さて、就活の為とはいえ、
こんなご時世でわざわざ東京まで来たのだから
就活だけで帰っていたら勿体無いでしょう。
首都圏は全国からあらゆるものが集まっているのです。
そう、車も。
というわけで、
理想のマイカーを探し求めてレンタカーに乗る第3弾。
横山研の車好きであるTKとドライブします。
大手町からえっちらおっちら電車を乗り継いで、
千葉県の端っこ野田市へ。
細い路地の奥で新旧のスポーツカーが連なる一角。
これが今日お世話になるレンタカー屋です。
TKは埼玉県からご自慢の愛車で来るらしいので
車を眺めつつ暫し到着を待ちます。
おお、日産スカイラインGT-R(BNR34)!
とにかく格好良い伝説的な車で
僕が最も好きな車の一つなのですが、
意味不明なくらい中古車価格が暴騰していて、
最安値で1,500万円とかいう世界になっています。
こちらは和製スーパーカーのホンダNSX(初代)。
これも借りようか迷いましたが、
AT仕様車だったので止めました。
中古車価格は500~900万円程度。
デザインはR34並に好きなマツダRX-7(FD3S)。
手前にある白い車です。
国産車で最後のリトラクタブル・ヘッドライトを搭載しており、
ロータリーエンジンを積んでいます。
燃費は国産車最悪レベルだそうですが。
奥には黄色いホンダS2000(AP1)もありますね。
さて、そんな車達を差し置いて今回借りるのは…
日産スカイラインGT-R(BCNR33)です!
1989年に販売を開始したR32(BNR32)に始まり、
2002年に販売を終了したR34(BNR34)に至るまで、
日本を代表する高性能車として
数多の伝説を残し続けたスカイラインGT-R。
この車は一般人が公道を運転してどう感じるか
なんてことは微塵も考えておらず、
とにかくレースで勝つことだけを頭に造られた
スポーツカーならぬ事実上のレーシングカーなのです。
如何にレースのことしか考えていなかったかを
如実に表す例として挙げられるのが、
2.6Lという中途半端な排気量のエンジン。
R32が発売された1989年当時、
1.5~2.0Lの排気量の車には39,500円/年、
2.0~3.0Lには倍額以上の81,500円/年、
3.0~6.0Lには微増の88,500円/年の自動車税が課されており、
どうせ排気量が2.0Lを超えるのなら
なるべく6.0L近くまで増した方がお得という頭の悪い制度になっていた為、
2.6Lという排気量は税制面で不利でした。
しかし、全日本ツーリングカー選手権の規定では
2.6Lの(ターボ)車は有利な条件で戦うことが出来ました。
つまり、市井の人間が税金で苦しもうがどうでも良くて、
レースで有利になることが至上命題だったのです。
更に、前輪だけでなく後輪も動かして
よりコーナリング性能を高めるSuper HICAS、
状況に応じてFRと4WDを使い分けるATTESA E-TSなど、
数々の最新技術も搭載され、その結果として
出場した29のレースで全戦全勝、
強過ぎてスカイラインGT-R以外の車種が全て撤退、
という嘘みたいな不敗神話を築いたのです。
動かしてみて一瞬で分かったこの車の特徴は…
重い!
ハンドルもクラッチもとにかく重い!
何これトレーニングマシン?
半クラッチで足が攣りそうになります。
駐車はほぼ筋トレです。
下道でヒイヒイ言いながら土浦市までやって来ました。
麓でお蕎麦を食べて腹拵えしたら、
いよいよ茨城県の走り屋の聖地筑波山へ。
表筑波スカイラインの玄関口である朝日峠駐車場。
聖地らしく新旧のスポーツカーが集っています。
まさかのR32とR35のGT-Rも居ました。
R34以外の新旧GT-Rが揃い踏みという贅沢な光景。
R32で来ていたおじさんに声を掛けられて
「これはもう今買うしかないよ!」
と、スカイラインGT-Rを猛烈に推されました。
いよいよ表筑波スカイラインを走ります。
これは速い!
ターボが入って四駆化した時の加速は
急傾斜だろうが何だろうがお構いなしの怒涛の勢い。
コーナリングでも1.5トン超えの車重を感じさせない機敏さ。
野太いエンジン音は底知れぬ力を感じさせます。
流石はグループAで無双していただけのことはあります。
とてもではないですが、僕の技能では全く使い切れないので
後ろからホンダ シビック・タイプRに突っつかれていましたが。
風返峠手前の子授け地蔵で折り返して
TKに運転を交代します。
他人の運転だとなおのこと加速を強く感じますね。
他の車も皆ここで折り返していきます。
どうやら、朝日峠駐車場とここの間を往復するのが
この辺りの走り屋の定番のようです。
表筑波スカイラインを堪能したら、
より細い山道も走ったりしてから
最後は常磐自動車道で高速走行安定性の確認。
これは群を抜いて良いです。
常磐自動車道の速い流れに乗っていても、
風にハンドルを取られるような感じは全くありません。
このまま200km/hでも300km/hでも出せそうな余力を感じます。
痺れるドライブはあっと言う間に終わり、
名残惜しみながらもスカイラインGT-Rを返却。
圧倒的な車であった…
ちなみに、燃費はオドメーターの読みで6.32km/Lでした。
こちらも圧倒的ですね…
帰りはTKの愛車トヨタ セルシオを運転させてもらいました。
何て軽いハンドルなんだ!
スカイラインGT-Rの後
だと羽根のようです。
そして静か!
耳が遠くなったのかと勘違いするほどです。
静粛性はともかく、ハンドルについては完全なる錯覚ですが。
さて、幼い頃からの憧れだったスカイラインGT-Rを
遂に運転することが出来たわけですが、
これはS2000にもまして異質な車ですね。
あらゆるものがゴツい。
それは過酷なレースに耐える為であって、
鍛え抜かれた屈強なレーサーが
興奮状態で運転して丁度良いようになっており、
ヒョロガリの一般人など眼中にありません。
継続的に運転すれば筋肉が付く気がする。
この車を日常使いするという観点で見ると、
やはり激重クラッチとハンドルが一番のネックでしょう。
駐車なんか筋トレ以外の何物でもありません。
偶に言われることのある低速トルクの無さは
恐らく高回転域と比較してのことであり、
そもそもベースのトルクがあまりにも太いので、
よっぽど雑なクラッチミートをしなければ余裕です。
一方、その力が最も発揮されるのは高速道路でしょう。
ターボ四駆化した時の圧倒的加速、
風に動じないどっしりとした安定性、
と言っても、全力の半分にも満たないのでしょうが…
そして、何と後部座席が付いているので
積載性は物凄く良いです。
2シーターばかり見て感覚が狂っているのかも知れませんが。
名車であることは間違いないけれど、
もう少し安かったらなぁ…
コメント