4:30、起床。
昨日は無為に休日を過ごしてしまいましたが、
今日はその二の舞にはなりません。
今日は前々から計画されていた
スカイダイビングの実行日なのです。
当初は5人で飛ぶ予定だったのが、
一人、また一人と日和っていって
最終的にこの前顔合わせしたTM(生物物理)と
2人切りで飛ぶことになりましたが。
北松戸駅から6:18発JR常磐線各停向ヶ丘遊園行きに乗り、
松戸駅で6:25発JR常磐線快速上野行きに乗り換え、
上野駅で6:55発JR高崎線普通籠原行きに乗り換え、
桶川駅で7:43発東武バス川越04系統川越駅行きに乗り換え、
7:55、山ヶ谷戸バス停に到着。
送迎の車に乗り込んで飛行場に向かいます。
雨が止んで雲が切れたら飛べる、と言っていますが、
全く止む気配がありません。
暫く様子見ということで待たされましたが、
結局早々に中止の判断が下されました。
一体何の為に早起きしたんだ…
しかし、こんなことでめげて失意の帰宅はしません。
そもそも、スカイダイビングが終わったら
午後は群馬県にでも遊びに行こうと
桶川駅まで青春18きっぷで来ていたので、
こうなったら今日は完全に鉄道旅行にシフトします。
桶川駅から9:15発JR高崎線快速アーバン高崎行きに乗車。
当初の予定よりも2時間以上早いから
何処か途中下車でもしていこうかな?
そう言えば、あそこは行けたりするのかな。
いや、路線が上手く繋がっていないし、
流石に厳しいかな…
と思いつつも検索してみたら、
引き返すことにより行けることが判明したので、
深谷駅で慌てて飛び降りました。
えらく立派な深谷駅。
ネギで有名な深谷市ですが、実は煉瓦も名産で
東京駅駅舎の煉瓦はここ深谷産です。
そういう縁もあってか、深谷駅の駅舎は
東京駅を模したものになっています。
某埼玉映画のED曲曰く、
「煉瓦に似せたタイル」だそうですが。
最近では新一万円札の図柄に選ばれた
渋沢栄一を推しているようですが。
深谷ネギも忘れてはいません。
駅前の時計台の中では深谷ネギを頭に挿した
ふっかちゃんがぐるぐる回っています。
これを見てケバブを思い出したのは僕だけだろうか。
9:58発JR高崎線普通上野行きに乗車し、
10:09、熊谷駅に到着。
熊谷駅で降りたとなると秩父鉄道に乗る気だな?
と言われそうですが、実は違います。
10:32発朝日自動車KM61系統太田駅行きに乗り換え。
県境を越える珍しいバス路線です。
このバス路線を使うことにより、
鉄道だけでは大回りを要求される路線を
大幅に短絡することが出来ます。
11:16、太田駅に到着。
駅前のお洒落な図書館は閉館しています。
今後の行程を鑑みてここで昼食。
桐生駅や伊勢崎駅もそうだったけど、
群馬県東部は民家はかなり多いのに
飲食店の数があまりにも少ない。
外食文化が無いのでしょうか。
太田駅から11:53発東武桐生線普通赤城行きに乗り換え。
群馬県東部の鉄道密集地帯で
唯一乗り残していた路線です。
JR両毛線をオーバークロスします。
どうしてここに駅を設けてくれなかったのか。
12:22、赤城駅に到着。
これで東武桐生線は完乗です。
間髪を容れず12:27発上毛電鉄西桐生行きに乗り換え。
車内は桜が満開です。
西桐生駅から桐生駅に歩き、
13:01発JR両毛線普通高崎行きに乗り換え。
13:38、新前橋駅に到着。
上越線は高崎からぐぐっとくの字に曲がって
この新前橋駅に寄っていますが、
これは元々前橋への嫌がらせで
今の上越新幹線のような直線的な経路で
前橋ガン無視の線路を引こうとした高崎に対し、
前橋が抵抗した結果なのだそうです。
大宮・浦和や燕・三条と言い、
何故上越新幹線沿線は争いが絶えないのか。
ちょっと乗り継ぎ時間があるので
駅構内をぶらぶらしていたら、
駅弁のガチャガチャなるものを見付けて
衝動的に回してしまいました。
峠の釜めしが当たったのは群馬県だからでしょうか。
残り4個しかカプセルが入っていなかったので
結構人気のガチャガチャのようです。
さあ、ここからが本番です。
14:06発JR吾妻線普通万座・鹿沢口行きに乗り換え。
草津周辺はこれまで4回訪れていますが、
初回以外は全て自転車か自動車を用いており、
この吾妻線は末端区間が未乗車のままでした。
そうこうしているうちに去年の台風19号で
正にその末端区間が不通となり、
そのまま廃止されてしまうのではなかろうかと
内心ひやひやしていましたが、
つい2週間前に遂に全線復旧を果たしました。
また運休してしまわないうちに乗っておきます。
小野上駅では側線にホッパ車が留置されていました。
どうやら、ここから砕石を搬出しているようです。
特急との行き違いがあって6分ほど停車したので
写真を撮ろうと外に出たら、車掌さんに
「ホキ撮りに来たんですか?」
と訊かれました。
そんなに有名なんですかね?
