(無題)

こう暑いとどうにもこうにもやっていられません。
滝にでも行きたいな…


というわけで、愛犬、両親と共に出掛けます。
ここのところ静岡県ばかり行っている気がするので、
今回は名阪国道で西へと向かいます。


やって来たのはお隣三重県の赤目四十八滝。
三重県の中でも奈良県との県境に程近い位置にある為に
関西からの観光客も多く、
駐車場渋滞が凄いことになっていたので、
まず僕一人だけ先回りして
ペット禁止の奥地を巡っておきます。


赤目四十八滝はオオサンショウウオの棲息地としても有名で、
入山するとまずサンショウウオの水族館があります。
オオサンショウウオが想像していたより数倍大きい…
こんなのに山奥で出会ったら心臓が止まりますね。


それでは、渓谷の中へと入ります。
とっても涼しげな画に見えますが、
大して標高が高くないので普通に暑いです。
愛知県に比べたら随分マシですが。


この辺りは柱状節理を基本とした
垂直に切れ落ちた渓谷となっており、
非常に急峻な谷筋が多いです。
大雨が降ったらこの全てが滝になるのでしょうか。


まず現れたのは霊蛇滝。
(この手前に行者滝があったらしいが、
小さかったのか良く分からなかった。)
滝そのものもさることながら滝壺が美しいです。
泳ぎたいな…


お次は不動滝。
赤目五瀑にも選出されている、
赤目四十八滝を代表する滝の一つです。
嘗て、「赤目四十八滝で滝参りをする」とは
この不動滝に参拝することを意味しており、
これより奥地は明治中期まで人跡未踏の原生林でした。
現在は遊歩道が整備されているので
誰でも気軽に散策出来ます。


大人しめの乙女滝。
ここのところ日照り続きだから水量が少なめ?


赤目五瀑の一つ、千手滝に到着。
ここがペットを連れて来られる限界点です。
茶屋もあったので水分を補給し、
愛犬が来る前になるべく奥まで行っておきます。


この先は更に渓谷が急峻になり、
巨大な柱状節理の中を小人になったような気分で進みます。


3つ目の赤目五瀑、布曳滝。
比較対象が無いので分かりにくいですが、
落差は30mもあるそうです。
滝壺の深さも30mあるとか。
落ちたくないな…


スライダーのようなナメ滝。
ナメ滝というのは固有名詞ではなく滝の分類で、
一枚岩を舐めるように(滑らかに)流れる滝のことを指します。
分類的に言うとここまで見てきた滝は
全てナメ滝に分類される気がしますが。


その上にあるのは竜ヶ壺。
滝ではなく滝壺に焦点を当てた名前も肯ける曲線美です。
華厳の滝のようにその内崩れてしまうのでしょうか。


ここで何やら橋脚の跡を見付けてしまいました。
まさか森林鉄道の跡!?
…だったら興奮したけど、
トンネルも無いのに岩壁に向かって垂直に突っ込むのは変だし、
そもそもこの前後に路盤が一切無いから、
対岸に遊歩道を造ろうとして止めた
というのが実際のところだろうな…


名前の由来が容易に想像出来る斧ヶ淵など、
かなり険しくなってきた地形を
細い階段などで越えていきます。
結構頑張って遊歩道を造ったんだな…


かと思うとこんなに開けた場所があったり。
洪水の時に削られるのでしょうか。


水が一滴も視認出来ない縋藤滝。
やっぱり今は渇水しているのかな…


本来は右の部分にも水が流れていそうな陰陽滝。
何気にこの橋は沈下橋ですね。
下流にあった橋脚の跡も
橋桁が流出した沈下橋だったのでしょうか。


随分明るい空間が現れました。


百畳岩に到着。
長坂山への登山口もある休憩ポイントです。
赤目四十八滝で一番と称される次の赤目五瀑、
荷担滝まではここから更に20分ほど掛かるのですが…


そろそろ戻らないと愛犬が来てしまうのと、
この水量だと荷担滝も残念なことになっていそうなので
ここで踵を返します。


千手滝まで戻ってきて愛犬と再会。
暑いのか水に浸っています。


何かを探す愛犬。
オオサンショウウオの幼生とかじゃあるまいな…


というわけで、赤目四十八滝でした。
写真では分からないかも知れませんが
暑くて汗だくになってしまったので、
初夏や秋くらいに来るのが良さそうですね。


さて、ここまで来て赤目四十八滝だけで帰るのは勿体無いので、
ついでにちょっとだけ乗り鉄しておきます。
やって来たのは伊賀神戸駅。


名古屋と大阪を結ぶ大動脈の一つである近鉄大阪線には
引っ切り無しに特急列車が走っていますが、
乗りたいのはこれではありません。


平成19年に近鉄から分離されて第三セクター化した伊賀鉄道です。
全線が忍者の里の伊賀市内を走っているということで
忍者を前面に押し出しています。


良く見たら天井にも忍者が居ますね。
知らずに見てビビりました。


乗ろうとしている列車の到着まで時間があったので、
ちょっと歩いて撮ってみました。
乗り換え駅とは思えないほどの田舎っぷりだな…


15:17発伊賀鉄道伊賀線普通伊賀上野行きに乗車。
これは忍者列車じゃないのか…


伊賀は忍者の里として有名であると同時に
伊賀焼を有する焼き物の里としても知られているということで、
伊賀焼の風鈴を吊るした風鈴列車になっていました。
あと、この風鈴に芭蕉の句が付けられている通り、
松尾芭蕉生誕の地でもあったりします。


最初の伊賀神戸駅を含めて沿線には町らしい町がありません。
ひたすら田んぼばかりが続いています。
こんなんだから分離されたんだな…


途中で忍者列車ともすれ違いました。
あちらは網棚に忍者が潜んでいたりするのでしょうか。


珍駅名である四十九駅。
何とも縁起の悪そうな名前ですが、
昭和20年に休止、昭和44年に廃止された同名の駅が
イオンタウンの開業に合わせて一昨年復活したという稀有な例です。


伊賀鉄道の中心駅、上野市駅。
そもそも伊賀線は関西本線の経路から外れた上野市(伊賀市の前身)が
鉄道の便を確保する為に敷設した路線。
その為、現在でもJR関西本線から上野市、
或いは近鉄大阪線から上野市へのアクセスを第一に考えており、
16.6kmしかない路線なのに
この上野市駅で運行系統が分離されています。
JR関西本線の列車本数が少ない所為で
伊賀神戸駅から来る列車の半数近くがここで折り返してしまうので、
乗り潰しを考えている人は気を付けましょう。


15:53、伊賀上野駅に到着。
JR関西本線との乗り換え駅です。


ここにも忍者が居ますね。
忍者は外国人に人気だからか
英語と中国語も喋るトリリンガルな忍者です。
隠密たるもの語学力は必須ということでしょうか。


ついでに上野城にも来てみました。
かなり立派な天守閣ですね。
昭和10年に再建したものだそうですが。


えらく高い石垣ですね。
忍者は恨みを買うことが多いから
防御には徹底を期していたということでしょうか。


「日本一・二」という歯切れの悪い言い方をしているのは、
実際には大阪城の方が
ちょっとだけ高いことが判明してしまったからだとか。


この後は松尾芭蕉の生家を横目に
名阪国道に乗って半田に帰りました。

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