南太平洋旅行第5日目。
ツバルに幽閉中。
8:00、起床。
昨日の晴天が嘘のようなかなりの風雨です。
雨季だからな…
この風雨なら欠航も已む無し…
って、欠航の理由は明らかに天候ではないけど。
(機材故障みたいなことを言っていた。)
朝食を食べたら、雨が収まるまでもう一眠り。
せかせかしないのが南太平洋流です。
雨が収まったら、まずは空港に貼ってあった
あの観光マップを手に入れようと
政府庁舎を訪れてみたのですが、
観光局が入っているのは本庁舎ではなく
このプレハブの仮庁舎だと言われました。
サイクロンで飛ばされそうな造りだな…
全く案内が出ていなかったのですが、
色んなツバル人達に訊いて、
というか僕の様子を見たツバル人達に訊かれて、
このB202号室に観光局があることを突き止めました。
一番案内が必要な観光客相手の部局なのに、
何故一切案内を出していないのか。
何はともあれ、観光マップを入手しました。
今度はお土産です。
向かうのはこれまた簡素な郵便局。
観光地化とは無縁のツバルなので、
あのジブチや沿ドニエストルと比べても
圧倒的にお土産が少ないのですが、
そんな中唯一土産と呼べる代物が切手です。
切手ならあまり高度な偽造防止技術も要求されないし、
ただ紙に印刷すれば良いだけな上に
かなりコアな収集家が世界中に居るので、
少ない元手で注目とそれなりのリターンを得られる、
ツバルのような国にとっては
正にうってつけの土産物なのです。
富嶽三十六景とか、エルヴィス・プレスリーとか、
最早ツバル関係無くない?みたいな
節操の無い意匠も数多くあります。
ツバル・台湾友好記念の切手もあり、
台湾人の団体が爆買いしていました。
僕が買ったのは熱帯魚セットとJAXAとのコラボ切手。
JAXAは思いっきりロゴまで入れているけど、
ちゃんと許可とか取ったのかな…?
ちなみに、ツバルではなくお隣のキリバスには
JAXAの基地局があったりします。
切手を買ったらまた雨が激しくなってきたので
大急ぎでホテルに戻ってお昼寝。
雨が止んだところで再び表に出ます。
昨日はFongafale Island(フォンガファレ島)の
凡そ北半分を走ったので、
今日は南半分を走ってみます。
中心部にあるニュータウンみたいな見た目の
政府関連機関の建物群。
鮮やかな黄緑色がツバルのセンスです。
その中の一つ、例によって何も案内の無いこの建物が
ツバルのもう一つの貴重な土産物屋、
Women’s Handicraft Centre
(女性の工芸品センター)です。
元々は空港脇にもっと立派な建物があったそうですが、
現在は改築中なのでここは仮のセンターだそうです。
品揃えも貧弱過ぎてこれと言ったものが無かったので、
飛行機発着時にゲリラ的に現れるという
例の空港軒先おばちゃん屋台に期待して去ります。
Funafuti国際空港(フナフティ国際空港)滑走路の北端。
ここは僕がこれまでに到達した場所の中で
最東端の地点(東経179°12′06″)になります。
極のある南北と違って、人為的に引かれた基準である
子午線を元に最東端とか最西端とか言っても、
どれほどの意味があるのだろうか、
という気はしないでもありませんが。
ちなみに、フィジーのTaveuni Island(タベウニ島)には
南半球で唯一、経度180°の子午線を
横切る車道があったりします。
そこへ行けば最東端と最西端を同時に制覇出来ますね。
北半球ではロシアのЧукотка(チュコトカ)にある
Валунистое(ヴァルニストエ)と
Эгвекинот(エグヴェキノト)を結ぶ
77К-002号線が経度180°の線を跨いでいますが、
南北極点へ行くよりよっぽど大変だと思います。
滑走路脇には台湾の援助によって造られた
試験農場がありました。
土自体が極めて貴重な資源であるツバルに於いて、
土無しで作物を育てる試みをしているそうです。
郵便局付近にあった現在の南太平洋の状況を表す看板。
エルニーニョかラニーニャかが分かります。
確かに、あれは南太平洋の南米沖の話だから、
ツバルは直接的に影響を受けるな…
フィットネス器具が沢山置かれた公園。
太平洋諸国の人々は概して肥満になりがちです。
しかし、すぐ近くでおじさん達が談笑していましたが、
フィットネスをする気配は全くありませんでした。
潮風が気持ち良い!
どちらから吹こうが潮風ですが。
生憎の天気だなあと思っていましたが、
日焼け止めが無かったことを思い出すと
寧ろこれが最善の天気なのかも知れません。
座礁した貨物船。
北にあったものと違い、これはかなり新しい船です。
埠頭みたいな感じで使っているのかな?
3kmかそこらで車道の南端に着きました。
北端よりも更に近い。
こちらは北端と違って歩道が延びているので、
何処まで行けるか試してみます。
椰子の実が落ちてきそうでちょっと怖いな…
そんな椰子の森を抜けて
珊瑚だらけの道(?)を進めば…
辿り着きました!
Fongafale Islandの最南端です!
とは言え、Fongafale Islandは
Funafuti Atoll(フナフティ環礁)の一部に過ぎないので、
すぐ目の前にまた別の島が見えます。
Fatato Island(ファタト島)という名前のようです。
Fongafale Island以外のほぼ全ての島は
あまりにも小さ過ぎて無人島なのですが、
ここから数えて7つ目に当たるFunafala Island
(フナファラ島)には幾つかの建物があり、
ツバル観光局の公式サイトには
日帰りで遊べるよ!
みたいな記載がありました。
どんな場所か気にはなるけど、
今日の天気では渡れないだろうな…
今日はお日様が照っていなくてまだ涼しいからか、
野良犬達も若干元気です。
でも、道の真ん中に陣取るのは止めて欲しい。
再びFunafuti国際空港に戻って来ました。
自由に滑走路に出入り出来るということで、
最後にちょっとだけ遊んで、
フルスロットルで滑走路を走って
リアル飛行機ごっこをしてみました。
実に爽快!
まあ、原付なので高々50km/hしか出ていませんが。
ツバル最後の晩餐は昨日の昼と同じ中華料理店へ。
仄かに香る生姜とニンニク、
それに中華出汁が涙を誘うくらい美味しい。
ここが絶海の孤島ツバルだから
美味しく感じるのかも知れませんが、
それでもツバルでこれだけの味を出せるというのは
素直に尊敬する他ありません。
世界三大料理と言えば中華、フレンチ、
それにトルコ料理ですが、
世界中に進出してくれているという点に於いて
中華料理は抜きん出ていますね。
ここはツバルの中でも名店として名高いらしく、
入れ代わりで大統領御一行が来店していました。
「ニュージーランドとアメリカの外交官の席は…」
みたいなことを言っていたので、
もしかしたら会談でも行われるのかも知れません。
そんな場所でほんの1分前まで
何処の馬の骨とも分からない僕が食事出来るというのが
何ともツバルらしくて最高です。
夕食の後はホテルに向かって歩いていたら、
通りがかりのおじさんがバイクに乗せてくれました。
これと言った観光地は何一つ無い。
でも、その何も無さが逆に心地良い。
これがツバルなんですね。
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