平成の人間なのでまだ慣れていませんが、
今日は天皇誕生日です。
年度末が近付いてきて仕事が相当忙しくなっていますが、
今の御時世休日はしっかり休まないといけません。
ぶっちゃけ休日も作業出来た方が楽だけど、
きっちり捕捉されて叱られるからな…
そういう訳で休日は休日なので、
冬しか行けないあそこへ行ってみたいと思います。
いきなり国境の長いトンネルを抜けたところからスタート。
13.5km(JR上越線)でも10.9km(関越自動車道)でもなく、
22.2km、つまり一番オーソドックスなJR上越新幹線です。
上越新幹線に乗るのは9年振り(2014/5/3)。
越後湯沢駅を越えて更に進みます。
もうお分かりでしょうか。
11:19、ガーラ湯沢駅に到着。
これで新潟県の鉄道を完全乗車し、
東日本の鉄道を制覇しました!
最後の最後まで後回しになったガーラ湯沢駅は
JR上越新幹線(法律上は在来線のJR上越線)の支線で
冬期のみ営業する日本唯一の新幹線の臨時駅で、
駅というよりはスキー場の施設といった雰囲気です。
越後湯沢駅からたった1.8kmしか離れていない為、
特急券を合わせてもあのJR博多南線(2017/1/6)より安い
250円で新幹線に乗れてしまうという、
日本一安く新幹線に乗れる区間です。
駅を一歩出るとそこはもうスキー場という
日本一アクセスが良いスキー場。
今回は乗り潰しの為だけに訪れたのでスキーはしません。
11:26発JR上越新幹線たにがわ410号東京行きに乗車。
これを逃すと次の上り列車は3時間11分後です。
11:29、越後湯沢駅に到着。
タイ語が併記されていますが、
タイ人観光客が多いのでしょうか。
確かに、タイでは雪が見られないから
越後湯沢に来たいという需要は大きいのかな?
米処なので昼食には丼物を食べておきます。
12:15発JR上越線普通長岡行きに乗車。
小出駅で13:12発JR只見線普通会津若松行きに乗り換え。
全線運転再開した只見線に乗ります!
福島県は僕が最初に鉄道を完全乗車した都道府県で、
全国制覇を意識し始めた思い入れのある県なのですが、
鉄道としての完全乗車には若干疑義があります。
というのも、8年前(2015/10/12)にJR只見線を乗り通した時
会津川口-只見の区間はバス代行になっていたからです。
そのまま廃止されてしまうだろうと思って
バス代行での乗り潰しに甘んじた訳ですが、
その後まさかの復活劇を遂げたので
鉄道としてきっちり乗りに戻って来ました。
鉄道として乗ったことのある区間も
無雪期と積雪期ではまるで別物ですが。
只見線は比較的新しい路線なので、
プレーンな駅名を他のところに取られてしまっていて
「会津〇〇」という駅名が異常に多い、
というのは8年前に書いた通りですが、
同様の現象は新潟県側でも生じていて、
尚且つこの田中などは同じ越後内でも競合が居たので
市名を付けて魚沼田中駅になっています。
車掌さんは「越後田中」と間違えて案内していましたが
(本物の越後田中駅はJR飯山線にある)。
モノクロームな県境区間を越えていきます。
並走する国道252号も大雪崩沢スノーシェッドとかいう
縁起でもない名前の覆道で身を守りながら
六十里越峠に挑んでいます。
福島県に入りました!
8年前は鮮やかな紅葉を魅せていた浅草岳が、
生気を感じさせない無彩色で出迎えています。
国道252号も六十里越峠を抜けてきましたね。
あちらは冬期通行止めなので
橋の上にとんでもない量の雪が積もっています。
只見駅で10分間停車。
ここまでの県境エリアが
只見線の中で文句無しに一番人跡稀な区間ですが、
実はここまでは別に長期運休していた区間ではありません。
運休していたのはこの先です。
まあ、県境区間が被災していたら
ほぼ確実に廃止されてただろうしな…
バス代行から鉄道に復旧して
会津若松方面行きも3往復/日に半減してしまった時刻表。
ただ、小出から往復すると2時間前後という
丁度良い滞在時間を確保出来るのは有情でしょうか。
駅の外に出てみると
雪の大谷を彷彿とさせるとんでもない雪の壁が出来ていました。
5m近くありそうだけど、どうやって除雪したんだろう…
8年前の秋に通った踏切もこの通り。
ここは除雪しないんですね。
10分間の休憩を終えたら発車します。
ここからが鉄道としての未乗区間です!
只見川に沿って走ります。
この只見川こそが只見線を11年もの長きに渡る
廃止ギリギリの運休に追い込んだ張本人。
平成23年7月新潟・福島豪雨で数多の橋梁を呑み込みました。
そうこうしている内に早速一つ現れました。
第八只見川橋梁です。
下流から順番に番号が付けられているので、
この列車では番号を遡る形になります。
この橋は対岸に渡るものではなく、
しかも下路式(骨組みが線路より上にある)だった為、
甚大な被害は免れたそうです。
…というような解説が聞こえてきたので
オタク特有の大声早口解説かと思ったら、
車内販売の人が案内していました。
只見線の普通列車で車内販売があるのか…
確かに、指を咥えて見ていたら
沿線には一銭もお金を落とさずに
素通りしてしまう観光客達だしなぁ。
折角なので僕も買ってみました。
去年(2022/7/17)飲んで美味しかった南郷トマトのジュースです。
暖房の効いた車内で飲む冷たいトマトジュースは美味しい!