7年前白砂山登山の折に乗った際は
まだ日本一短いトンネルのある旧線でしたが、
今は八ッ場ダムの完成により今度は
日本有数の長大トンネルを擁する新線に付け替えられ、
岩島-長野原草津口間はほぼトンネルになりました。
何も見えない…
15:16、川原湯温泉駅に到着。
この列車は吾妻線の終点まで行ってくれないので、
折角の温泉銀座ということで温泉に立ち寄ります。
前回はまだ湛水していなかった八ッ場ダムですが、
今ではもう浅葱色の水を湛えています。
川原湯温泉駅は線路の付け替えによって
旧駅からかなり位置が変わったので、
温泉のある場所までは15分ほど歩くことになります。
川原湯温泉の共同浴場。
ダム湖を見下ろす露天風呂もあります。
やはり温泉は気持ち良いなぁ…
瓶の牛乳が無かったことだけは悔やまれますが。
温まって駅に戻ったところで列車も来ていました。
16:47発JR吾妻線普通大前行きに乗車。
長野原草津口駅で旧線と合流します。
草津温泉の玄関口ということもあり、
ここまでは特急列車も乗り入れています。
個人的には藪漕ぎの玄関口の印象しかありませんが。
ここから先が未乗区間であり、
去年の台風19号で甚大な被害を受けて
今もなお徐行を余儀無くされている区間です。
言われてみれば遅いような気もするけど、
ローカル線なら何処もこんなものでは?
と高を括っていたら、袋倉駅の手前から
いきなり20km/hくらいにまで減速しだしました。
ここが徐行区間か!
確かに、未だに土砂が道路に流出しているな…
というか、これで工事は完了しているのでしょうか?
そして、この万座・鹿沢口駅から先が
吾妻線の真骨頂である区間。
関東地方で最も列車本数の少ない区間です。
結構な速度で飛ばしていたので、
どうやらこの末端区間は台風の被害を免れたようです。
もしこの区間が大きな被害を受けていたなら
十中八九復旧はされなかったでしょう。
正に不幸中の幸いですね。
17:13、大前駅に到着。
鹿沢温泉へは最寄り駅ながら
その玄関口としての名前もバスも
一つ手前の万座・鹿沢口駅に取られ、
嬬恋村役場への最寄り駅でもあるものの
役場のある集落は吾妻川の対岸にあり、
そもそも皆自家用車を使うから地元利用者は皆無。
僕と一緒に降りた4人は何処からどう見ても
鉄オタ以外の何物でもありませんでした。
では、何故そもそも一つ手前の万座・鹿沢口駅ではなく
わざわざこの大前駅まで線路を延ばしたのか?
それは吾妻線が元々はここから山を越えて、
国道406号に沿って長野県の豊野駅までを結ぶ
壮大な計画の一部とされていたからです。
しかし、国鉄の財政悪化と浅間山の地熱に阻まれ、
計画は実現することなく、
その途中までを開業させるに留まりました。
大前駅は吾妻線が嘗て抱いていた夢の残照なのです。
徐行運転の為に臨時ダイヤになっていますが、
これが大前駅の時刻表。
一つ手前の万座・鹿沢口駅までは下り11本
上り10本の列車が走っているのに、
この最後の区間だけ下り4本上り5本まで減ります。
たった4分の距離なんだから
それくらい走らせてあげても良さそうなのに…
それか、ネタに振り切って1日1往復にするとか。
駅の目の前を流れる吾妻川は
20m近い河岸段丘を刻んでおり、
集落はその段丘上に位置しています。
一方で駅は一つ下の段丘にある為、
集落とは少し高低差があります。
これも大前駅が敬遠された理由の一つでしょうか。
川を越えて集落にも行ってみます。
段丘崖が一部掘られて階段が設けられていますね。
ちょっと不気味。
国道406号沿いの集落。
田舎は田舎ですがそこそこの交通量があり、
秘境感はあまり感じられません。
流石に、盲腸線で終点を秘境駅にしたりはしないか。
今は亡き北海道の一部の例とかを除けば。
兎にも角にも、これにて群馬県の鉄道は完全乗車です。
長年の課題が解決したところで帰ります。
17:34発JR吾妻線普通新前橋行きに乗車。
新前橋駅で19:18発JR両毛線
快速アーバン上野行きに乗り換え、
上野駅で21:17発JR常磐線快速取手行きに乗り換え、
松戸駅で21:40発JR常磐線各停我孫子行きに乗り換え、
21:42、北松戸駅に到着しました。
脚注
※「ホッパ車」
底が開いて積荷を下へ落とせるようになっている貨車のこと。
石灰石や小麦粉など、粉粒体を運ぶのに特化している。
ホキはホッパ車を表す型番。
※「関東地方で最も列車本数の少ない区間」
1週間で平均を取った値。
土休日はJR鶴見線の安善-大川が3往復/日でトップになる。
cf. JR鶴見線大川支線乗車記
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