(無題)

静岡県路線バス乗り継ぎの旅第3日目。

尾張民は何となく浜松と言うと、
豊橋からすぐみたいなイメージを持っていますが、
実際には半田-名古屋以上の距離があります。
実はまだゴール目前というわけでもないのです。
で、昨日書いた通り、浜松市と豊橋市の間に陣取る
湖西市へ行くバスは午後が始発。
ここへ来て半日も待ちぼうけを喰らうのか…
…そう言えば、浜松と言えばあれがあったな。


西伊場バス停から7:45発遠鉄バス20系統
志都呂宇布見線浜松駅行きに乗車。


8:02、浜松駅バスターミナルに到着(運賃220円)。
8:20発遠鉄バス51系統泉高丘線泉高丘行きに乗り継ぎ。


8:42、泉四丁目バス停に到着(運賃330円)。
住宅街にある何の変哲も無いバス停ですが、
ここから10分ほど歩くと…


ありました!
航空自衛隊浜松基地です。
航空ショーでも有名な浜松基地ですが、
ここには日本で唯一の航空自衛隊直営の博物館
浜松広報館が併設されているのです。
半日も空いたのなら却ってじっくり拝観出来ると
接続の悪さを逆手に取って来てみました。
9:00の開館10分前に到着しましたが、
既に自動車が列を成して待機していました。


しかし、車は駐車してからでないと入館出来ません。
徒歩の利を活かして一番乗りです。
(実際には自転車で来ていた
地元の子2人に譲ったので3番手ですが。)
何故そんなに先を争っているのかと言うと…


フライトシミュレータです!
戦闘機のコックピットを正確に模した操縦席で、
可動式なのでモーションも再現されます。
今日は残念ながら調整中でしたが。
このフライトシミュレータ、予約制になっていて
数時間待つこともあるということなので、
開館と同時に受付をした次第です。
実際、開館と同時に来場した人々によって
あっと言う間に12時前までの予約が埋まっていました。


早く来たお蔭で3番目の9:25からの回で乗れました。
初級(全て自動操縦)、中級(全て手動操縦)、
上級(中級+空中戦)の3つの難易度があり、
僕は初回ということで中級にしてみたのですが、
離陸と飛行はともかく、着陸が想像以上に難しい。
メーデー民なので少しは知識がありますが、
旅客機のような操舵輪(ハンドル式)ではなく
操縦桿(スティック式)であり、
戦闘機とあって機動性に重きが置かれているので
ちょっとの操作で機体が大きく振れてしまい、
中々滑走路に正対出来ません。
結局、制限時間内には着陸させられませんでした。
やはりパイロットって凄いんだな…


シミュレーションが終わって一息吐いていたら
説明員のおじさん達が窓際へ急げと何やら急かすので、
何事かと駆け寄ってみたら
あのE-767が丁度離陸していくところでした。
世界中でここにしか配備されていない機体です。
この展示格納庫は滑走路に面しているので、
現役の機体が離着陸するところも見えます。


何としても逃したくなかったので
フライトシミュレータから始めましたが、
この展示格納庫に置かれている機体は
訓練機と戦闘機で操縦席に座れるものが多くあります。
(フライトシミュレータの操縦席は撮影禁止だったので、
2つ上の写真は展示されている機体の操縦席です。)
機体に付いている説明員のおじさんは元パイロット(or整備士?)なのか、
技術的に細かいことを訊くと嬉々として答えてくれます。
ピトー管について語っていました。


また、フライトスーツの貸し出しも行っており、
とても良い記念写真が撮れます。
一人旅で中々撮れないのが悔やまれる…
と思っていたら、その気持ちが表情に出ていたのか、
家族連れのお父さんが見兼ねて写真を撮って下さいました。


