ライス大学滞在第68日目。
(以降、米国中部標準時UTC-6.0h)
夏時間が終わりました。
これから1時間余計に日没時刻が早くなるのか…
よりにもよって最も時刻を間違え易いこの日に飛行機に乗ります。
来週末は帰国の準備があることを考えると
実質的にはこれが最後の週末。
心残りは許されません。
William P. Hobby空港(ウイリアム・P・ホビー空港)から
9:10発WN3057便に搭乗。
10:04、Louis Armstrong New Orleans国際空港
(ルイ・アームストロング・ニューオーリンズ国際空港)に到着。
ジャズとハリケーンのNew Orleans(ニューオーリンズ)です!
まずは例の如く交通費を節約して路線バスで市内へ。
終点まで行かずにちょっと手前でバスを降ります。
写真のCanal Streetcar Line(運河市電線)ではありませんが、
ここは世界最古の市電が走る街。
そしてHouston(ヒューストン)に負けず劣らず温暖な都市でもあり、
毎年のようにハリケーンが襲来することでも有名です。
今年も8月末に大型のハリケーンIda(アイダ)が上陸して
街を滅茶苦茶にしていました。
ただ単に温暖でハリケーンが発生しやすいというだけでなく、
New OrleansはMississippi River(ミシシッピ川)の三角州で
全域が海抜0m地帯になっていることも大きな要因です。
地理の授業で「鳥趾状三角州」として習ったのを
覚えている方も居るのではないでしょうか。
電柱が木造になっているけど、
これはもう諦めてハリケーンの度に立て直そうということなのかな…
住宅街の中の喫茶店で昼食。
河口の街だからやっぱり海鮮!
ということでCrab Cake(クラブケーキ)です。
アメリカ料理の中では一番好きかも。
昼食を終えたら市電で市街中心部へ。
何故かGoogleマップの経路検索では
この市電を使う経路が出てこなかったのですが、
Googleから嫌われているのでしょうか。
世界最古の市電としての雰囲気を醸し出しているのか
座席は木製になっています。
木造にするのは床にして椅子は柔らかくして欲しかったな…
などと旅情を感じていたら、
中途半端な位置で運転を打ち切られてしまいました。
他の乗客も面食らっていますが、
ここから歩く他無いようです。
それでGoogleマップは案内しなかったのか…
挙動の怪しい人がちらほら居るな…
New Orleansは治安があまりよろしくない都市としても有名です。
真っ昼間からこれだと先が思いやられる…
世界最古の市電であるSt. Charles Streetcar Line
(セントチャールズ市電線)も、
残念ながら運休中のようです。
ハリケーンの影響か分かりませんが
多くの箇所が工事中で不通になっています。
市電のもう一つの路線である
Riverfront Streetcar Line(リバーフロント市電線)は…
運休中であることを明示するように
電停に貨車が留め置かれていました。
市電に貨車なんてあるんですね。
市電に頼れず大半徒歩でMississippi Riverまで来ました。
上述の通りNew OrleansはMississippi Riverと共にある街。
という訳で、Mississippi Riverクルーズに参加してみます。
ここで意外にも、国際空港ですら一度も提示を求められなかった
ワクチン接種証明書を見せるように言われました。
何故か厳しいLouisiana(ルイジアナ州)。
でも、どちらかと言えばワクチン接種証明書より
マスク着用の方を呼び掛けるべきなのでは…
汽笛が出港のメロディを奏でています。
何か聞き覚えのある曲も混じっているような…
…スーパーマリオブラザーズの水中面のBGMか!
著作権とか大丈夫なんですかね?
そろりと出港です。
New Orleansも栄えているのはほんの一部分だけですね。
このクルーズ船はMississippi Riverから街を眺められるだけでなく、
New Orleansのもう一つの名物であるジャズ演奏も楽しめます。
普通ジャズの生演奏を聴こうと思うと
治安の悪い夜のバーに繰り出さねばならないのですが、
このクルーズでなら気軽に楽しめます。
ちょっと市街地を離れると
あちらこちらで荷役中の貨物船を見掛けます。
艀から粉状の積荷(トウモロコシ?)を移し替えていますね。
St. Louis(セントルイス)辺りから来たのでしょうか。
中にはボロッボロの木造桟橋も。
撤去しないんですかね?
「ハリケーンでその内壊れるっしょ」ということなのでしょうか。
こちらはDomino Sugar(ドミノシュガー)の製糖工場。
米国最大手の製糖会社で、
白と黄色のパッと見ビールみたいな包装は
アメリカ人にとってはお馴染みのものだそうです。
豪華客船とすれ違いました。
日本では運航再開なんて夢のまた夢ですが、
米国ではもう国際クルーズ船が動いているのでしょうか?
それとも、国内クルーズ船かな?
折り返してMississippi Riverをのんびり上ります。
Rio Grande(リオグランデ川)にも負けない泥水ですね。
鳥趾状三角州が形成されるのも頷けます。
船着場を通り越してNew Orleansの有名なカンチレバートラス橋
Crescent City Connection(クレセントシティ・コネクション)まで来ました。
何と無く見覚えがある気がしたら、
このトラスは衣浦大橋と殆ど同じ形ですね。
衣浦大橋はカンチレバーではないですが。
ちなみに、Crescent City(三日月都市)とは
蛇行するMississippi Riverに沿って三日月のような形になった
New Orleansのことを指す別名です。
ジャズをBGMに治安のよろしくないCrescent Cityをのんびり楽しめて
中々お得なクルージングでした。
優雅なクルーズ船の後は気を張り詰めて
New Orleansの文化の中心地、
The French Quarter(フレンチクオーター)を巡ります。
まだフランスやスペインの植民地だった頃の名残を
色濃く残している地区です。
これはその中心にあるSt. Louis Cathedral(セントルイス大聖堂)。
米国最古の大聖堂だとか。
その目の前にあるJackson Square(ジャクソン広場)では
数多のアーティストが自慢の芸術作品を売っています。
買ったら将来値上がりしたりするでしょうか。
あちらこちらからジャズが漏れ聞こえてくる街角。
趣がありますが、のんびりしているとあっと言う間に暗くなって
治安が最悪になってしまうので早く夕食を食べてしまいましょう。
先月州境付近で食べたGumbo(ガンボ)と、
まだ食べられていないJambalaya(ジャンバラヤ)と
どっちにしようか悩んでいたら、
それを察したウエイターが勧めてきたお試しセット。
左手前がJambalaya、右奥がGumboです。
ちなみに、New Orleansの料理はLouisianaの他の地と比べて
都会的になっているとかで、
Cajun cuisine(ケイジャン料理)ではなく
Creole cuisine(クレオール料理)と呼ばれることが多いとか。
と言っても、セロリとオクラの使用量の多さは相変わらずです。
Jambalayaもオクラ成分が混ぜられているのか、
日本の家庭で作る炒飯を彷彿とさせるもちもちさです。
懐かしい気持ちになります。
お試しサイズではあったものの、
とろみの所為か思った以上にボリューミーで
食べ終わった頃にはすっかり暗くなってしまっていました。
この後は治安の悪そうな通りを
足早に抜けてホテルへと向かいました。
脚注
※「カンチレバー」
片方の端だけを固定した水泳の飛び込み板のような構造のこと。
カンチレバーを両岸から伸ばして中央でくっ付けたカンチレバー橋の場合、
右半分は右岸、左半分は左岸のみによって支えられている為
橋の真ん中を切っても橋は落ちないが橋の付け根を切ると崩落する。
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