中国地方旅行第4日目。
のんびり日本海沿いを走ります。
7:00、起床。
結局、瑞風は何時頃通過していったのだろう…
今日はここまで3日間と比べると
そんなに長距離を移動するわけでもなく、
ダイヤにも比較的余裕があるので、
そんなにしっかり調べないまま来てしまいました。
取り敢えず、山陰本線のダイヤだけ調べて
その場に応じて適当に巡ってみます。
益田駅から8:12発JR山陰本線普通浜田行きに乗車。
…あれ?
やけに折り目正しい服に身を包んだ
料理人と乗務員らしき人達が居るな…
そして、何やら緑色の旗を持つ親子…
もしかして…
やっぱりトワイライトエクスプレス瑞風か!
早朝の内に行ってしまったと思っていたけど、
まさか折り返して戻って来るとは…
僕が乗る列車の1分後の発車だそうなので
ホームで見ることは出来ませんでしたが、
車内からその姿を拝むことが出来ました。
また折り返して東萩駅に向かうそうです。
今日もまた美しい日本海沿いを走ります。
8:43、折居駅に到着。
目の前に日本海が広がる絶景の駅です。
山陰本線でも随一の名勝駅でしょう。
駅舎と跨線橋も海と空に合わせるように
淡い青色で塗られています。
駅舎の中から。
駅前側かホーム側かという違いはあるにせよ、
あの下灘駅を彷彿とさせますね。
下灘駅ほどの知名度は今のところありませんが。
ただ、地元では折居駅の知名度を上げたいのか
恋人の聖地化しようと模索している跡が見受けられます。
努力が実を結んで欲しいような、
静かなままでいて欲しいような…
駅を出て右手にほんの少し歩くと
砂浜に降りられる場所がありました。
消波ブロックの切れ目のほんの5m程ですが、
泳げるようになっていますね。
どうせ人目なんて殆どあるはずもないので
泳いでしまいたい衝動に駆られましたが、
今潮でベタベタになったら確実にこの後響くので
グッと堪えて暑さに耐えます。
その砂浜の目の前にあった大麻簡易郵便局。
良からぬ物を想起してしまうのは
心が汚れているからなのでしょうか。
本来大麻(おおぬさ)はお祓いの道具ですが。
でも、ここは読みもズバリ「たいま」なんですね。
近くには国保大麻診療所なんてものもあるので、
折居駅ももしかしたら大麻駅になっていた可能性も…?
その名前だとあまり良くない聖地になっていそうですね…
ちなみに、名前の由来となっている大麻山は
駅の裏に聳えるこの山です。
この地方のラジオやテレビの電波塔があります。
さて、今日も今日とて炎天下を歩きます。
山陰自動車道の無料区間が並走しているからか、
下道の国道9号の交通量は少ないですね。
ところで、この「ファイト石西R9!」って
何に向けた応援の看板なんだろう…
朝っぱらから汗だくになりつつ
道の駅ゆうひパーク三隅に到着。
公共交通機関で道の駅を訪れるのは大変ですね…
石見の海岸線は北東から南西に延びており
夕陽を綺麗に見られる場所が多いので、
ここ以外にもゆうひパークを名乗る道の駅があったり。
ただ、今は夕陽どころか日の出に近い時間です。
では、何を目当てにやって来たのか?
山陰本線です。
ここは古来より知られた山陰本線の撮影地で、
道の駅側も撮り鉄に最適であることを売り出しています。
道の駅さんさん三見と言い、
山陰では鉄道撮影地に道の駅を造るのが流行りなのかな?
