ライス大学滞在第18日目。
米国は、デカい。
その中でもTexas(テキサス州)はとりわけデカい。
合衆国50州の中でAlaska(アラスカ州)に次いで
2番目の面積を誇っています。
実に日本1.8個分です。
しかし、実際問題としてどれほどの大きさなのか?
それを確かめる為に今日はドライブで
隣の都市まで行ってみることにしました。
まあ、言ってみればD論の気晴らしです。
9:00にHobby空港(ホビー空港)で車を借ります。
何故わざわざ市電とバスで1時間も掛かる空港まで行くかというと、
市街地のレンタカー屋ではカーナビ付きの車が無いからです。
I-10(州間高速道路10号線)で西へと向かいます。
Interstate Highway(州間高速道路)は
米国本土48州に張り巡らされた高速道路で、
このI-90は大西洋岸のFlorida(フロリダ州)から
太平洋岸のCalifornia(カリフォルニア州)まで、
約4,000kmを結ぶ4番目に長いInterstate Highwayです。
通行料金は基本的に無料。
制限速度は工事中の区間で55mph(約90km/h)、
僕が走った区間内の最高で75mph(約120km/h)と
そもそもの設定自体日本より速めですが、
そこはTexas、殆ど誰も制限速度を守っていません。
トラックや工事用車両で80mph(約130km/h)、
追越車線なら〜100mph(〜約160km/h)くらいが普通です。
まあ、都市間の距離を考えるとその気持ちは痛いほど分かる。
あと、日本の高速道路との大きな違いとしては、
サービスエリアに相当するものが存在しません。
しかし、彼等とて人間なので何時間もぶっ続けで運転するわけではなく、
休みたくなった時は一旦Interstate Highwayを降ります。
各出口の前にはガソリンスタンド、飲食店、モーテルなど
どんなお店があるか示す看板が掲げられており、
それを頼りにどの町で休憩するか決めるというわけです。
(帰路に撮った写真なので夕方です。)
通行無料だからこそ成り立つ制度ですね。
裏を返すと、日本で言うところのSAやPAくらいの頻度でしか
沿道に町、というか集落が現れないということを意味しています。
一応、日本でのPAに相当するRest Area(休憩所)も
設けられてはいますが…
公園の事務所のような建物に
申し訳程度に自動販売機が置かれているだけで、
あまり使い物にはなりません。
出現頻度もおおよそ100mi(約160km)に1回といった有様です。
しかし、そこは資本主義の国アメリカ合衆国。
こんなビジネスチャンスを私企業がみすみす逃すはずはありません。
ここTexasにはBuc-ee’s(バッキーズ)という
日本のSAを遥かに上回るお店が展開しているのです。
扱いとしてはガソリンスタンドらしく、
100台は同時に給油出来るくらい巨大な給油所があります。
洗車を始め、タイヤやバッテリー交換まで出来ます。
で、米国らしくコンビニを併設しているという体なのですが、
これがもうとにかくデカい!
誇張表現抜きに米国で今まで見た中で
一番賑わっているお店です。
食料品やホットスナックは勿論のこと、
キャンプ用品や装飾品に至るまで豊富に取り揃えています。
マスコットのBucky(バッキー)君のお土産も沢山。
宛らテーマパークですね。
雰囲気が楽しいので見掛けるとついつい寄ってしまいます。
…と書くと、
Rest Areaは100miに1個しか無くても、
Buc-ee’sなら沢山あるんだな!
