日本縦断旅行 第4日目

日本縦断旅行第4日目。
直江津スタートです。

5:30、起床。
乗る列車はそんなに早くないのですが、
Andrewさん達と6:00から議論があったので。
「そんな早朝で大丈夫なのかい?」
と心配されましたが、23時過ぎにやるよりはまあ…


直江津駅から8:08発えちごトキめき鉄道
日本海ひすいライン普通泊行きに乗車。
会社名も路線名も長過ぎる。
「越後鉄道日本海本線」くらいにして欲しい。
名前通り日本海沿いを走りますが、
上越から越中にかけての日本海沿岸は
日本でも指折りの難所として有名な地。
鉄道は大半がトンネルの中を走っており、
駅は猫の額ほどの地上区間を見付けて設けられています。


が、猫の額ほども地上区間が無かった駅もあります。
8:32、筒石駅に到着。


全長11kmを超す頸城トンネル内のど真ん中にある駅。
列車が行ってしまった後は結構不気味です。


JR上越線の土合駅もトンネルの中にありますが、
あちらは下り線ホームだけが地下だったのに対し、
こちらは上下線共に土の中にあります。


待合室(?)
エアコンとかはありませんが、
地下なので温度が安定していて案外快適です。
頑丈な扉は通貨列車による風圧を避ける為のもの。
同じく新潟県にある美佐島駅と同じですね。
ただ、単線だった美佐島駅と違って
こちらは複線でトンネル断面に余裕があるので、
向こうほどの暴風にはなりません。


狙って作っていたとしたらそれはそれで凄い
あまりにもダサい注意喚起の貼り紙。
いつの日かこういうワードアートが
「平成レトロ」として流行る日が来る…のだろうか。


それでは、290段の階段を上って外界を目指します。
486段の土合駅に比べればマシですね。


既に言及した通りこの駅は複線なので、
途中で上下線ホームからの階段が合流します。


そしてもう一つ、水の流れ落ちる閉鎖された坑道が…
実は、本来ならこれが本体。
筒石駅は頸城トンネルを掘削する際に掘られた斜坑
(土を搬出したりする斜めの穴)を転用した駅なので、
トンネル工事に用いられた穴もこのように残っています。


出口が見えてきました。
何か思っていたのと違う…


どうやら、風圧対策なのか駅舎と抗口の間に
空気を逃がす空間が設けられているようです。


これが筒石駅の外観。
パッと見では鉄道駅とは分かりませんね。


遥か下で筒石川の流れる音が響いています。
駅名の由来となった筒石集落まで歩いてみましょう。


深い筒石川を跨ぐ北陸自動車道。
この区間は最後の最後に開通した難所です。


遠くに日本海と集落が見えてきました。
写真では伝わりませんが、
日本海から吹き付ける暴風が谷筋に収斂して
吹き飛ばされてしまいそうです。


日本海沿いの県道まで出て来ました。


荒れ狂う日本海に洗われる筒石漁港。
冬の間は何日漁に出られるのだろうか。


日本海沿いを走る国道8号。
嘗ては国鉄北陸本線(日本海ひすいラインの前身)も
これと同じ様に海沿いを走っていましたが、
とにかく地滑りが多いので複線化の際に地下化され、
筒石駅は地中になってしまうから廃止
しようと国鉄は画策ようですが地元が猛反対。
幾ら不便になっても良いから駅は残せと主張して
今の筒石駅が造られました。


今でも筒石斜坑という案内があるんですね。
頸城トンネルの点検に使われるのでしょうか。


旧線の廃線跡を転用した県道には
磯部小学校というバス停が置かれていました。
これが在りし日の筒石駅…っぽく見えますが、
実際にはここより1kmほど糸魚川寄りです。


筒石集落。
海沿いに犇めくように建てられた典型的な漁村です。


筒石川の河口。
流石にこの海況で海岸まで行く気にはなれません…


何だかんだで時間が経っていたので戻ります。


10:06発えちごトキめき鉄道
日本海ひすいライン普通泊行きに乗り換え。


10:28、糸魚川駅に到着。
スッキリ晴れていますね。


糸魚川は言わずと知れた糸魚川静岡構造線の町。
駅舎の1階にはジオパークを紹介する施設がありました。


また、鉄道の町にもしようとしているのか、
やけに充実した鉄道関連の展示もありました。
北陸は鉄道の町を目指している場所が多いような…


親不知へ行くということも考えましたが、
筒石のあの荒れっぷりからすると
天険親不知なんか行ったら波に攫われそうなので、
素直に新幹線で富山県へと向かいます。
10:58発JR北陸新幹線はくたか555号金沢行きに乗り換え。
グラベルを走りそうな号数ですね。


