝食(夜食?)。
無難にChicken Tikka(チキンティッカ)に
しようかとも思いましたが、
折角なら日本では売っていなさそうなものをと考え直して
Mumbai Masala Sandwich(ムンバイマサラ・サンドイッチ)に。
菜食メニューです。
具は…ジャガイモとキュウリとトマト?
恐らくMumbai Masala(ムンバイマサラ)と
呼ばれているのであろう香辛料で味付けされています。
成分表示を見るにGreen Chutney(グリーンチャツネ)と
Chaat Masala(チャートマサラ)を混ぜたものみたいですね。
それらが何なのかは分かりませんが。
激辛ではないかと身構えていましたが、
全くそんなことはありませんでした。
そう言えば、インドなのにカレーを見なかったな…
Mumbai(ムンバイ)料理はあまり辛くないのでしょうか。
4:55発G9 406便に乗り継ぎ。
日本ではお目に掛かれないAir Arabia(エアアラビア)です。
アラビアとあって女性の客室乗務員はブルカを
ということはなくて、何なら七分袖でした。
でも、離陸前には礼拝の言葉が流れます。
(以降、湾岸標準時UTC+4.0h)
6:45、Sharjah国際空港(シャールジャ国際空港)に到着。
アラブ首長国連邦にあるDubai(ドバイ)の隣町
と言うか、隣首長国のSharjah(シャールジャ)です。
既に3本も飛行機を乗り継いでいますが、
実はまだ最終目的地ではありません。
遠い。
今度はすぐに乗り継ぎます。
8:00発G9 101便に乗り継ぎ。
ところで、全部の空港で手荷物検査を受けたけど
結局一度も飲料水について言及されなかったな…
充電器はザックから出せと注意されたので、
全く見ていないという訳ではないようなのですが。
(以降、アラビア標準時UTC+3.0h)
やっと辿り着きました、バーレーン王国です!
ここが最終目的地。
中東の中で最も小さな独立国かつ
中東唯一の島国であるバーレーン。
日本でその名前を聞く機会があるとすれば
F1のバーレーンGPくらいでしょうか。
関空や成田発ならDoha(ドーハ)やDubai(ドバイ)経由で
1回だけ乗り継げば済む話なのですが、
中部発でお盆でも安い航空券となるとこうなります。
では、何故バーレーンはお盆でも航空券が安いのか?
恐らく、最も説得力のある理由は暑さでしょう。
ここのところ日本では猛暑日が連続して話題になっていますが、
8月のバーレーンは最「低」気温が35℃。
最高気温ともなれば45℃が日常です。
しかも、島国だからこれに湿気が加わるので、
体感気温は60℃とか意味不明な値を示しています。
僕も愛知人なので暑さに耐性はある方だと思いますが、
果たして世界レベルに通用するのか…
Air Arabiaは格安航空で機内食がオプションだったので、
まずは朝食にします。
到着ゲートを出てすぐのところにあったAl Baik(アルバイーク)へ。
隣国サウジアラビア発のファストフード店だそうです。
Spicy Chicken Sandwich(スパイシー・チキンサンドイッチ)。
サンドイッチ…?
フライドチキンをトルティーヤみたいなKhubz(ホブズ)で巻いた
ブリトーのような料理です。
普通に美味しい。
オレンジジュースもサウジアラビア製でしたが、
甘さ控えめで好きな味です。
腹拵えが済んだらA1系統の路線バスで市街に向かいます。
交通系ICカードもあるのですが、
何処で買えるのか良く分からなかったので
BHD0.3でニコニコ現金支払い。
乗客はインド人ばかりです。
空港は首都のManama(マナーマ)とは違う島なので、
コーズウェイで海峡を渡ります。
湾岸諸国っぽい高層ビルが建ち並んでいますね。
Palace Avenue-2/Ras Rumanバス停
(王宮通り2/ラス・ルーマン バス停)で下車。
熱い!
書き損じではなくマジで熱い!
日本の暑さでは、冷房の効いた場所から外に出ると
じわじわと体温が上がってきて、
身体の芯まで熱が伝わったところで汗が滲む、
というような感じですが、
ここバーレーンの熱さはそれとは全く異質なもので
外出た瞬間終わったことを直感します。
体表が炙られるように熱い為、深部体温が低い内から
大粒の汗が迸ってくるのです。
頭の処理能力があまりの熱さに追い付かず、
腕に滴り落ちた水滴が何処かの冷房のものではなく
自らの汗だと認識するのに時間を要しました。
火力が強過ぎて、中は生焼けなのに
表面が黒焦げになってしまったステーキのような。
ものの10分でへろへろになりながらホテルに到着。
これは寝不足で下手に出歩くと比喩でなく死ぬな…
出歩きたい気持ちをグッと堪えて、
昼寝して英気を養いつつ気温が下がるのを待ちます。
大分日が傾いてきたので、外出に挑戦します。
いや、これだけ日陰が増えても尚滅茶苦茶暑いな…
まずはLimonana(リモナーナ)で一服。
ミントをミキサーで粉砕してレモネードに混ぜた
アラブではお馴染みだというジュースです。
結構強烈な酸味があって爽快。
バーレーンの伝統的な朝食だというプレートも注文。
Khubzと3種のおかずが乗せられています。
左の小鉢はNakhi(ナヒ)という煮たヒヨコ豆。
僕の嗅覚が否応無く反応してしまう…これはパクチーだ…
しかし、実は最大の的はこいつではありませんでした。
問題児は真ん中の小鉢Balaleet(バラリート)。
丸く切られた薄焼き卵が乗せられた
シュレッドチーズのように見えていたのですが、
一口含んでみると…
甘い!?