と思われてしまう方が居るかも知れませんが、
残念ながらBucky君の出現頻度も100miに1回です。
100miくらいノンストップで運転出来なきゃ
一人前のTexan(テキサス民)じゃねえ
ということでしょうか。
ちなみに、100mi前から案内看板が立っています。
例のジャスコ釧路店どころの騒ぎじゃないですね。
また、ホットスナックや飲み物がとてもお買い得です。
ただ、オレンジソーダを買ってみましたが、
ソフトクリームサーバーに入れたのかと思うくらい
バニラの香りしかしませんでした。
ポテトはアツアツで美味しい。
Interstate Highwayのもう一つTexasらしい要素としては、
Evaculane(避難レーン)なるものがあります。
これは普段は緊急時のみ使用可能な路側帯で、
ハリケーンの来襲時に解放されるレーンのこと。
近所の学校や公民館に避難して終わりの日本とは違い、
とにかく平野の広さが半端ではない米国では
一口に避難と言っても民族大移動のような規模になり、
2005年9月のハリケーンRita(リタ)では
あのKatrina(カトリーナ)の直後だったこともあって
数百万人がInterstate Highwayに殺到。
大渋滞の中熱中症で命を落とす人が続出してしまいました。
それを教訓に設けられたのがこのEvaculaneというわけです。
僕の滞在中には有効化されないと良いけど…
目的地まであと少しというところで
道路工事が原因の酷い渋滞に嵌まってしまいました。
Google先生の言う通りさっきの出口で降りておけば良かったか…
隣の州道の車が嘲笑うかのように通り過ぎていきます。
…心成しか、草叢を突っ切る轍があるような?
いや、まさかね…
行くのか!
幾ら通行無料だからって無茶し過ぎでは。
レンタカーが壊れたら洒落にならないので
僕は大人しくInterstate Highwayを走り続けます。
休憩や仮眠を含めて走ること延々5時間。
Houstonの隣の都市、San Antonio(サンアントニオ)に到着です!
遠かった…
San AntonioはTexasではかなり珍しい観光都市。
San Antonio River(サンアントニオ川)沿いに設けられた
Paseo del Rio(パセオ・デル・リオ)という遊歩道が有名で、
アメリカのヴェニスと呼ばれることもあるとか。
遊覧船も引っ切り無しに通っています。
でも、手漕ぎゴンドラとかじゃなくて
タグボートみたいなやつなんですね。
さて、San Antonioと言ったらこれは外せません。
The Alamo(アラモ砦)です。
“Remember the Alamo”(アラモを忘れるな)のスローガンで有名な
テキサス独立戦争の激戦地で、
Texans(テキサス民)にとって愛国心、
もとい愛州心を強く呼び起こされる聖地になっています。
欧米にしては珍しく場内撮影禁止でした。
思ったより狭い。
The Alamoを見終えたら街歩きしてみます。
メキシコが近いからかマヤ文明みたいな雰囲気がありますね。
このお洒落な水路って行政が整備したのかな?
と思ったらホテルに入ってしまいました。
どうやら、高級ホテルの設備の一部なようです。
戻って来たPaseo del Rio。
運転しっぱなしからの散策でお腹がペコペコだ…
ここで遅い昼食にします。
リバーサイドのレストランで昼食。
このカキフライのサラダが中々美味しかったです。
パクチーが混入していたのが玉に瑕ですが…
食後はSan Antonio市街の南にある
San Antonio Missions(サンアントニオ・ミッションズ)へ。
Texas唯一の世界遺産です。
(The Alamoも構成要素として含まれている。)
世界文化遺産というから
さぞかし立派な伝道所かと思いきや、
えらくだだっ広くて殺風景な場所です。
日本の地方の城址みたな雰囲気ですね。
どうやら現役当時は市場などが開かれていた広場のようです。
風が心地良いので、
帰路の長時間運転に備えてベンチでちょっと休憩…
さあ、一人旅なので当然帰りも全行程運転せねばなりません。
Buc-ee’sで水分補給しつつHoustonへ。
無事事故を起こすこともなく帰着しました。
走行距離451mi(726km)、運転時間9時間11分。
東北自動車道全部+47kmほどを
1日で運転したことになります。
しかし、疲れは驚くほど少ないです。
まさか、Buc-ee’sの飲食物には居眠り運転を防止する
覚醒剤的な成分が含まれているのでは…
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