展示格納庫で一頻りはしゃいだら、
隣にある展示資料館へ。
ここには装備品などが展示されています。
恐らく、こちらを先に見る方が正統派なのでしょう。


80式空対艦誘導弾ASM-1。
クソダサフォントの「持つな」で草生える。


航空自衛隊が有する全機体の模型。
浜松基地には配備されていないF-35Aの姿もあります。
ステルス機って一度間近で見てみたいものだな…
B-2とか。


展示資料館にも簡易フライトシミュレータがあります。
かなりデフォルメされているので子供向け…


と思いきや、操作性は本格的なフライトシミュレータ同然です。
というか、多分ソフトウェアは全く同じものを流用していますね。
また、戦闘機だけでなく練習機や輸送機のモードもあります。
何が変わるのかと輸送機モードにしてみましたが、
入力に対する反応が若干鈍くなったのと、
エルロンロールのような機動が出来なくなっていました。
相変わらず着陸は難しかったですが、
3度目の挑戦(1プレイにつき3回まで挑戦可能)で
ようやく着陸させることが出来ました。
上手い時間に予約が取れれば、
上述のフライトシミュレータの前に
こちらで感覚を掴んでおくと良いかも知れません。
ただ、こちらもかなり混みますが。


そんなわけで、糞ダイヤによって半日も待たされたことで
思いがけずやって来ることになった浜松広報館でしたが、
物凄く面白かったです。
乗るのは鉄道が楽しいですが、
見た時の格好良さは飛行機が断トツですね。
これで入場無料というのが最高に素晴らしい。


それでは、そろそろバス旅に戻ります。
泉四丁目バス停で11:29発遠鉄バス51系統
泉高丘線浜松駅行きに乗り継ぎ。


12:04、浜松駅バスターミナルに到着(運賃330円)。


12:32発遠鉄バス10系統浜名線湖西市役所行きに乗り継ぎ。


浜名湖を渡ります。
路線バスにとっては大井川よりも浜名湖の方が
よっぽど越せない難所です。
ただ、1日3本しか無い割には結構地元利用者が居ました。


13:33、鷲津駅バス停に到着(運賃660円)。
さあ、恐らくは次のバスが静岡県最後のバスでしょう。
バスの時刻は…
いや、そもそもバス路線はちゃんと現存しているのか…


あった!
しかも結構本数があります。
良かった良かった。
…ん?


土休日は全面運休!?
ええぇぇぇ!?
そんなのあり!?
これがコミュニティバスの怖さ…
湖西市民は土休日に移動しないのか…?
どうすべきかな…


14:24発コーちゃんバス岡崎鷲津線
浜名病院行きに乗り継ぎ。
(行程はイメージです。)


14:55、新所原駅バス停に到着(運賃200円)。
(行程はイメージです。)
ここは心の中でバスを乗り継いだことにして勘弁して下さい…
やはりバス旅は平日にするものだな…


駅前にはしっかりバス停がありました。
これが東西に長い静岡県の中で
最西端に位置するバス停です。
この先に続くバス路線は曜日に関係無く存在しないので、
ここからは歩きます。


遂に静岡県を抜けて愛知県に入りました!
しかし、最後にバス代行ならぬ「鉄道代行」して、
見所も何も無い県境がゴールというのも何だかな…
ということで、もう少しだけ続行して
豊川稲荷をゴールとすることにしました。


沿道に立派な岩山がありました。
奥三河以外の愛知県でこんな岩場があったとは。
立岩という岩山のようです。
登ったり出来るのかな?
…っていうか、現在進行形で黄色い服の人が登っているな。
ロープワークの練習でもしているのでしょうか。

さて、道路地図によればこの立岩の少し先に
バス停があるということになっていますが、
果たしてその時刻表や如何に…
これで豊ちゃんバス(土休日運休)とかだったら泣けるけど…