確かに、そうすればお金にならない撮り鉄に
少しでも地元にお金を落とさせることが出来るし、
違法駐車も減らせるからな…
ちなみに、この写真で左下の茂みが
どうもわざとらしく感じた方は刑事の素質があります。
ここ、実は家が建っているんですね。
いつ頃建てられたものかは分かりませんが、
最近ここで撮られた鉄道写真を見てみると、
この左下の家が入らないように
不自然なまでに海を大きく取った画角に
なっていることがお分かり頂けると思います。
盛夏なので僕は茂みを使ってみましたが。
ゆうひパーク三隅は在りし日の客車列車や、
トワイライトエクスプレス瑞風のような
どちらかと言えば長大編成向けの撮影地なので、
今の鈍行列車のような短編成向けの
折居駅北の踏切でも撮影してみました。
この踏切自体も絵になっていて結構好き。
一頻り撮影して満足したら、
潮風の香る待合室で列車を待ちます。
10:37発JR山陰本線普通浜田行きに乗車。
島根県随一の国際貿易港だという
浜田港が見えてきました。
10:55、浜田駅に到着。
ここまで基本的に海沿いを巡ってきたというのに、
昨日の生ウニくらいしか海鮮を食べていないので、
ここでご当地回転寿司を食べます。
ノドグロが本当に美味しい!
凡そ回転寿司のレベルではない。
ついつい3回も頼んでしまって
お会計もかなりのレベルになってしまいましたが。
ご当地スーパーでご当地コーヒー牛乳も買ってみました。
これだけ他の地域と隔絶された街だと
色んなご当地ものがありますね。
13:10発JR山陰本線普通大田市行きに乗車。
懐かしの江津駅。
これで偉大なるローカル線、JR山陰本線を乗り潰し、
島根県の鉄道は完全乗車しました!
以前来た時は存命だった三江線は跡形もありません。
あっと言う間に藪に飲み込まれています。
列車の行先表示幕には三江線の名残りがありますが。
(13~15番が三江線の行き先。)
13:54、温泉津駅に到着。
温泉津と書いて「ゆのつ」と読みます。
昨夜はシャワーしか浴びられなかったので、
ここで温泉に浸かりたいと思います。
温泉街は駅があるのとは違う谷筋なので、
1.2kmほど歩く必要がありますが。
歴史ある街並みの温泉津温泉郷。
1300年もの歴史を有する温泉街だとか。
あちこちから温泉の臭いが漂っています。
その中でも一際目を惹く薬師湯へ。
その名の通り湯治を目的とした公衆浴場で、
45℃という極めて熱い源泉掛け流しのお風呂です。
写真を撮れないのが残念ですが、
ミネラルを豊富に含んだ湯の花によって
浴室がまるで鍾乳洞のようになっている様は圧巻です。
温泉の後は屋上のテラスで
石州瓦の美しい街並みを眺めつつ涼める…
と言いたいところですが、
7月末の一番暑い時間帯では寧ろサウナです。
雲が出てきたのだけが救いですが。
ならば館内なら涼めるかと言えば、
古過ぎて全く冷房装置が付いていないので無理です。
こういう点まで含めてレトロを感じましょう。
湯治で4日間の疲れを癒やしたら帰路に就きます。
15:43発JR山陰本線特急スーパーおき4号鳥取行きに乗車。
16:20、出雲市駅に到着。
16:55発出雲一畑交通空港連絡バスに乗り換え。
出雲縁結び空港から18:15発FDA418便に搭乗。
4日前の時点でもこの便の予約が取れたというのが
今回の旅行に出た最大のきっかけだったり。
最後の最後まで天気に恵まれた4日間であった…
19:08、県営名古屋空港に到着。
これにて久し振りの一人旅が終わりました。
何十本も列車を乗り継いで、
炎天下を汗だくになりながら何時間も歩いて、
代わってくれる人が居ないから一人で何百kmも運転して、
やっと着いた先で臨時休業や売り切れに振り回されて、
家で大人しくしているよりも、
複数人で常識的な行程を回るよりも、
何倍も、何十倍も疲れた4日間でした。
しかし…だからこそ一人旅は価値あるものだと思うのです。
やはり旅は良いものですね。
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