6:00、起床。
空港に向かいます。
今日はレンタカーを借りてVictoria(ビクトリア州)を巡ります。
米国留学の際、出国直前(2021/8/24)に
国際免許証を発行したお蔭で、
まだギリギリ有効期間内なのです。
まさかもう一度使う機会が来ようとは。
Peugeot(プジョー)を予約したのにスズキにされた…
Texas(テキサス州)とは違い起伏の多い道を越えて
Belgrave(ベルグレイヴ)にやって来ました。
高原地帯なのかMelbourne(メルボルン)より寒いです。
豪州に少し詳しい人なら、
僕が何を求めているかもう分かったのではないでしょうか。
豪州で、否世界で最も有名な保存鉄道の一つ、
Puffing Billy Railway(パッフィンビリー鉄道)です!
1900年に周辺の農林業需要を見込んで造られた
軌間762mmの狭軌鉄道で、
1953年に土砂崩れが原因で一度廃止されたものの、
1962年に保存鉄道として再開業した
世界で2番目に古い保存鉄道です。
Victoriaに行くとなればこれは外せません。
というか、これもあってMelbourneを選んだという方が正しいか。
10:00に出発。
客車は窓を開け放した構造で、
自己責任で縁に腰掛けて脚を外に出すことが出来ます。
勿論普通の座席もありますが、
オーストラリア人はやはり陽キャなので皆脚を投げ出しています。
Belgrave駅(ベルグレイヴ駅)を出るとすぐに、
Puffing Billy Railway最大の見所である
Timber Trestle Bridge(ティンバートレッスル橋)に差し掛かります。
Timber Trestleは固有名詞ではなく
脚立のような橋脚(trestle)を多数用いた木造(timber)橋のことで、
今日ではまずお目に掛かることの出来ない古い形式の橋です。
沿線から写真を撮っている人も居ますね。
発車3分で目玉を終えてしまって
後は消化試合になってしまうのでは?
という心配を他所に、Puffing Billyは煙を上げながら
峠越えに挑んでいきます。
制限10mph(≒16km/h)という標識もあり、
ジョギングくらいの速度しか出せていません。
1953年に地滑りがあったのもこの区間だとか。
途中駅のMenzies Creek駅(メンツィスクリーク駅)。
Puffing Billy Railwayの博物館があるそうです。
我々はまだ乗車を続けます。
どうやら峠を越えたようで、
Puffing Billyの足取りが俄に軽くなりました。
蛇行しながら丘を下っていきます。
途中駅っぽいものが幾つかありますが、
その全てをスルーしていきます。
見たところ今も手入れされているようですが、
希望を出せば停車してくれたりするのでしょうか。
脚を出しているのが大分寒くなってきたところで
終着駅が見えてきました。
11:00、Lakeside駅(レイクサイド駅)に到着。
その名の通り、Emerald Lake(エメラルド湖)の湖畔で
散策などが楽しめる駅です。
が、我々の到着を待っていたかのように
雨が降り出してしまいました。
乗車中降らなかっただけマシか…
散歩は出来ないので
ビジターセンターの中を見ることにします。
中は土産物屋やフードコートがあったり、
軽い鉄道博物館があったりします。
帰りの列車が正午を挟んで1時間半後なので
大半の人達は昼食を食べていますね。
フードコートが空くのを待つ為に
隣にあった鉄道模型館にも入ってみました。
豪州、というよりは英国っぽいような?
Jaguar E-Type(ジャガーEタイプ)や
Rover Mini(ローバーミニ)も置いてある辺りやっぱり英国ですね。
まあ、豪州の鉄道模型とか需要が小さ過ぎて無いんだろうな…
何てのんびりしていたら時間がギリギリになってしまったので、
ポテトとナゲットだけ買って急いで食べて駅に戻ります。
12:30発Belgrave行きに乗車。
復路は土砂降りになっていたので大人しく席に座ります。
窓が開放されている所為で滅茶苦茶雨が入ってくる…
ずぶ濡れになりながら
Belgrave駅まで戻って来ました。
良い保存鉄道だった。
Belgrave駅の裏手からは細い道が伸びていて、
Melbourne Metro(メルボルンメトロ)の
Belgrave駅に繋がっています。
Melbourne Central駅(メルボルン中央駅)から
1本でアクセス出来るので、
車の運転が出来ない方はこちらをどうぞ。
僕等は他にも寄りたい場所があるのでレンタカーを使いましたが。
森の中を北へと走ります。
Yarra Valley(ヤラバレー)にやって来ました。
牧場やブドウ畑が点在する丘陵地帯です。
となればお目当ては…
チーズとワインですね。
ドライブで来ているのにワイン?
と思われるかも知れませんが、
豪州の飲酒運転の基準は日本より緩くて
1時間に缶ビール1本程度ならセーフとされています。
まあ、僕はお酒がそこまで好きではないので
お金をSTに出してもらってチーズメインに楽しみます
(今日の運転は全て僕の担当です)。
今日一日数百kmの運転を任せている上に
ワインも殆ど自分一人だけで楽しんでいる…
という引け目をSTに感じさせることにより、
Healesville(ヒールズヴィル)という
片田舎に寄りたいという希望を通すことに成功しました。
農道の脇に車を停めて狙うのは…
来た!
Yarra Valley Railway(ヤラバレー鉄道)です!
豪州は英連邦だけあって
Puffing Billy Railway以外にも沢山保存鉄道があります。
その多くは集客力のある蒸気機関車を用いているのですが、
このYarra Valley Railwayは珍しく気動車です。
沿線にこれと言って凄く珍しい景色がある訳でもないのですが、
それが逆に保存鉄道らしからぬリアルさを醸し出しています。
上の鉄道写真は線路を跨ぐ橋の上から撮ったのですが、
この橋保存鉄道並みの歴史を経ているのか土に還りかけており、
草が生えていて穴の位置が分かり難いので非常に危険です。
気を付けましょう。
ちなみに、実はこの橋もTimber Trestle Bridgeだとか。
折角なのでYarra Valley Railwayの始発駅である
Healesville駅(ヒールズヴィル駅)にも来てみました。
こちらがYarra Valley Railwayの時刻表。
今年は34日間しか営業しないそうです。
1/10も営業していないのか…
営業日は10時から16時まで毎正時に7本走っているようですが。
ここはまだ日の浅い保存鉄道らしいので、
これからどんどん拡大していくのかも知れませんね。
売店には豪州のナローゲージ鉄道特集という
興味深い雑誌があったので買っておきました。
さて、そろそろ戻らなければなりません。
ワイナリーに寄りつつ空港に向かいます。
レンタカーを返却したら、
Tullamarine国際空港(タラマリン国際空港)から
20:05発JQ946便に搭乗。
Victoria観光はここまでです。
23:25、Cairns空港(ケアンズ空港)に到着。
戻って来ました。
Melbourneの後だとド田舎に見えるな…
脚注
※「世界で2番目に古い保存鉄道」
世界最古は英国にあるTalyllyn Railway(タリスリン鉄道)。
コメント