来た!私鉄系だ!
豊橋鉄道系列のバス会社でした。
本数も毎時1本と十分あります。
ただ、次の便は46分後か…


駅まで行けばもしかすると本数が増えるかも知れないと、
旧街道沿いにもう少し歩いてみることにしました。


二川駅まで歩いてきました。
残念ながら豊鉄バスにここ始発の便は無く、
結局同じ便を待つことに。
やまびこ号とかいう土休日運休の
コミュニティバスはありましたが。


16:20発豊鉄バス56系統豊橋駅前行きに乗り継ぎ。


16:47、豊橋駅前バスターミナルに到着(運賃450円)。
次が最後になるはず!
豊川へ向かうバスはあるのか…


あった!
これでチェックメイトです。
17:05発豊鉄バス92系統豊川駅前行きに乗り継ぎ。


17:49、稲荷前バス停に到着(運賃510円)。


ということで、無事豊川稲荷にゴール出来ました!
三島駅からの所要時間は57時間19分、
乗り継いだバスは計19本(+3本)、運賃は8,850円。
鉄道なら在来線でも3時間半、乗り換え1回、
運賃3,410円で着くところです。
情報も得難く、存廃も激しい路線バス。
その分、こうしたゲーム感覚では面白いですが、
地元民の立場からすると
鉄道のバス転換に対して強硬に反対する気持ちが分かりますね…

また、路線バス乗り継ぎの旅をするにあたって
戦いに於ける情報の重要性というものを思い知った次第ですが、
こうした縛りプレイをしようとすると、
上手く説明しないとすぐ鉄道に誘導されてしまったり、
自分でググれと遇らわれてしまったりと、
経路構築力のみならず
交渉力が試されたというのが意外で面白かったです。

ただ、今回はまるで狙い澄ましたかのように
偶々制限時間ギリギリでゴール出来る設定だったから良かったものの、
これはスタートとゴール地点の設定が
ゲームとしての面白さを全て決めてしまうので、
バスについての事前情報を得ないようにしつつ
その辺りの難易度調整を行うという、
一人でやるには中々難しい面があるのが玉に瑕ですが…


何はともあれ、無事ゴールしたということで
ここからは鉄道で帰ります。
豊川稲荷から歩いて名鉄の豊川稲荷駅へ。
実はこの名鉄豊川線の存在も
豊川稲荷をゴール地点に選んだ理由の一つだったりします。


皆さんは名鉄が運賃を改定する際などに「鉄道」ではなく
「鉄軌道」と言っていることにお気付きでしょうか?
(例:2019.09.05 鉄軌道旅客運賃・料金等の改定について
「鉄軌道」は鉄道+軌道という意味であり、
「軌道」というのは平たく言えば路面電車のことです。
しかし、平成17年に岐阜市内線が廃止されて以降、
名鉄に路面電車の路線など無いのでは?
と愛知県民や岐阜県民なら思うはずです。
ところが、実は現在の名鉄にも1本だけ軌道が残っています。
それがこの豊川線なのです。

とは言え、それは単に遥か昔に
路面電車として開業したものが、
その後完全に鉄道規格に改修されても
法律上の区分がそのまま残ってしまった、
というだけのことに過ぎず、
京阪京津線のように併用軌道があったりはしないのですが。


まあ、単に未乗車だったというのが最大の理由ですけどね。
というわけで、半田へ帰りました。

脚注
※「ピトー管」
   圧力差によって機体の(大気)速度を測る装置。
   飛行機からアンテナのように飛び出している小さな管なので、
   空港で飛行機を見たら探してみよう。
※「エルロンロール」
   進行方向を軸として右か左に360度回転(ロール)すること。
   戦闘機では真下に敵機が居ないか確認したりするのに使われる。

コメント

  1. Coloron より:

    ガチガチに調べて横断する人はネットで何度か見てきたけど(土肥→清水のフェリーを組み込んだりとか)
    ホンマに行き当たりばったりなので本格的やなあ…
    おつかれさまでした

  2. sou16 より:

    Unknown
    俺も最初はちゃんと下調べしようかと思ったが、バスは情報が得難過ぎて面倒臭くなって、本家準拠でぶっつけ本番にしてやろうという経緯度だったのは内緒。