ラベンダーの香りが強烈な細切れの麺でした。
ラベンダーではなくジャスミンとかサフラン?
いや、この香りの源が具体的に何であるかは
この際些末な問題です。
真に問題なのは、この香りは日本人にとって
芳香剤の香りとしか認識出来ないという点です。
有り体に言えばお手洗いの…
でもって、食感がまんまビーフンな為、
スプーンで掬ったり、舌に乗せた瞬間は
塩の効いたあの味を頭に思い浮かべるのに、
鼻に抜けるのは甘ったるい芳香剤の香りというミスマッチが
決定的に受け付けられません。
臭いそれ自体が悪い訳でも、食感が駄目な訳でも、
見た目が気持ち悪い訳でもないのに、
それらのミスマッチによって生理的に無理な料理が成立するという
これまでに経験したことの無い「不味さ」です。
右の小鉢はBayd Tomat(ベイド・トマト)という
トマトを加えた炒り卵で、
唯一普通に美味しかったおかずです。
これまで駄目だったらもうどうしようかと…
仕方無いので、このBayd Tomatで頑張ってKhubzを平らげ、
Nakhiをそれなりに食べてお茶を濁しました。
そもそも、Balaleetのミスマッチ云々以前に量が多過ぎる…
BalaleetにKOされてしまったので再びホテルに籠り、
完全に日が沈むまで待ちます。
焦りは禁物…
油断するとアラブの世界は一瞬で体力と気力を刈りに来る…
そろそろ頃合いだろうとやって来た
Qala’t Bahrain(バーレーン要塞)。
写っているのは資料館です。
バーレーンと雖もこの時間になれば涼しく…
なっていない!
全然涼しくない!
誰だ砂漠は夜になると肌寒いくらいになるとか言ったのは。
そりゃまあ、気温が35℃あって湿度も80%だから、
日光が無かろうが風が吹こうがどう足掻いても暑いんだよなぁ…
こちらが要塞本体。
3000年以上前のディルハム文明の時代から
様々な治世者がここに要塞を築いてきたそうです。
一番目立つこれは16世紀にポルトガルが建てたもの。
スペイン(2023/5/7)といい、大航海時代のイベリアは
酷暑の地に砦を造り過ぎでは。
要塞の周囲に皇居ランナー的な人達が。
この気温と湿度で何故走れるんだ…
耐熱機構が日本人とは違うとしか思えない。
要塞は立ち入り自由なので中に入ってみます。
砦にしてはそこかしこに一捻り加えたデザインが見受けられますね。
いや…
写真では全く伝わらないけどさ…
夜の暑さじゃないって…
冷房なんて無かった時代にここを守ることが
如何に過酷な任務だったか想像も出来ません。
地下室も幾つかあるのですが、
どれもサウナみたいな環境です。
誰だ砂漠も地下に潜ると涼しいとか言ったのは。
僕は現代っ子なのでこの気候では冷房無しでは生きていけないようです。
Uberで市街地に戻ります。
Manamaには巨大なショッピングモールが幾つもあるので、
その中の一つであるThe Avenue(ジ・アベニュー)に来ました。
ショッピングモールなら暑さから逃れられるでしょう。
何だこの施設!?
冷房がガンガンに効いた屋内に街路が造られています。
なるほど、それでAvenueなのか…
そして、ここまで全くその姿を見ていなかった
バーレーン人が大勢居ます。
Mumbaiから来た所為であまり違和感を覚えていなかったけど、
これまで見掛けていたのはそう言えばインド人ばかりだったな…
バーレーン人(と隣国のサウジアラビア人?)は
きちんと冷房の効いた場所にしか居ないようです。
暑さ耐性があるのはインド人か。
昼のBalaleetで食欲が減衰したままなので夕食は軽く済ませます。
そう言えば、コーヒー豆の一番メジャーな品種を
アラビカ種と呼んでいることを思い出したので、
アラビアはコーヒーが有名なのかと思い喫茶店へ。
何故メニューが日本語併記なのだろう…
と訝しがりつつ頼んでみたKyoto Latte(キョウトラテ)。
後で調べてみたところ、何とこのお店
京都市発祥のコーヒーチェーン店でした。
バーレーンでアラビアっぽいコーヒーを求めたら
京都の珈琲に行き着いてしまうとは何たる皮肉。
ちなみに、アラビカ種は別にアラビア半島原産ではなくて
エチオピア原産の豆をアラブ人商人が広めたことから
その名が付いているそうです。
ショッピングモールの裏はウォーターフロントになっていて、
特徴的な形のFour Seasons Hotel Bahrain Bay
(フォーシーズンズ・ホテル・バーレーン・ベイ)が望めます。
ちょっと外に出ただけでアラブ人は全く居なくなるな…
あのホテルの中には大勢居るのでしょうか。
コメント