武蔵御岳山

今日は昼前まで雨が降ってから止むという天気。
学生時代はこんな天気の時、
天気が回復したのだから何処か出掛けたい気がしながらも、
自転車では大した距離を走れないし、
かと言って鉄道もダイヤの制約上
昼からではどうしようもなかったりするので、
近所を散歩したりして誤魔化していたのですが、
今の僕には車があります。


という訳で、ふらっと奥多摩までやって来ました。
この自由度こそ自動車の真骨頂。
勿論、ローカル線の不自由さも大好きですが、
それはそれとして自由というのは良いものです。


さらっと場面転換していますが、
実はここに至るまでの道は勾配15%という
かなりの激坂を延々直登していました。
もうちょっとこう勾配緩和とか考えなかったのだろうか…?


そんな激坂を登ってやって来たのは滝本駅。
そうなんです、こんな山奥の急傾斜地に、
他の鉄道網から隔離された鉄道が存在するのです。
先月(2022/4/23)東京都の鉄道は全て乗り潰したと言いましたが、
これの存在を完全に見落としていました…
静岡県(2022/2/17)でも全く同じミスを犯していましたが、
ケーブルカーは普通の路線図には記載されないことが多いので
とにかく見逃し易いのです。


14:18発御岳登山鉄道に乗車。
上部にロゴがあることからも分かる通り
京王グループの傘下にある路線です。
京王電鉄の鉄道路線からは遠く離れていますが、
同じく京王グループ傘下の西東京バスが
アクセスバスを運行しているからでしょうか。


ここまでの車道でも中々のものだったので、
車道を諦めてケーブルカーを敷いたとなれば
その勾配は推して知るべし。
ケーブルカーの日本最急勾配はやはり京王グループに属する
高尾登山鉄電鉄の31.3°(608‰)が有しているのですが、
そちらは瞬間的な勾配の値。
こちらは平均勾配が凄まじく、
最急勾配が25.2°なのに平均勾配が22.4°もあって
関東一の平均勾配を誇っているのです。
(全国で見ると立山ケーブルカー(2019/7/20)の24°が上)

ちなみに、何故か日本標準の1,067mmではなく
微妙に狭い1,049mmという謎の軌間を採用しています。
ケーブルカーの車両なんて全部特注だから良いのか?


14:24、御岳山駅に到着。
これで今度こそ東京都の鉄道は完乗しました!


良い眺めですねー。
向こうには武蔵野台地の住宅街が見えます。


御岳山駅から御岳山までは少し歩きます。
雨露に濡れた森の匂いが良いですね。
…さらっと流してしまいそうになるけど
ここも相当な急傾斜地だよな。
良くこんな場所にトラバース路を引いたものだな…


暫く歩くと集落が現れました。
こんな場所にも住んでいる人が居るんですね。
純粋な意味での住民というよりは、
民宿や食堂を経営している人々という感じですが。
ここで宿坊に泊まるというのも面白そうですね。


昼前に出てきて昼食を食べていなかったので、
鳥居前町のようなところでわさび丼を食べます。
奥多摩でもワサビが採れるそうです。
生のワサビなんて久し振りに食べたな…


ケーブルカーに乗ったのに、
本殿まではまだそこそこ標高差があります。
思った以上に険しい地形ですね。


という訳で武蔵御嶽神社に到着。
神社の割には偉くお寺っぽい配色ですね。
明治までは神仏習合だったそうです。


参拝を終えたら下山します。
この左の道を行けばケーブルカーの御岳山駅に着くのですが…
上の集落の写真を見て気付いた方は居ないでしょうか。
何故ケーブルカーで上がった先に車が停まっているのか?と。
そう、実は御岳山には車道も通じているんですね。
この分岐の右の道がそれなのですが…


勾配、幅員、カーブのキツさ、
どれをとっても俄には車道だと信じられない道です。
今日みたいに路面が湿った日は徒歩でさえ滑りそうで怖い…


あまりにも無理矢理なヘアピンカーブ。
路肩を拡張してみたり、苦心の跡は窺えるけど
これを一発で通過出来る車は存在するのか…?


しかも、ただ曲線半径が小さいというだけではなくて
この信じられないような急勾配です。
普通、ヘアピンカーブの場所くらいは平坦にするものでは…
林道でももうちょっと線形に気を使いそうなものですが、
これでもれっきとした東京都道201号です。
ただ、流石に関係車両以外は通行禁止です。
僕のマイカーはそもそも物理的に通行不可能ですが。


この急斜面でも法面をコンクリート塗装しないのか…
そんなに安定した地盤なのでしょうか。
そして、この道幅と斜面でも現れないガードレール。
ここを実際に走る車を見てみたいものだ…


って来た!
軽自動車でもギリギリな道幅です。
欲を言えばヘアピンカーブを曲がるところも見てみたかった。


御岳登山鉄道がオーバークロスします。
普通は車道が易々と標高を稼ぐ横で
鉄道はヒイヒイ言いながら登るものですが、
ケーブルカーになると一気に形勢逆転ですね。


さっきは車道より5mほど上にいたのに
もう追い付かれてしまいました。
都道も無理な九十九折で必死に下ってはいるのですが。


御岳登山鉄道と都道の再会。
ケーブルカーは車両にモータを積んでいないので、
近付いているのかが分かり難いですね。
…でも何かエンジン音が近付いているような。


あっ、2台目の車が!
これはヘアピンカーブの通過も見られそう!


現れたのはスバル ドミンゴ。
見るからに短い1,885mmのホイールベースで
日本車歴代トップタイの3.9mの最小回転半径を誇ります。
つまり、日本で最も小回りが効く車ということです。
そのドミンゴが1回で曲がり切れずに切り返しています。
しかも、見たところ上にあったヘアピンよりは大分緩いです。
これはもう設計ミスの域では…?


前輪でジェスチャーしながら喋る
何処ぞのディズニー映画みたいな状態になっていますね。
右前輪はちゃんと接地しているんだろうか…


滑石注意という見慣れない看板。
路面にある石が滑り易いってことを言いたいのかな?
あまりの急勾配に膝が笑いそうになりながら下山し、
満足して帰宅しました。
半日で気軽に来られて気分転換に最適ですね。
上の宿坊でテレワークとか許されないかな…

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