南太平洋旅行第10日目。
申し訳程度のオーストラリア観光です。
7:42、起床。
Brisbane(ブリスベン)に立ち寄ったのには
飛行機の乗り継ぎ以上の意味は殆ど無いのですが、
それでもオーストラリアは
(メルカトル図法だと近いように錯覚しますが)
欧米並みに日本から遠い土地。
しかも、国際会議なんかも欧米に比べると
その数は少ないと言わざるを得ません。
そんなオーストラリアにやって来たのに
みすみす乗り継ぎだけで終わらせるのは
あまりにも勿体無いというものです。
ということで、今日は夜に飛行機に乗るまでの間に
Brisbane近郊を観光してみることにしました。
Cribb Streetバス停(クリブ通りバス停)から
9:19発445番バスMandalay, Fig Tree Pocket
(マンダレー、フィグ・ツリー・ポケット)行きに乗車。
この路線は本数があまり多くないので注意が必要です。
9:52、Lone Pineバス停(ローン・パイン バス停)に到着。
オーストラリアと言えばコアラとカンガルー!
という極めて安直な考えに基づき、
コアラの飼育頭数世界一を誇るという
Lone Pine Koala Sanctuary(ローン・パイン
コアラ・サンクチュアリ)に来てみました。
「コアラの聖地」という意味の名前になっていますが、
コアラに限らずオーストラリア特有の動物と
間近に触れ合えることで人気の動物園です。
某アニメで話題になったタスマニアデビルもいます。
どうやらお眠のようですが。
カモノハシもオーストラリア棲息の動物です。
丁度餌やりの時間でしたが、
館内が暗い上に結構すばしっこいので
写真には中々収められませんでした。
そして、こちらがオーストラリアの代名詞コアラ。
餌であるユーカリの毒を分解する為に
1日20時間も寝ているというコアラですが、
ここには100頭を超えるコアラがいるので
いつ来ても誰かしらが起きています。
えらく俳優な奴がいますね。
撮られていることを認識しているのでしょうか。
ちなみに、ここではコアラを抱っこして
記念撮影することも出来ます。
僕も撮ってみました。
大きさから想像されるよりはちょっと軽くて、
ユーカリによるものなのか独特の臭いがあります。
お次はオーストラリアのもう一つの代名詞、
カンガルーと触れ合える広場です。
日が高くなってきて暑いからか皆ダレていますね。
子カンガルーはまだ人に馴れていないのか
柵によって区切られた場所にいます。
ここにもまたえらく俳優な奴が。
オーストラリアでは動物も陽キャなんだろうか。
ちなみに、こいつはカメラを向けると
レンズに向かって寄ってきます。
陽キャなのは良いんですが、
あまり近付き過ぎるとピントが合わなくなります…
なお、このカンガルー広場にはエミューもいます。
エミューとはダチョウのような飛べない鳥で、
嘗てオーストラリア軍はその黎明期に
このエミューに対して戦争を挑んでおり、
しかも事実上「敗北」したことで知られています。
間近で見るとかなりの威圧感です。
これは勝てない。
カンガルーだって勝てませんが。
この広場、結構危険性を孕んでいる気がするのですが、
今までに事故とかは起きていないのでしょうか。
カンガルー広場から戻ると。
何処からか鳥が逃げ出してきていました。
大丈夫なのかな?
炎天下のカンガルー広場を歩き回って疲れたので
売店で一休みしようと思ったら、
ソフトクリームにまさかのコアラのマーチが。
オーストラリアに逆輸入されていたのか…
今度は危険生物エリアです。
オーストラリアはありとあらゆるタイプの
危険生物がいると言われる危険生物大国です。
まずは大人気危険生物のオーストラリアワニ。
日向ぼっこしているのか微動だにしません。
こちらはヒクイドリ。
最も恐竜に近い生物と言われており、
エミューとも似ていますが攻撃力は桁違いで、
その蹴りは鋼鉄製の盾すらひん曲げてしまうとか。
これまたオーストラリアで有名なディンゴ。
群れで家畜を襲う為厄介者扱いされており、
Queensland(クイーンズランド州)から
South Australia(南オーストラリア州)まで、
万里の長城並みの実に5,320kmにも及ぶ
ディンゴ避けの柵が設けられています。
見た目は日本犬とも良く似ています。
犬と同じように散歩していました。
こうして見ると可愛くもありますね。
ただ、やはり危険生物であることに変わりはなく、
人間が噛み殺される事件も屡々起きているそうです。
カーペットニシキヘビ。
これぞ蛇という蛇ですね。
しかし、毒は持っていないそうです。
オーストラリアでは珍しく人畜無害な奴です。
非常にベタな観光スポットではありますが、
想像以上に動物との距離が近くて
童心に戻って楽しめる動物園でした。
次はもう少しマニアックな場所に行きます。
11:57発430番バスQueen Street Bus Station
(クイーン・ストリート・バスターミナル)行きに乗車。
Indooroopilly Interchangeバス停
(インドロピリー・インターチェンジ バス停)で降り、
Indooroopilly駅(インドロピリー駅)まで歩いて
12:42発Ipswich線(イプスウィッチ線)
Ipswich(イプスウィッチ)行きに乗り換え。
Ipswich駅(イプスウィッチ駅)で下車し、
13:47発515番バスBrassall(ブラサル)行きに乗り換えて
14:00、Workshops Museumバス停
(工場博物館バス停)に到着。
やって来たのはThe Workshops Rail Museum
(工場鉄道博物館)です。
実際に車両工場として使われていた建物を
そのまま使って博物館に改築したという施設です。
何故シンボルマークがルーマニア色…?
