大台ヶ原

秋が深まってきました。
スポーツの秋本番です。
ということで、先月延期したっきりになっていた
成中登山部第3回山行を実施することにしました。

3:30、起床。
時期が遅くなってしまったので
今回は比較的低山なのですが、
かなり人気の山なので混雑を避ける為に
こんな未明の出発です。
単に遠いからというのもありますが。
HKが4時に迎えに来てくれたら、
知多半島道路、伊勢湾岸自動車道、東名阪自動車道、
名阪国道を走って針ICで降り、
そこからはひたすら南を目指します。


深い深い紀伊山地の山道。
紀伊半島南部はいつ来ても
精神が研ぎ澄まされるような気がします。


7:52、大台ケ原ビジターセンターに到着。
朝日が眩しいです。


大阪からは割と近い関係上
京阪神からの観光客がとても多く、
僕等の車の僅か2台後に駐車場が満車になっていました。
正にタッチの差だな…
少しでももたついていたら危ないところでした。
登山道も混むかも知れないので、
手早く準備を済ませて出発します。


これは登山…なのか?
あまりにも緩い道です。
同行者2人は喜んでいますが。


渡渉のような何か。
湧水は飲めました。


20分も歩くと景色が開けて
目の前に熊野灘が広がりました。
何という美しい景色…
平成29年以来初日の出を拝んでいる熊野灘ですが、
いつ見ても心が洗われます。


もう少し上に展望台があるので行ってみます。


展望台の上から俯瞰した俯瞰した熊野灘。
リアス式海岸が実に良い。


で、実はこの展望台のある場所が
大台ヶ原の最高地点である日出ヶ岳(標高1,695m)です。
入山から僅か30分で山頂についてしまうとは…


まだ真っ暗な4時から4時間弱もかけて来たのに
往復1時間で終わるなんて勿体無い真似は出来ないので、
ここからは東大台を回ります。


再び展望の良い場所に出ました。
笹原の中で立ち枯れるトウヒが何とも幻想的です。


ともすればただの低山として扱われかねない大台ヶ原を
全国区にまで押し上げたのは、
この正木ヶ原の存在によるところが大きいでしょう。
山の上なのにまるで湿原のような風景です。


実はこの場所はほんの60年ほど前までは
周りの山々と同じく鬱蒼とした森が茂っていました。
しかし、昭和34年に来襲した伊勢湾台風が
この地にあった森林を破壊。
それによって日当たりが良くなった所為で
ミヤコザサが繁茂して苔が減り、
更に笹を主食とする鹿が繁殖して幼木が育ち難くなり、
このような景色になってしまったのだそうです。
後世に残すべきではない絶景というのは
何だか不思議な話ですね。


牛石ヶ原に出ると神武天皇の銅像が立っていました。
何でも、九州から大和へ東征する際に
熊野を経由してこの地に立ち寄ったそうです。
またよりによってえらく険しい道を…


この辺りに来ると大分森林が回復してきました。
紅葉が綺麗です。


と思ったら、今度は岩場が始まりました。
岩場と言っても鎖などは無い軽いものですが。


ただ、谷筋を挟んで向かいには
こんな岩壁もあります。
流石にあそこを登ろうなんて人は…


居るのか…
表妙義の筆頭岩もそうでしたが、
あまりにも切り立っていて
これは無理だろうという威圧感があると、
逆に一部の人間の挑戦心を煽るのかも知れません。


一般登山者にとってはこちらが最もスリリングな場所です。


まるで空中に突き出したかのような絶壁。
正木ヶ原と並ぶ大台ヶ原のもう一つの象徴、大蛇ぐら。
(「ぐら」は山冠に品。)
あまりにも傾斜が急過ぎて高さが分かりません。


とは言え、ガッチリした鉄柵があるので
よっぽどヘマをしなければ滑落したりしませんが。


ここまでなだらかな道ばかりでしたが、
ここからは東大谷で最もキツい区間だとか。
さて、どれほどのものか…


うーん、申し訳程度の鎖はあるけど、
鎖の使い所に困るような傾斜しかない…


そのまま何の難所も無く
コース最低地点のシオカラ谷に到着。
小休止して最後の登りに備えます。


登山口の駐車場の標高がそこそこ高いので、
この東大谷コースは最後が登りになっています。
難所は無いですが、
最後に登りが来るというのは
精神的にもちょっと辛いですね。


しかし、のんびり歩いていたのに
登山開始から4時間足らずで
下山(?)してしまいました。
難所は無く距離や勾配もキツくないのに
これだけの絶景を拝めるというのは、
実にコスパの良い山ですね。
登山初心者にもとてもオススメです。
HKも登山の楽しさを思い出していました。


帰りも混むといけないので、
駐車場からあぶれて何kmにも連なった
縦列駐車の列を横目に帰ります。


来る時はあまり気にしていませんでしたが、
この大台ヶ原ドライブウェイもかなりの絶景です。
脇見して事故らないように注意ですね。


展望台らしき駐車場があったので
車を停めてみたら、
野生のキツネが寛いでいました。
可愛いですね。


深い紀伊山地とキツネ。
絵になりますね。
あの紀伊山地にはトラウマがありますが…


ただ、大台ヶ原ドライブウェイが絶景なのは上の方だけで、
下の方はこんな隘路になります。
ここでは離合したくないな…


国道169号に出るとトンネル付きのループ橋まである
超高規格の道路になりました。
何故こんな山奥で…


まだ真っ暗な午前4時に出発して、
遥々上北山村くんだりまで来て登山して、
そのまま直帰はあまりに味気無いので
今夜は吉野川沿いの宮滝温泉に泊まります。


やはり登山の後は温泉に限りますね。
夜は鴨鍋に舌鼓を打って
大満足の山行を締めました。

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