11:12、黒部宇奈月温泉駅で下車。
たったの1駅しか乗っていませんが、
新幹線は隣駅までしか乗らないと
特定特急料金という特別安い料金になるのです。


あと、富山地鉄を乗り潰しておきたいので。
新黒部駅から11:22発富山地方鉄道本線
普通電鉄富山行きに乗り換え。


立山連峰は見えているような、いないような…
この時期の立山連峰は正に神の領域ですね。


上市駅で名物のスイッチバック。
一畑電車と同じく、嘗てはここから先へ
Y字型になるように路線が延びていたものの、
先へ行く部分だけが廃止されてV字型になりました。
上市駅を出た時だけどういう訳なのか
フランス語でも車内放送がありました。


12:40、電鉄富山駅に到着。


昼食は白えび天丼。
同じ店にブリ天丼もあって惹かれましたが、
白えびは富山湾産を強調しているのに対して
ブリに関しては沈黙を守っていたので白えびにしました。


先月はチラ見すらしていない富山駅ですが、
7年振りの富山駅は大きく変わりました。
その変化の核となるのが路面電車の南北直通。
嘗ての富山駅では北へ向かう富山港線と
南へ向かう富山軌道線がJRによって分離されており、
市としての一体感に欠ける街作りが続いていました。
それが一昨年、明治41年に市街が分断されてから
実に112年振りに南北が再び繋がったのです。


という訳で、路面電車を乗り潰します。
まずは富山駅電停から13:20発富山地方鉄道
富山軌道線1系統南富山駅前行きに乗車。


融雪剤の影響か、赤茶けて何処か欧州の煉瓦敷の道を思わせる通り。
融雪剤がかかるはずもないビルの側壁まで
同じように赤茶けているのは統一感を持たせる為だろうか…


13:40、南富山駅前電停に到着。
軌道線の本線は乗り潰しました。
富山地鉄不二越線、上滝線への乗り換え駅です。
どちらも乗ったことがあるので折り返します。
13:42発富山地方鉄道富山軌道線2系統富山大学前行きに乗り換え。


折り返しではありますが系統が変わっているので
富山駅に戻る訳ではありません。
今やすっかり珍しくなった鉄道併用橋、
それも平成24年竣工で架けたてほやほやの富山大橋で神通川を渡ります。


トヨタモビリティ富山 Gスクエア五福前(五福末広町)電停。
括弧書きまで含めて正式名称です。
この恐ろしく長い駅名は勿論日本一の長さ。
ただ、平成27年までは何ともシンプルな「新富山」という名前でした。


3文字だった駅名が何故9倍近くにまで伸びたかと言えば、
この電停の裏にある自動車屋、
その名もトヨタモビリティ富山Gスクエア五福店が
命名権を買ったからです。
地元民は良くて五福末広町呼び、
十中八九未だに新富山と呼んでいそうな気がしますが。


14:17、富山大学前電停に到着。
これで支線、安野屋線、呉羽線は乗り潰しました。
折り返し列車に…って何だこの大行列は!
完全に失念していましたが、
今日は富山大学の入試日みたいですね。
折り返し列車には乗れなかったので
急遽増発された臨時列車に乗ることになりました。


丸の内電停で14:36発富山地方鉄道
富山軌道線6系統岩瀬浜行きに乗り換え。


ここからは単線になります。
ただ単線というだけではなくて一方通行です。
じゃあどうやって帰ってくるの?
と疑問に思うかも知れませんが、これは環状線(の一部)です。


この一方通行の富山都心線は
遥か昔の昭和48年に廃止された支線とほぼ同じ経路で
平成21年に改めて新線を開業させて環状線を復活させた異色の路線です。
こんなのは他に例が無い…
と言いたいところですが、札幌市電も全く同じですね。
環状化するのが市電の流行りなのでしょうか。


