今日も宇宙線研の副査の先生に説明。
主査も副査も人によって興味関心の対象が全然違うから、
各人に説明する時は良くても
審査会の時に何処に重きを置くかが難しいな…
さて、これで今回大学でやるべきことは終わりました。
なので直帰…
しても良いのですが、わざわざ関東、
それも柏まで来たのだから何かしたいところです。
という訳で、無事D論を提出出来たお祝いに
マツダRX-7 タイプRS(FD3S型)を借りてみました。
名前からも明らかな通りこの車はRX-8の先代で、
昭和53年から平成15年までの長きに渡って
2度のフルモデルチェンジを経て発売されていた、
マツダの歴史に燦然と輝くスポーツカー。
艶やかな流線形の車体が何とも美しい
史上最も美しい日本車の一つにも挙げられる車です。
日本車としては最後のリトラクタブルヘッドライト
搭載車としても知られています。
雰囲気だけのスポーティーカーではなく、
数少ないピュアスポーツカーとしても高名でした。
その割には何故か後部座席が設けられていたりするのですが、
こちらは史上最も乗り難い座席として有名です。
この空間に大人の人間が収まっている図を想像出来ない。
そんな外見的な特徴も然ることながら、
この車の最大の特徴はやはり何と言っても
ロータリーエンジンでしょう。
RX-8はロータリーエンジンの特徴の中でも
滑らかさを前面に押し出していましたが、
RX-7はそれとは違う特徴、
即ち、小型軽量でも大出力を達成出来るという点を
最大限に活かした設計になっています。
特に、この5型タイプRSのパワーウェイトレシオ
(1馬力あたりの車重)は日本車最高レベルの4.57kg/PS。
RX-8のベースグレードは6.24kg/PSなので、
ニュートンの運動方程式から単純計算すれば
RX-8の4割増しの加速力ということになります。
回転数に対して線形的に加速したRX-7と違い、
ターボがかかると別次元の加速力を発揮します。
…が、ロータリーエンジンの欠点についても
RX-8以上にハッキリしているのがRX-7。
ただでさえ燃費の悪いロータリーエンジンに
更にターボチャージャーを付けているものだから、
カタログ値で7.2km/Lという伝説的な高燃費です。
実燃費は5km/Lを下回ることもザラだとか。
これで筑波山を走ったらどんな値を叩き出すのか…
まずは下道で筑波山を目指します。
どうも1速の調子が悪いな…
トルクは十分なのでエンストの心配はありませんが、
ギアの入り難さがストップアンドゴーを大変にします。
宥め賺しつつ走っていたのですが、
水海道の街中の交差点で遂に
全く1速に入らなくなってしまいました。
渋滞するくらいの交通量なのに
交差点の先頭で止まってしまうのはマズい!
死にものぐるいでガチャガチャしていたら
3速には何とか入れることが出来たので、
エンストしないよう細心の注意を払いつつ3速発進して
どうにか近くの駐車場に逃げ込むことが出来ました。
これはもう筑波山とか行っている場合じゃないな…
レンタカー屋に電話してみたところ、
レッカー車を手配することは出来るが時間が掛かるので
自走可能なら戻ってきてもらえないかとのこと。
自走可能…なのか?
色々試行錯誤する内に、
少しアクセルを吹かす
→クラッチを切ったまま一瞬3速に入れる
→すぐに1速に入れ直してクラッチを繋ぐ
という方法で1速に入れられることが分かりました。
(シンクロ機構の関係で、ハイギアの方が
入り易いというのは古い車で良くあることらしい。)
少しでも停車回数を減らすべく常磐自動車道で戻ります。
悔しいのでフル加速を試したりしてみました。
この加速力はとんでもないですね…
その分クラッチに負担を掛けているのかも知れませんが。
どうにかレンタカー屋まで戻ることに成功しました。
旧車を所有するというのは
こういうトラブルに日々対処するということでもあるのだなぁ…
勉強になりました…
出発後1時間で失意の帰還。
これで終わったら何という散々なクリスマスイブだ…
レンタカー屋がRX-7のレンタル料は全額返金して、
空きのある他の車を改めて貸し出すという提案をしてきたので、
せめて筑波山ドライブくらいはしたいものです。
他の車…
加速と高燃費繋がりでスバル インプレッサWRX STi(GRB型)か…?
外観が一番好きだった日産スカイラインGT-R(BNR34型)か…?
米国でカルト的人気を目の当たりにしたトヨタ スープラ(A80型)か…?
うーん…
これはある意味、
クリスマスイブは本当に好きな相手と過ごすべき
という啓示ではないかとも思ったので、
敢えてホンダS2000(AP1型)にしました。
今年の頭に乗ったこの車に衝撃を受けて
スポーツカーを借りまくるようになった訳ですが、
数多の名車を経験した後でも尚あの感動を得られるのか、
今年の締め括りに再度乗ってみることにしました。
さっきのRX-7は走行距離13.1万kmであの有り様だったのに、
こちらは何と倍以上の27.5万kmです。
しかし、それでいて全く劣化を感じさせない感触。
コキコキ決まるシフトの何と小気味良いことか。
さっきの事件の後だと尚のこと感動する…
自然吸気なので加速力ではターボに敵いませんが、
リニアな応答は人馬一体の感を高めているとも言えます。
…人馬一体は寧ろマツダのコンセプトですが。
コーナリングの鋭さも思い出に違わず抜群です。
ただ、音はNSX(NA1型)の方が良かったかも。
行ったことのある場所ばかり走るのも何なので、
帰りにちょっとだけ寄り道。
霞ヶ浦の畔の狭い路地裏に入っていくと…
朽ちたホームが佇んでいました。
平成19年に廃止された旧・鹿島鉄道八木蒔駅です。
これだけ綺麗に残っているにも関わらず、案内等は一切ありません。
明らかに誰かが刈り払いをしている様子だけど…
RX-8でも旧・三河大草駅に行きましたが、
廃駅巡りには自動車が便利ですね。
まあ、ぶっちゃけ相当な都市部でもない限り
任意の場面に於いて自動車が一番便利だけど。
思わぬアクシデントもありましたが、
これはこれで楽しい一日でした。
やっぱり良い車だなぁ…
脚注
※「パワーウェイトレシオ」
これまで乗った他の車と比較すると、
2.05kg/PS フェラーリ 488GTB
2.33kg/PS ランボルギーニ ウラカンLP610-4
4.17kg/PS シボレー コルベット(C5型)
4.57kg/PS マツダ RX-7 タイプRS(FD3S型) ←ここ
4.94kg/PS ポルシェ ボクスター(981型)
4.95kg/PS ダッジ チャレンジャーR/T
5.08kg/PS ホンダ S2000(AP1型)
5.18kg/PS トヨタ MR2 GT-S(SW20型)
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