地球温暖化の影響なのか近年は豪雨災害が多いです。
これではいつ何処で鉄道が廃止されるか
全く予想が出来ません。
そんな中、先月土砂災害警戒区域に掛かる
鉄道についての新聞記事が出ていました。
それによると、鉄道会社の路線総延長の内に
土砂災害警戒区域が占める割合では
松浦鉄道が1/3を超えてぶっちぎりの1位でしたが、
東海地方にも4位に食い込む会社が。
これはもしかすると、帰国した頃には
台風で廃線になっている可能性もあります。
今日は渡米前最後の日曜日。
後悔しない為にも乗りに行くことにしました。
成岩駅から7:05発名鉄河和線急行新可児行きに乗車。
1週間に2本しか来ない名鉄広見線直通列車です。
終点まで乗ります。
新可児駅から可児駅に歩いて
8:47発JR太多線普通多治見行きに乗り換え。
JR東海では唯一乗っていなかった路線です。
珍駅名として名高い姫駅。
比売命(ひめのみこと)がこの地を治めた
という伝説に由来するそうです。
9:07、多治見駅に到着。
多治見に来たのは乗り潰しの為だけなので、
折り返しの9:21発JR太多線普通岐阜行きに乗り換え。
美濃太田駅まで乗ってJR太多線、
延いてはJR東海の全路線を完乗しました。
しかし、今日のお目当てはこれではありません。
美濃太田駅で9:56発長良川鉄道越美南線
普通北濃行きに乗り換え。
岐阜と福井を繋ぐことを目指し、
後一歩のところで夢が潰えた旧・国鉄越美線。
福井県側のJR越美北線は8年前に乗りましたが、
その岐阜県側の片割れがこの長良川鉄道です。
冒頭に挙げた、
「土砂災害警戒区域が占める割合が全国4位の鉄道会社」
というのも正にこれ。
路線長の16%が土砂災害警戒区域に指定されており、
尚且つ東海地方では明知鉄道に次いで
経営の厳しい第三セクター鉄道なので、
帰国するまで無事か分からないと思って来てみました。
長良川鉄道はその名の通り、
ほぼ全線に渡って長良川に沿って走る路線。
美濃太田9:56発のこの便は
「ゆら~り眺めて清流列車1号」として、
景勝地で徐行運転を行うそうなのですが…
ラッピングの所為で全然景色が見えない…
何故よりによってこの車両を充当したのか。
しかも、何だか冷房の効きが悪いような…
刃物の町関。
この付近で越美南線は北へ90°向きを変え、
長良川と東海北陸自動車道に沿うようになります。
焼物の町美濃。
嘗てはここまで名鉄が通っていました。
湯の洞温泉口駅から先は
いよいよ車窓に長良川を望めるようになります。
まだ中流くらいの場所ですが綺麗ですね。
ラッピング車両なのに何処からこの写真を撮っているかというと
乗車口の窓です。
国道156号が間に割り込んでくることが多いので、
先月の錦川鉄道に比べると若干見劣りしますが、
それでもこの美しさには目を惹かれます。
長良川ってこんなに綺麗だったっけ…
みなみ子宝温泉駅。
駅舎に温泉が併設されており、
列車到着までの時刻を風呂場にある信号機で知れるという
ユニークな日帰り温泉施設です。
「日本まん真ん中温泉」を自称しています。
結局、日本の中心は何処なのか。
越美南線、国道156号、東海北陸自動車道が
揃ってトンネルを掘っている区間。
地形の険しさを窺わせます。
相生駅北側のこの区間が
越美南線が最も長良川に近付く場所でしょうか。
川幅が広く、水深の浅い場所では
何人もの釣り人が鮎釣りに興じています。
鮎食べたいなぁ…
郡上八幡駅。
昭和4年の開業当初の駅舎が今も残っています。
一般の観光客は十中八九ここまでに降りるので、
この先も乗り続ける人が居たらほぼ間違いなく乗り鉄です。
ビートで走った油坂峠道路が頭上を跨ぎます。
下から見ても壮大な道路ですね。
その建設費を回せば国鉄越美線を全通させられたのだろうか…
最後の有人駅、美濃白鳥駅。
油坂峠道路は白鳥からほぼ真西に向かっていますが、
油坂峠は美濃側の勾配がキツ過ぎるので
越美南線は勾配の緩い石徹白を目指して北へ向かいます。
ちなみに、美濃白鳥駅は最後の有人駅であると共に
最後の列車交換可能駅でもあるので、
ここでタブレット交換をして閉塞しています。