中町(西町北)電停で本線に合流します。
これで富山都心線も乗り潰しました。
あと一息です。


富山駅の高架下を潜って…


15:01、オークスカナルパークホテル富山前電停に到着。
富山駅南北接続線も乗り潰して
富山市の路面電車は完乗です。


実はこのオークスカナルパークホテル富山前電停も
片方向しか停まらない電停です。
市電王国富山はイレギュラーな路線も多いですね。


片方向しか停まらないと言っても
富山駅までは僅か300mなので普通に歩けます。


15:12発あいの風とやま鉄道普通金沢行きに乗車。
日本縦断再開です。
受験帰りなのか高校生が多い…


雪に埋もれた峠越えに挑みます。
後述の駅の名前から倶利伽羅峠と誤解されがちですが、
越えているのはどちらかというと天田峠です。


DQNネームみたいな倶利伽羅駅に到着。
これで富山県の鉄道は完乗しました!
ちなみに、倶利伽羅はサンスクリット語で
「福徳円満の黒い龍」を意味する語だそうです。
サンスクリット語由来の駅名は日本でもここだけ?


16:10、金沢駅に到着。
北陸随一の都会です。
ここで少し買い物をしました。


16:41発JR北陸本線普通敦賀行きに乗り換え。


16:45、西金沢駅に到着。
またしても寄り道です。
この旅行の最大の目的は、
日本縦断しつつ未乗の路線を可能な限り乗り潰すことなので。


17:00発北陸鉄道石川線普通野町行きに乗り換え。
嘗ては加賀地方の全域に文字通り網の目のような路線網を有し、
一時期は名古屋さえ目指していた北鉄の残照です。
見るからに古い車両だな…
東急で平成初期まで使われていたものです。


あれ、今年って令和4年じゃなかったっけ…?
車両が古過ぎて時差が発生しているのでしょうか。


17:05、野町駅に到着。
犀川や兼六園へは金沢駅よりも
実はこっちの方がちょっとだけ近いです。
まあ利便性は雲泥の差ですが。
折り返し17:11発北陸鉄道石川普通鶴来行きに乗車。


珍駅名四十万駅。
これは数字の40万とは関係無く単に音を当てただけ
…かと思いきや、本当に数字の40万を意味しているらしく、
百済からの距離が40万里だったというのが由来だそうです。
百済って今の韓国南西部だよね?
朝鮮半島基準の里(1里≒0.4km)だったとしても
幾らなんでも鯖を読み過ぎじゃない?(40万里≒16万km≒地球4周分)


雪原に陽が沈みます。


17:44、鶴来駅に到着。
浅野川線は既に乗ったことがあるので、
これで北陸鉄道は完乗です。


平成21年まではもう2駅先の加賀一の宮駅まで、
昭和59年までは更に先の白山下駅まで延びていたので、
その頃のヘッドマークなどが展示されています。


折角なので鶴来駅の名前の由来になった
金剱宮へ行ってみます。
(金剱宮→剱→つるぎ→鶴来)
駅が手取川沿いの平地にあるのに対して、
金剱宮は河岸段丘上にあるんだな…


着きました。
風雪対策なのか拝殿はガラス戸が閉じられています。
そう言えば能登でもこういう形式の拝殿を見たな…


真っ暗になってしまわない内に戻ります。


戻って来ました。
大正レトロな駅舎が優しく輝きます。


18:30発北陸鉄道石川線普通野町行きに乗車。


新西金沢駅から西金沢駅へ歩いて
19:00発JR北陸本線普通小松行きに乗り換え。


19:34、小松駅に到着。
寄り道しまくった所為で
昨日に比べて全然南下出来ていませんが、
今日はここで泊まります。


再来年には遂に北陸新幹線が延伸してしまうようですね。
そうしたら石川県は青春18きっぷユーザーにとって
消滅してしまうも同然…


小松駅は立派な高架駅となり、
既に新幹線駅の風貌を漂わせています。


が、駅前はこれです。
小松って金沢に次ぐ石川県第二の都市じゃないの…?


小松の名物は塩焼きそばだと聞いたので中華料理屋で注文。
…まあ想像に難くない味ですね。
明日もまた朝が早いので、
まん延防止措置の要請に従って早く宿に戻って寝ました。

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