ライス大学滞在第39日目。
6:00、起床。
正味4時間くらいしか寝ていませんが、
ツアーに参加するので集合場所に向かいます。
街全体が虚飾に塗れてテーマパークみたいですね。
この時間帯のLas Vegas(ラスベガス)は
イルミネーションも消えて静かです。
とあるホテルの玄関でツアーバスに乗り込み、
Las Vegasを抜け出します。
今回の目的は米国と聞いて想起されるであろうあの景色、
偉大なるド田舎大西部です。
ツアーガイドと運転手は訛りの超キツいイタリア人、
ツアー参加者はインド系4人、アジア系3人、メキシコ系2人で、
白人は2人という人種のサラダボウルな団体です。
皆会話がそんなに流暢じゃなくて正直助かる。
車内からチラッと見えたHoover Dam
(フーバーダム)のダム湖。
残念ながらHoover Damは見えませんでした。
ここからArizona(アリゾナ州)に入ります。
米国本土では最後に州になった場所です。
(以降、米国山岳部標準時UTC-7.0h)
Kingman(キングマン)で最初の休憩。
ガソリンが高い!
Houston(ヒューストン)だと$2.75/Gなのに、
ここだと$3.48/Gもするのか…
いや、油田のあるHoustonが激安なだけ?
少しでも睡眠時間を確保する為に
朝食を食べていなかったので、
売店にあったSubway(サブウェイ)で食べました。
人生初Subway…かも。
I-40(州間高速道路40号線)に乗ります。
I-40は自動車の近代化に合わせて
1950年代から順次整備された高速道路で、
先月走ったI-10(州間高速道路10号線)の北側を並走する形で
太平洋と大西洋を結んでおり、
とある道路に止めを刺したことでも有名です。
Route 66(ルート66)…
Santa Monica, California(カリフォルニア州サンタモニカ)と
Chicago, Illinois(イリノイ州シカゴ)を結び、
まだ見ぬ新天地を求めて西進した人々を支えた
The Main Street of America(アメリカの表通り)。
一度はその名を聞いたことがあるのではないでしょうか。
日本人にとっての富士山を望む東海道と同じくらい、
大西部の荒野を走るRoute 66は
アメリカ人のアイデンティティを呼び起こす存在です。
そして、ここSeligman(セリグマン)は
Route 66と命運を共にした宿場町。
1978年にI-40がここを迂回する形で開通して
一時はゴーストタウンと化しました。
しかし、町の床屋がこの町の生き残りを懸けて
Route 66の観光地化を模索。
現在ではHistoric Route 66(ヒストリック・ルート66)として
大西部を代表する観光地に返り咲きました。
一度は栄えた宿場町がバイパスの開通でゴーストタウン化し、
その後何やかんやで復興する…
こんなストーリー、何処かで聞き覚えはないでしょうか。
そう、この町は映画Cars(カーズ)の舞台である
Radiator Springs(ラジエーター・スプリングス)の
モデルになったと言われている場所です。
そんな訳で、町にはCars関連のオブジェが沢山あります。
映画公開から15年が経過して
Carsオブジェすら熟れつつありますが…
日本人の僕にしてみれば
故郷とは似ても似つかない異郷のはずだけど、
この得も言われぬ郷愁は何だろう…
暑い地(Houston、ヒューストン)からやって来た
肌寒いくらいの風が吹く平原ということで、
無意識に北海道を重ねているのでしょうか…
お次はRoute 66から南に逸れてOak Creek(オーク・クリーク)。
恐らく、渓谷のスケールに感動するべきなのでしょうが、
それよりArizonaにこんな森林地帯があったという事実と、
懐かしい松の香りに感動しています。
大西部にもこんな風景があったんですね。
道はこのOak Creekの中を下っていきます。
奇岩の町、Sedona(セドナ)に到着。
四方に赤茶けた巨岩が鎮座しており、
町の何処に居てもその姿を望むことが出来ます。
この地域の観光の拠点にもなっており、
西部劇風の街並みは多くの観光客で賑わっています。
ここで昼食休憩として2時間の自由時間。
昼食には長いけど、観光には短いな…
取り敢えず、奇岩を望みつつ昼食。
Arizonaもメキシコに接しているからかメキシコ料理ばかりです。
米国ってもうちょっと料理に幅は無いんですかね…
まあ、日本も山間に行ったら蕎麦ばかりですが。
本来はお土産を買う為の自由時間なのでしょうが、
お土産を買って荷物が増えると
Frontier Airlines(フロンティア航空)に
幾ら追加料金を請求されるか分からないので、
奇岩をもっと間近に眺められないかと
路肩を歩いて町の外れに行ってみます。
Las Vegasで借りてきているのか知らないけど、
えらくスーパーカーが多いな…
脇道を見付けたので入ってみたものの、
何か民家に通じていそうな雰囲気だったので引き返す図。
町の北側は渓谷に入ってしまうので眺めは微妙ですね。
こちらは町の南側。
色んな奇岩が望めます。
ガイドがVortex(渦)がどうのこうの言っていたので、
てっきり川に甌穴でもあるという話かと思いきや、
こういう奇岩のような霊験あらたかな場所、
日本風に言えばパワースポットを指す語だそうです。
Sedonaは特にそれが集まっているそうで、
旅行本の解説が新興宗教みたいになっています。
休憩時間を終えるとVortexの一つ、
Bell Rock(ベルロック)にやって来ました。
Vortexにはスペイン語の名詞のように
女性格と男性格があるそうで、
これは男性格に分類されるそうです。
上まで登れるトレイルもあるそうですが、
Sedonaはあくまで中継地点であって
今夜の宿まではまだ300km近くもあるので、
10分ほどで撤退して宿に向かいます。
(以降、米国山岳部夏時間UTC-6.0h)
車内で爆睡して目が覚めると、
再び乾き切った砂漠地帯に居ました。
ここは4州に跨がるネイティブアメリカンの土地
Navajo Nation(ナバホ族居留地)。
大半の地域がArizonaに属しますが、
夏時間を採用している為に今は1時間の時差があります。
夕陽に照らされた地層が炎のようで綺麗ですね。
宿までもう少しです。
(以降、米国山岳部標準時UTC-7.0h)
日も暮れた18時半にPage(ペイジ)の町に到着。
…ついさっき1時間時計をずらしたばかりですが、
ここはギリギリNavajo Nationに含まれないので
夏時間不採用なのです。
更にややこしいことに、この町はArizonaの北の果てで
10km足らず北に行くと夏時間を採用している
Utah(ユタ州)に入ってしまう為、
時差の飛び地状態となっています。
現在地を検知して時刻を自動調節する機能のある時計だと
屡々間違った時刻を返してしまうとか。
この自由さが米国らしいと言うべきか。
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