ライス大学滞在第41日目。
6:00、起床。
荷物を纏めて宿をチェックアウトしたら、
三度Navajo Nation(ナバホ族居留地)へ。
(以降、米国山岳部夏時間UTC-6.0h)
今日のメイン、Antelope Canyon(アンテロープキャニオン)です。
Antelope CanyonにはUpper(上部)と
Lower(下部)の2ヶ所ありますが、
今回入渓するのはLower Antelope Canyonです。
より道が険しいのがLowerです。
早速渓谷の中へと入っていきます。
Grand Canyon(グランドキャニオン)とは真逆で
黒部峡谷ばりに狭い渓谷です。
基本的には干上がっているので安全ですが。
これがAntelope Canyon!
乾き切った土地ながらも水のうねりを強く感じさせる場所。
風に靡く絹のカーテンのような艶やかな造形は
鉄砲水が砂岩を侵食して出来たものです。
そんな芸術的な峡谷の底を歩いていきます。
ここは写真家にとって魅惑のスポットだそうで、
ウン万ドルで落札された写真もあるんだとか。
乾いてこといますが峡谷は峡谷なので、
屡々滝(に相当する段差)が現れます。
そんな場所にはキチンと階段が設けられています。
左にある窪みは昔の階段の跡でしょうか?
鉄砲水では階段もろとも流されてしまうことも多いらしく、
そうでなくとも水が溜まってしまうので
スタッフ総出で掻き出すのだそうです。
全面ゴルジュでへつることなど夢物語。
水が流れていたら最も遡行困難な峡谷の一つですね。
称名川も水が引いたらこんな感じなんだろうか…
左を向いて笑っている顔のような岩。
こちらは右を向いて髪を靡かせる胸像のような岩。
これらは解説を聞かなくてもパッと見で分かるくらい
ハッキリとした造形ですね。
こちらはタツノオトシゴの形に見える場所だとか。
これは解説を聞かないと分からないですね…
道、いや河床はどんどん狭くなってきて
大人一人がやっと通れるくらいの幅です。
これ、ふくよかなアメリカ人だと通れないのでは…
水平に眺めると賑やかですね。
鉄砲水の轟音が聞こえて来そうです。
Antelope Canyonが殊に美しいのは
石や土が流されてしまっていることが大きいですが、
上流部になると洗い残しのような土砂がちょっとあります。
思ったより大きな岩もゴロゴロありますね。
これを全て綺麗さっぱり流してしまう鉄砲水の威力とは一体…
名残惜しいですが、地上が近付いてきました。
唐突に地上に顔を出して終了です。
噂に違わぬ美しい峡谷だった…
しかし、何故ここから急に地を割って峡谷が始まるのでしょうか?
誰か地学に詳しい方教えてください。
では、一昨日からお世話になったPage(ペイジ)の町とお別れです。
最後にColorado River(コロラド川)の見納め。
Colorado Riverを跨ぐGlen Canyon Dam Bridge
(グレンキャニオンダム橋)を渡る際に
希望者は車から降りて歩かせてくれます。
皆もう疲れているのか歩いたのは僕を含めて3人だけですが。
落下防止か悪戯防止か厳重なフェンスに囲まれているので
肝心のColorado Riverがあまり見えない…
と見せ掛けて、写真撮影の便宜を図っているのか
フェンスには時々スリット状の穴が開けられています。
スリットから覗いたColorado River
に造られたGlen Canyon Dam(グレンキャニオンダム)。
日本で最も高い黒部ダム(186m)より30mも堤高が高く、
米国では4番目に高いダムです。
ちなみに、黒部ダムと同じ年(1956年)に着工しています。
砂がこびり付いて早くも古代遺跡みたいな貫禄を出していますね。
Arizona(アリゾナ州)を後にしてUtah(ユタ州)に入ります。
(以降、米国山岳部夏時間UTC-6.0h)
(以降、米国山岳部標準時UTC-7.0h)
(以降、米国山岳部夏時間UTC-6.0h)
…が、すぐにまたArizonaに戻り、
またUtahに入ってArizonaに戻り…
と州境を何度も跨ぎます。
夏時間の今だと時差が大変なことになりますね。
集合時間は何処の標準時なのかちゃんと確かめましょう。
大抵はUTC-7.0h、つまりArizonaや
Nevada(ネバダ州)と同じだと思いますが。
(以降、米国山岳部標準時UTC-7.0h)
Las Vegas(ラスベガス)に通じるI-15(州間高速道路15号線)は
Virgin River(ヴァージン川)の刻む峡谷を走ります。
キルギスのЧуй(チュイ川)を思い起こさせますね。
キルギスと同じく勾配を緩める小細工が無いので結構な坂です。
ブレーキへの負担が凄そう。
これ以降エンジン不調と言って頻繁に停車するようになったのですが、
これ大丈夫なんですかね…
予定ではもう1ヶ所寄ることになっているけど、
ぶっちゃけMonument Valley(モニュメントバレー)と
Antelope Canyonだけでもう大満足だから、
無理をせずLas Vegasに直帰して良いよ…
(以降、太平洋夏時間UTC-7.0h)
しかし、律儀に最終立寄地にもやって来ました。
Valley of Fire State Park(バレー・オブ・ファイアー州立公園)です。
「炎の谷」というRPGのような地名は、
お察しの通り赤い砂岩に太陽光が当たると
まるで燃え盛る炎のように見えることに由来しています。
今は曇っていますが。
日本なら「落ちない岩」として受験生に人気が出そうな奇岩。
英語だと試験に落ちるのは“fall”ではなく“fail”なので
残念ながら願掛けになりませんね。
その代わり(?)に屋外結婚式場がありました。
確かに、赤い岩の中にウェディングドレスは映えそうですね。
でも、複数組合同でやるのか…
そして、こんな赤い岩なら結婚式だけでなく
あれもしたくなりますよね?
お絵描きです。
Monument Valleyにもあったような壁画がここにもあるのです。
しかし、何故こんなにも高くて不安定な場所に…?
「俺はこんな高い位置に描けたぜ!」
「何だってぇ?なら俺はその10ft上に描いてやんよ!」
みたいな争いが繰り広げられていたのでしょうか。
その後はそんなにエンジン不調も無く、
無事Las Vegasに帰着。
これにてアメリカの壮大さを雄弁に語る西部
The Grand Circle(グランドサークル)2泊3日のツアーが終わりました。
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