豪州旅行 第3日目

6:00、起床。
朝食を食べて駅に向かいます。


寝起きのSavannahlander(サバンナランダー)。
今日もお世話になります。
8:00に出発。


Almaden(アルマデン)からは支線に入ります。
レールの規格も60lb/ydから42lb/ydに変わり、
昨日にも況して良く揺れるようになります。
メートル法に直すと30kgレールと21kgレールです。
30kgレールの時点で現代日本だと一番ショボい規格ですが。
観光列車なんだから客車にしたり、
編成を伸ばしたりしないのかな?と思っていましたが、
この保線状態では2両編成が関の山ですね。
というか、良くこの低規格レールで保っているな。
スマトラ島のMolek(モレック2019/2/18-19)を思えば
これくらいは余裕なのでしょうか。


人口30人のAlmadenが大都会に思えてくるほど
沿線は人っ子一人居ません。
ただ、放し飼いの牛はちょくちょく見るので
誰かが管理している土地ではあるのでしょう。
ここからだと出荷するのが大変そうだな…


Savannahlanderの宣伝写真にも使われている木橋。
ここで撮り鉄をしたければ、無人の荒野からアクセスして
週1往復のこのSavannahlanderを狙うしかありません。
オーストラリアの撮り鉄は難易度が高いですね。


1時間程走ったところで停車。
優雅な朝のティータイム停車です。


Savannahlander以外ではまずアクセス不可能な場所なので、
老夫婦達はその辺にあった岩に登っています。
何と優雅な朝。
やはりオーストラリア人は陽キャ過ぎる。


地平の果てまで人工物の無い荒野。
これこそOutback(アウトバック)、
これこそ真のオーストラリアだと周りの人達も言っていました。


Savannahlanderを一枚。


岩登りや撮り鉄に興じていたらお茶が出来ていました。
Savannahlanderのロゴ入りマグカップは記念に貰えます。
僕は無難に紅茶にしてしまいましたが、
STはBonox(ボノックス)に挑戦していました。
塩味の強いコンソメスープみたいな感じで、
オーストラリア版の「味噌汁」だとか。
名前はbonne(フランス語で「良い」)
+ox(英語で「雄牛」)に由来するそうです。


ティータイムを終えたら再びOutbackをひた走ります。


無人地帯にポツンと置かれた箱。
現在は信号場ですが…


嘗てはBullock Creek駅(ブーロック・クリーク駅)という
小さな駅が存在していたそうです。
オーストラリアの秘境駅はレベルが違いますね。


この辺りから岩が黒くなってきます。
1,400km2にも及ぶ火山岩地帯に入ったのだとか。


小さな川に差し掛かると、突然
「ワニがいるぞ!」と言って列車が最徐行しました。
え?何処?


あっ、そこか!
写真を撮った時には全く気付いていなくて、
後から隣のお爺ちゃんに教えてもらって
写真を引き伸ばしたら写り込んでいるのを発見しました。
揺れる列車を運転しながら良く見付けられるな…


ここはSavannahlanderが通る中で最長の直線区間。
13kmあるそうです。
直線と言いつつ線路がぐにゃぐにゃなのは気にしない。
日本最長であるJR室蘭本線の28.7km(2015/2/4)
同程度(宇宙論的感覚)ではありますが、
Nullarbor Plain(ナラボー平原)に478kmという
世界最長の鉄道直線区間を持つオーストラリアにしてみたら
小粒中の小粒です。


Queenslandの州鳥だという鳥がいました。
オーストラリアヅルだそうです。
赤い頭はタンチョウっぽいですね。


蟻塚だらけの中を走っていきます。
偶に軌道の中にも蟻塚が伸びていたり。
ガン無視して走っていますが。


段々土地が潤ってきました。
乾燥地帯の中でこれだけ水に恵まれているということは、
この近くに町があることを示唆しています。


11:54、Mt. Surprise駅(マウント・サプライズ駅)に到着。
Savannahlanderの終着駅です。
「驚き山」とは不思議な地名ですが、
初めてこの地に白人が訪れた際
現地の人達が驚いて山に逃げたことが由来だとか。


荒野を一昼夜以上駆け抜けてきてもなお
光沢を保っているステンレス製の車両。
明日Cairns(ケアンズ)に向けて折り返すのですが、
残念ながら我々は時間が無いのでここでお別れです。
Savannahlanderはこのような片道プランもあるのですが、
例によってこのプランを選択したのは我々だけのようです。


乾き切ったOutbackの中でオアシスのようなMt. Surprise。
旅行者で賑わっていてそこそこ規模のある町に見えますが、
定住人口は170にも満たないそうです。


この町最大の存在意義の一つであろうドライブインで昼食。
今から乗るバスの運転手も休憩しています。


Trans North Bus & Coach(トランス・ノース・バス&コーチ)の
都市間バスに乗り換え。
これでCairnsに戻ります。


Ravenshoe(レーベンシュー)でトイレ休憩。
バスなのに何故線路が見えているのかって?


何故かここに保存鉄道があったからです。
元・英国領だからか豪州には保存鉄道が幾つもあり、
正直日本で得られる情報で把握するには限界があります。
この鉄道は今は運行を休止しているようですが。


17:30、Cairns Central駅(ケアンズ中央駅)に到着。
揺れまくり砂埃塗れのSavannahlanderでは一昼夜掛かった道程が
快適なバスでは僅かに5時間。
鉄道に勝ち目はありませんね…
あと、Savannahlanderは不定期運行のツアー列車だからか
運行区間は路線図に載っていません。
本当にKuranda(キュランダ)から先は
Savannahlanderしか走っていないんですね…

さて、今夜の宿はCairnsではありません。
タクシーでCairns空港(ケアンズ空港)へ。


電光掲示板には見た事無い地名がズラリと並んでいます。
豪州の地名にそんなに詳しくないとはいえ、
ここまで知っている地名が無いなんてそんなことあるか…?
と思ったら、これはAborigine(アボリジニ)の言葉での地名のようです。


我々が乗るのはNarrm行き20:05発JQ945便です。
1時間半近く遅れていますが。
目的地のNarrmとは…


0:28、Tullamarine国際空港(タラマリン国際空港)に到着。
Victoria(ビクトリア州)の州都Melbourne(メルボルン)です!
久し振りの海外旅行なのですから、
Cairns周辺だけで満足するような我々ではありません。
豪州大陸の殆ど最南端みたいな位置だから寒い!

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