北海道中央旅行第5日目。
胆振へ向かいます。
5:28、起床。
日の出前です。
今日は綺麗に晴れているようですね。
草木には霜が降りており、
車のガラスも凍て付いています。
半田なら1月でも中々無い光景ですが、流石はトマム。
朝一番でチェックアウトと朝食を済ませたら、
道東自動車道でひたすら西を目指します。
占冠とか、紅葉山とか、
集落のある場所だけ濃霧なのは何故だろう…
川の流れが緩やかだからでしょうか。
頭上を通過するタンチョウに驚きつつ、
千歳JCTで道央自動車道へ。
樽前SAで一休み。
噴煙を上げる樽前山が綺麗に見えますね。
道央自動車道は樽前山の他にも登別地獄谷や…
平成12年にも噴火した有珠山など、
数々の活火山が連なる
日本でも有数の火山地帯を通っています。
というわけで、そんな活火山の一つである
有珠山にやって来ました。
日本で最も新しい山である昭和新山が
今ももうもうと煙を上げています。
ロープウェイで有珠山に登ってみます。
紅葉が綺麗ですねー。
右手には洞爺湖と羊蹄山が見えます。
というわけで、有珠山洞爺湖展望台にやって来ました。
洞爺湖は典型的なカルデラ湖で、
11万年前に発生した超巨大噴火によって生成しており、
その火山灰は現在の福島県にまで到達したと言われています。
昭和新山はその名の通り、
昭和18年から20年に掛けて
畑の中に急に出現した火山。
地元の郵便局長だった三松正夫が
時間発展を詳細にスケッチし、
後にミマツダイヤグラムと呼ばれることになりました。
こんなものがいきなり現れたら吃驚なんてもんじゃないな…
そして、こちらが現在の最高峰である有珠山。
過去100年間に4度も噴火している現役バリバリの活火山です。
青息吐息のJR北海道が札幌-函館間の路線として
室蘭本線と函館本線の2本を維持し続けるのは、
有珠山に何かあると室蘭本線が寸断されてしまうから
というのが大きな理由です。
函館本線は函館本線で羊蹄山があったりしますが。
鏡のように穏やかな内浦湾。
別名を噴火湾とも言いますが、
形がそれっぽいだけで別にカルデラではないそうです。
カルデラでこんな巨大さだとしたら
トバ事変以上の途轍も無い噴火でしょう。
火口原展望台。
昭和52年に起きた噴火の噴火口です。
三原山が思い起こされます。
ここから外輪山をなぞっていく遊歩道もあるのですが、
そこまでの時間は無いので戻ります。
お次は洞爺湖にやって来ました。
平成20年にG8サミットが行われたことで
一躍有名になったカルデラ湖です。
サイロ展望台からの眺め。
洞爺湖のど真ん中にある中島には洞爺湖森林博物館があり、
誰でも遊覧船で渡ることが出来ます。
隣の牧場ではヤギが羊蹄山を背景に
草を食んでいました。
ここで軽く昼食を摂ったら、
再び道央自動車道に乗って札幌方面に戻ります。
登別東ICで降りてアヨロ海岸にやって来ました。
すぐ側にある倶多楽湖を作った噴火で噴出した
玄武岩によって形作られている海岸です。
ここ白老はアイヌが最も古くから住んでいる場所の一つで、
遺跡が数多く発掘されている
…そうなのですが、
素人目には何処が遺跡なのか全く分かりませんでした。
というわけで、アイヌの一大拠点である白老に造られた
民族共生象徴空間ウポポイにやって来ました。
アイヌ民族博物館の跡地に建造され、
今年5月に開館したばかりの博物館です。
この施設の公用語はアイヌ語とされており、
案内にも必ずアイヌ語が併記
というよりは、アイヌ語の案内に日本語が併記されています。
ただ、語彙が足りていないのか
この「入場券引換窓口」と「年間パスポート発券窓口」のように
縮退してしまっている単語が見受けられます。
博物館というと巨大な建物があって、
その中に大量の収蔵品が納められている
というのが一般的なイメージですが、
アイヌ文化は北海道の大自然の中で育まれたということで、
ポロト湖を中心とした国立民族共生公園が
敷地面積の大半を占めています。
アイヌの伝統家屋であるチセも
博物館が新しくなるのに合わせて新築したそうで、
見るからにピカピカです。
中はこんな感じ。
フローリングなのか…
あと、流石にこんなに巨大なチセは
ほぼ存在しなかったそうです。
そういうわけで、「これは紛い物のアイヌ文化だ!」
と怒る人も居るとか。
一方で、現代の日本家屋となれば
フローリングは欠かせない要素になっているわけですし、
完全に途絶えてしまった文化の遺跡を展示するのではなくて
「現代にも生きる」アイヌの家屋という捉え方をすれば
これも一つの形ではある…のでしょうか。
チセの他にもムックリやトンコリの演奏を聴いたり、
博物館でアイヌ文化を学んだりしました。
この後は白老ICから三度道央自動車に乗り、
新千歳空港へ。
SKY768便に搭乗。
本当に久し振りのちゃんとした旅行が終わりました。
やっぱり、旅って良いですね。
コメント