全部で一つしかないタブレットを持っている列車しか進入出来ないようにして、
単線区間で衝突を防ぐ為の制度です。
12:04、北濃駅に到着。
これで長良川鉄道越美南線は完乗しました。
岐阜県で最も終着駅らしい終着駅とも呼ばれる北濃駅。
本来は終着駅になる予定ではなかったのですが…
北濃という駅名が何処となく
旧・国鉄白糠線の北進駅を彷彿とさせて、
鉄オタの旅情を誘います。
明治35年製で国内で2番目に古いという転車台。
(最古は大井川鐵道大井川本線千頭駅の明治30年製。)
昭和40年代まで使用されていた後暫く藪の中で行方不明になり、
平成16年に「再発見」されたそうです。
鉄オタの来襲により俄に活気付く北濃駅。
ここで昼食を食べないとまた2時間以上乗車することになるのですが…
駅前はこんな感じ。
目の前の道路は国道158号なので交通量はそこそこありますが、
飲食店の類は見当たりません。
…と思ったら、駅に入っていました。
今時食堂のある駅は貴重ですね。
新型コロナウイルスの影響で店内飲食は出来ませんでしたが、
お持ち帰りの味噌カツ弁当は手に入ったので駅前で食べます。
本来は駅弁なのかも知れませんが、
流石に今の時期車内で食べるのは気が引けるので…
12:39発長良川鉄道越美南線普通美濃太田行きに乗車。
往路て撮り逃した写真などを獲りつつ戻ります。
美濃太田駅で14:55発JR高山本線普通岐阜行きに乗り換え。
各務ケ原駅から名電各務原駅に歩いて
15:18発名鉄各務原線急行名鉄岐阜行きに乗り換え、
名鉄岐阜駅で15:48発名鉄名古屋本線快速特急豊橋行きに乗り換え。
随分遠くまで来たつもりなのに名鉄がいると不思議な気分ですね…
笠松駅で15:55発名鉄竹鼻線普通新羽島行きに乗り換え。
折角なので、このまま流れでもう少し乗り潰します。
名鉄で一番格好良い駅名であろう不破一色駅。
仰々しい駅名の割に周りはただの田舎ですが。
普通に電車に乗っていてもほぼ分かりませんが、
実は名鉄竹鼻線は江吉良駅で唐突に終わっています。
本来の名鉄竹鼻線は江吉良駅から曲がらずに
真っ直ぐ南へと延びて大須駅まで続いていましたが、
まず昭和57年に江吉良駅から新線が分岐し、
平成13年に江吉良駅から先の元祖名鉄竹鼻線が廃止された為に、
恰も分岐無しの1本の路線のようになったのです。
この先は名鉄羽島線です。
ほぼ区別されることは無い両線ですが、
路線図を良く見てみると竹鼻線だけではなく
羽島線の文字も書かれているのが分かります。
この書き方だと名鉄岐阜-笠松が竹鼻線に見えなくもないですね…
16:17、新羽島駅に到着。
これにて岐阜県内の鉄道を完全乗車しました!
名鉄羽島線はかの有名な岐阜羽島駅への
アクセス路線として建設された路線
…なのですが、昭和39年に岐阜羽島駅が開業したにも関わらず、
それから18年も後の昭和57年になるまで完成せず、
しかも、岐阜駅へ行くなら名古屋駅からの方が早いという有様です。
特に観光スポットがある訳でもないので
16:21発名鉄羽島線普通笠松行きに乗車し、
笠松駅で16:53発名鉄名古屋本線快速特急豊橋行きに乗り換え。
名鉄一宮駅で17:13発名鉄尾西線普通玉ノ井行きに乗り換え。
更にもうちょっとだけ寄り道します。
17:22、玉ノ井駅に到着。
上の路線図にも写っている名鉄尾西線の終点です。
名鉄尾西線は2本なのに1本に見える名鉄竹鼻線・羽島線とは逆に
1本なのに2本(以上)に見える路線で、
弥富-津島、津島-名鉄一宮、名鉄一宮-玉ノ井で運行が分断されています。
その中でも名鉄一宮-玉ノ井は特に影が薄い区間でしょう。
しかし、開業当時は名古屋と岐阜を結ぶ一大幹線でした。
玉ノ井駅から更に先の木曽川橋駅まで路線が延びており、
そこで渡し船に乗り換えて笠松駅に向かっていたのです。
玉ノ井駅から先は戦時中に休止したまま廃止されてしまいましたが。
渡米前に岐阜周辺の路線を乗り潰せて満足です。
17:31発名鉄尾西線普通名鉄一宮行きに乗車。
半田へと帰りました。
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