中はこんな感じ。
工事の雰囲気を色濃く残しています。
沢山の車両を静態保存しているというよりも、
機関車はどのように動くか、
みたいな説明が中心になっています。
勿論、国によって機関車の動く原理が
大幅に変わるなんてことはないのですが…
運転士のこの持ち物は如何にもオーストラリアです。
これは広大なオーストラリアを走らせる運転士が
機関室に持ち込んでいたという食料。
過酷な環境のオーストラリアで
何千kmも列車を運転した運転士の苦労が偲ばれます。
一方、こちらはoutback(アウトバック)と呼ばれる
オーストラリア内陸部の乾燥地帯に住んでいた家族が、
貨物列車によって運んでもらっていた日用品。
説明書きに
「我々の先祖がアウトバックに住んでいた頃…」
とあったので、オーストラリア人にとってoutbackとは
日本で言うところの「昭和の風景」みたいな
ノスタルジーを呼び起こすものなのかも知れません。
一方、こちらは未来の鉄道ブース。
オーストラリアじゃなくて日本の新幹線じゃないか…
しかも、700系はそろそろ未来の鉄道どころか
博物館行きの代物だぞ。
いや、ここは博物館だから良いのか。
リニアモーターカーについても展示がありましたが、
やはりJR東海のL0系でした。
現状、オーストラリアの鉄道車両と言うと
この振り子式車両が最新鋭です。
これも、JR四国の8000系をベースにしているとか。
Queenslandは日本と軌間が同じだから
日本の鉄道会社との関係が深いのでしょうか。
博物館の奥には現役の車両基地もあります。
一番手前の車両が目隠しのようになっていて
それより奥の車両は全然見えませんが。
内部もほぼそのまま残っている組み立て工場は
日に数回あるツアーで見学出来るそうですが、
今日のツアーは残念ながら終了していました。
それでは、そろそろ日本へと帰ります。
Workshops Museumバス停から
15:36発515番バスUniversity(大学)行きに乗車。
この写真を撮ったら、
「バスの写真なんか撮ってどうするんだ?」
と運転手に不思議がられました。
オーストラリアではバスオタクの肩身が狭いですね。
Ipswich駅で16:07発Redcliffe Peninsula線
(レッドクリフ半島線)Kippa-Ring
(キッパ=リング)行きに乗り換え。
Roma Street駅(ローマ・ストリート駅)で下車し、
宿に置いていた荷物を回収します。
17:57発Airport線(空港線)
Brisbane Airport(ブリスベン空港)行きに乗車。
18:26、Brisbane Domestic Airport駅
(ブリスベン国内空港駅)に到着。
さっさとチェックインを済ませてしまいます。
が、何故かセルフチェックインが出来ません。
仕方無いのでカンタス航空の受付へ。
すると、僕の乗る便の情報を見て
職員同士で何やら話し始めたではありませんか。
何やら不穏な単語が漏れ聞こえてくると思ったら、
「実は貴方がこれから最初に乗る
Melbourne(メルボルン)行きの便が遅延していて、
乗り継げるかどうか結構ギリギリなの。
窓側の席にはなっているけど隣は誰も居ないから、
飛行機が着陸したらすぐさま降機して
トランジットカウンターへ行くのよ!」
と忠告されたではありませんか。
えぇ…
天下のQantus(カンタス航空)なら安心だと思って
順当に1時間40分の乗り継ぎ時間しか取っていないぞ…
19:40発QF637便に搭乗。
チェックインの際には20分遅れと言われたのに、
いつの間にかしれっと40分遅れになり、
搭乗したは良いものの20:20になっても動き出さず、
更には機長からのアナウンスで
気象条件がどうこう言い出すではありませんか。
窓の外は雷雨です。
20:28になってやっと機内安全マニュアルのビデオが上映。
…だと言うのに機体が動かないじゃないか。
結局、54分遅れの20:34にやっと動き始めました。
飛行機って回復運転とかしてくれるのかな…
初めてのオーストラリアなので、
当然初めてのQantusです。
Qantusは(主にエアバス機の不具合によって)
何度か致命的な事故を経験してはいますが、
その度に乗務員の超人的技術により
死亡者数ゼロで済ませてきたという伝説があり、
メーデー民の間では最強の航空会社の呼び声が高いです。
遅延に臆することなく気象条件を確認する、
その安全最優先の姿勢がそれを表していますね。
っていうか、Queenslandの豪雨が
想像以上に酷いらしくて草も生えない。
確かオーストラリアって数週間前まで
雨が全然降らなくて森林火災がヤバい、
みたいなことを言っていなかったっけ…
(以降、オーストラリア東部夏時間UTC+11.0h)
23:41、Melbourne国際空港(メルボルン国際空港)に到着。
走ります。
トランジットカウンターなんて無いじゃないか!
辺りに居た係員に訊いたら
国際線ターミナルへ行けとのことだったので、
第2ターミナルに向かってとにかく走ります。
0:40発JL774便に乗り継ぎ。
間に合った…
これにて、本当に最後の関門を抜けました。
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