第七只見川橋梁。
ここは上路式だった為に大半が流出しました。
その反省を活かしてか、現在は下路式で再建されています。
8年前の写真では殆ど跡形も無かった第六只見川橋梁。
今ではクリーム色の真新しいワーレントラスが架けられています。
目の前には本名ダムが。
本来ならこのダムのお蔭で第六只見川橋梁が救われた…
となるはずが、豪雨が想定外のレベルだった為、
本名ダムの緊急放流の所為で第六只見川橋梁が失われた、
と真逆の評価を受けてしまっています。
まあ、緊急放流というのは流入量と同量を放流する操作なので
ダムが無くても結局流出していたはずですが。
長期不通区間最後の橋、第五只見川橋梁。
ここはトラスの錆び具合からも分かる通り
メインのワーレントラス部については流出を免れました。
会津川口駅に到着。
これで、福島県内の鉄道路線は
きちんと鉄道としても完乗しました!
会津川口駅から先も只見川沿いの危なっかしい場所を走ります。
これで致命的な被害を受けなかったのは
只見川の川幅がかなり広がっているからでしょうか。
16:02、会津宮下駅に到着。
会津宮下駅の近くには宮下温泉があるので、
折角ですし今日は只見線沿線に泊まろうと思います。
最寄駅ではあるのですが、
只見線が右岸にあるのに対して温泉は左岸なので
それなりの距離があります。
まあ、徒歩圏内なだけ感謝しなければなりませんが。
宿に荷物を置いたらちょっと散策。
只見川沿いを歩きます。
この第二只見川橋梁は上路式トラス橋ですが、
下流にあるので被災は軽微だったようです。
第二只見川橋梁のすぐ隣にある会津西方駅。
この駅も一応宮下温泉から徒歩圏内です。
会津西方駅周辺の名入集落を抜けると
一気に山道になります。
目指しているのは右岸にある道の駅だけど、
素直に会津宮下駅まで戻って国道を歩いた方が良かったかな…
只見川歲時記橋で右岸に渡ります。
道の駅のある国道252号は大分高いところを走っていますね…
あれ?その国道の半分くらいの高さの位置に
何やらはっきりした道の跡があるような…
やっぱり旧道ですね。
どうやら、川井新道と呼ばれる昭和46年まで使われた道のようです。
あっちの道なら只見川歲時記橋と同じ高さだったけど…
今は遥か上を走る国道まで登らねばなりません。
Google先生に案内された道が雪で完全に埋没している…
かなり回り道して道の駅尾瀬街道みしま宿に辿り着きました。
大分暗くなってしまった。
勿論、記念切符も集めますが、主目的はそれではありません。
道の駅から延びる遊歩道を登っていきます。
軽アイゼンを持ってくるべきだったかな…
滑りながらも辿り着きました!
国道の標高が上がったことで生まれた
第一只見川橋梁ビューポイントその1、
撮り鉄用語で言うところのお立ち台です。
第一只見川橋梁は只見線を代表する景色として有名。
その観光価値に目を付けた行政が遊歩道を整備してくれたことで
誰でも比較的簡単にアプローチ出来るようになりました。
ただ、「その1」は比高が足りないように思うので
もっと上を目指します。
その1よりは大分遠かったですが、
10分弱の山登りでビューポイントその2に到着。
可愛い雪だるまがお出迎えしてくれています。
これが第一只見川橋梁です!
夏の朝の川霧や秋の紅葉が有名ですが、
冬のモノクロームな世界もまた良いですね。
お立ち台の観光地化に成功した三島町が
次は川霧を観光資源にしようと目論んでいるようで、
川霧の発生条件を探っていました。
これだけ沿線地域の振興に役立っているなら
巨費を投じて只見線を復旧させた甲斐がありましたね。
…まあ、第一只見川橋梁は長期運休していた区間ではありませんが。
ビューポイントは更に上にもあるらしいので行ってみます。
皆その2で満足して踵を返すのか
ますます歩き難くなってきたぞ…
雪深くなっていよいよ前進が難しくなってきたところで
送電鉄塔が姿を現しました。
なるほど、撮り鉄はこの遊歩道が出来る前に
どうやってお立ち台まで辿り着いていたのか不思議でしたが、
この鉄塔の巡視路を使っていたんですね。
出自に納得したところで暗くなってきたので戻ります。
しかし、折角のお立ち台なんだから一枚くらい撮り鉄したいな…
次に来る18時台の列車を狙ってみます。
が…暗い!
日が沈んだ後の光の失われ方がとにかく早い!
三脚を持っていないので、手振れ云々以前に
そもそもどちらの方向を向ければ良いかさえ良く分かりません。
長時間露光で何枚も試し撮りして画角の当たりを付け、
凍える手を必死に固定します。
…来たッ!
撮れました!
4秒も露光したので列車は光の筋になっていますが、
これはこれで味がある…のではないでしょうか(自画自賛)
撮り鉄も出来て満足したので、
真っ暗な山道を3km以上歩いて温泉宿に戻りました。
やっぱり、撮り鉄は車を使ってするべき行為だな…
コメント