(無題)

ライス大学滞在第54日目。

6:52、起床。
起きてから外の暗さで気が付きましたが、
ここはHouston(ヒューストン)と比べて
経度にして約8°西に位置しているので、
日の出が30分以上遅いです。
ということは日の出を拝めるのでは?


という訳で、急いでチェックアウトして
Big Bend National Park(ビッグベンド国立公園)に戻ります。


山の上の方は既に陽光を浴び始めています。
急がなくては!
と言っても、日の出遥拝地点みたいなのあったっけ?


先客のピックアップトラックお爺さんが居たので、
そこで一緒に日の出を拝ませてもらいました。
昼間は茹だるような暑さでしたが、
日の出前は流石に肌寒いですね。


お天道様が顔を出すと一気に暖かくなります。
やはり太陽は偉大。


ラスボスが居そうな岩場(ゲーム脳)
肌寒さが無くなるのは嬉しいですが、
うかうかしているとまた酷暑になってしまうので
涼しい朝の内に観光してしまいましょう。


昨日は公園の北部と東部を巡っていたので、
まずは南西部へと向かいます。


昨日以来のRio Grande(リオグランデ川)。
そして、その向こうには屏風の様に絶壁が連なっています。
良く見るとその絶壁の中で
一箇所だけ切り欠きがあるのが分かるでしょうか。
あそこが目的地です。
しかし、あともう少しというところで…


道が水没しているじゃないか!
昨夜雨が降ったような気はしないけど、
いつの雨が残っているのだろう…
細波一つ無い綺麗な鏡張りになっているので
そこまで深い水溜りではないようにも思うけど…


誰か突っ込んで水深を確かめてみてくれないかな…
なんて思っていたら、
ホンダ パイロットが果敢にも突入していきました。
が、数m入ったところで諦めて引き返していました。
SUVで駄目ならカローラなんか絶対に無理じゃないか…
あとほんの2miで歩こうと思えば歩ける距離なのに…!


…なら歩けば良いのでは?
周囲を良く観察してみると
脇の土手には踏み跡があるように見えます。
傾斜も大したことはないし、これは行けるのでは?


行けますね。
水没しているのは舗装路の部分だけで
ほんの少し迂回すれば先へ進めます。
ヘビやサソリに気を付けながら歩きましょう。


えっちらおっちら歩いていたら、
ジープ ラングラー・ルビコンが
水没地帯を一気に突破していきました。
これがSUVとクロカンの差ですね。


残念ながらクロカンを持っていない僕は人力で突破しました。
車を失ってしまったのであと2mi歩きます。


目指していた割れ目はもうすぐそこです。
…と言ってしまいそうですが、
あまりにも巨大なので距離感が良く掴めません。


たかが2mi、されど2mi。
やっぱり自動車は偉大な発明だなぁ…
幅広の舗装路は歩行距離を一層長く感じさせます。


選りすぐりのクロカンばかりが停まる
舗装路終点の駐車場を過ぎて散策路に入ります。
10月下旬の今でもまだ熱中症を警告する看板がありますね。
昨日の様子を鑑みれば当然ですが。


まだ早朝なので実際の暑さは大したことありませんが、
見るだけで汗をかきそうな暑さに溢れる景色です。
そんな散策路を歩いていくと…


辿り着きました!
Rio Grande(リオグランデ川)が絶壁を穿つ奇勝
Santa Elena Canyon(サンタエレナ・キャニオン)です!
Big Bend National Parkを代表する景色の一つでしょう。
斯く言う僕もここの写真を見てBig Bendに来ようと決めました。


実は散策路は川の対岸へと続いていたりするのですが、
今日はこれから何百マイルも運転するのに
足が泥だらけというのは流石に辛いので自重します。


長い長い帰路を考慮すると時間がギリギリな気がしてきたので
早歩きで車へと戻ります。


水没地帯越え。
アメリカ人達も諦めきれない人が多いのか
何人も徒歩で水没地帯越えを試みる人が居て、
すれ違う度に道を訊かれます。
日本でも良く道を訊かれるのですが、
道を訊き易そうな雰囲気というのは世界共通なのでしょうか。


最後はBig Bend National Parkの象徴、
Chisos Mountains(チソス山地)で締めます。


基本的に乾燥しきっているBig Bend National Parkですが、
このChisos Mountainsだけは緑が多いです。
山が降水にもたらす影響は絶大ですね。


また、山に登っていく訳なので
Texas(テキサス州)では滅多にお目に掛かれない
ワインディングロードを楽しむことが出来ます。
ここをDodge Challenger R/T(ダッジ チャレンジャーR/T)
走ってみたかったな…


Chisos Mountainsはその中央が窪んでおり、
Chisos Basin(チソス盆地)を形成しています。
盆地内は特に緑が多くまるで別世界です。


Big Bend National Park内で唯一の宿泊施設である
Chisos Mountains Lodge(チソス・マウンテンズ・ロッジ)で昼食。
1,600m以上の標高があるので涼しいです。


昼食を終えたらちょっと散策してみます。


平原へと抜ける渓谷を見下ろす位置にベンチがあったので
ちょっと座ってみたら、
風が気持ち良くてついお昼寝してしまいました。
うーん、何という心地良さ…
いつまでも座っていたくなりますが、
そろそろ帰らないといけません。
名残惜しいですが山を下ります。


Midland(ミッドランド)へ向かってひた走ります。
今度は鼠取りに引っ掛からないように
日本では使ったことのないクルーズコントロールも使って慎重に…
と思ったら、国境警備隊に止められました。
全数調査の検問ですが。
交通量は僅少だし、悪名高きメキシコ国境が近いし、
もしかすると車中を調べられたりするんだろうか…
と思いましたが、パスポートを見られて
氏名と滞在目的、訪問先を訊かれて終了でした。
日本の警察とは逆で絶対に車から降ろしたくないようですね。


行きにも寄ったFort Stockton(フォート・ストックトン)で一休み。
往路では気付きませんでしたが、
廃駅を転用したビジターセンターがあったんですね。
嘗てはここからAlpine(アルパイン)へと旅客列車が走っていたそうです。
貨物列車はまだ走っているようですが。


ACNL(とび森)をプレイしたことのある人なら
見覚えがあるはずの装置の模型。
そう、石油掘削機です。
鉄道がこの地に敷かれたのは勿論石油が出るからです。


そんな石油掘削地域を走りに走って
日も暮れた頃に漸くMidlandに到着。
この48時間での走行距離は677mi(1,090km)でした。
高速道路で名古屋から青森か鹿児島へ行くくらいの距離です。
線形も道幅も交通量の少なさも桁違いなので
単純比較にあまり意味はありませんが…
Texasは実に広大ですね。

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