今日から3連休。
連休明けには名大で例のセミナーがあるので
休みの間から帰省してしまいたいところです。
しかし、徒に帰省したところで予定も無いし、
何か面白い方法で帰省してみたいな。
とは言え、在来線も自転車もやったことはあるし、
かと言って徒歩だと3日では無理だし…
8:24、三島駅に到着。
こんなところで降りてどう帰省するのかと言うと…
路線バスです。
僕はテレビ東京系列の
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」という番組が好きで
ちょくちょく見ているのですが、
あれに倣って東西に長いことで悪名高い静岡県を
横断してみたいと思います。
まず記念すべき第1乗車として
8:30発東海バスオレンジシャトルN05系統
旧道経由沼津駅行きに乗車。
番組を知らない人の為にルール説明をしておきます。
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」とは、
高速道路を経由しない路線バス、
「ローカル路線バス」のみを使って
制限時間内に所定の目的地まで
辿り着くことを目標としたゲームです。
その際、情報として用いるのは
(見たところ)県別道路地図と案内所のみ。
8:57、沼津駅に到着(運賃400円)。
鉄道なら5分のところを27分掛かって運賃は倍です。
そもそも路線バスは基本的に鉄道の補完だからな…
さあ、いきなりどのバスに乗るべきか
良く分からなくなって参りました。
地理には詳しい方だという自負はあるのですが、
「温水プール」だの「医療センター」だの言われても
一般名詞過ぎて全く位置関係が掴めません。
道路地図を見る限り、在来線に並行する路線と
新幹線に並行する路線があるように見えるけど…
こういう時は人に訊くのが確実です。
在来線に並行していると思われる
原団地行きバスの運転手さんに訊いてみたところ、
「昔は富士駅の方まで延びる便があったけど、
今はもう無いからこの系統では途中までしか行けない。
根方の方へ行くやつなら、
東平沼で富士へのバスに接続することもあるけど、
果たして次のバスはどうだったかな…」
とのこと。
まさか葛飾区立中央図書館で借りた静岡県道路地図、
2015年版だから今は亡き路線も載っているのでは…
路線の廃止が多いというのも路線バスの難しさです。
件の根方線の次の便は1時間以上後らしいので、
沼津駅の駅ビルで暫し待ちます。
10:00に富士急バスの案内所が開いたので、
念の為東平沼での接続を訊いてみました。
それによると、
「土休日に富士駅行きへ接続しているのは
7:20発と18:10発の2本しか無いですね…
東田子の浦方面(在来線に並行する路線)も
その先へ接続する便は平日のみの運行です。」
うーむ、土休日になると極端に便が減るのも
路線バスの難しいところ…
どうすべきか…
10:30発富士急シティバス東平沼行きに乗り継ぎ。
取り敢えず、行けるところまで行きます。
日曜だとこの便も運休なので危ないところでした。
ららぽーと沼津を経由するということで
中々の乗車率のバスです。
良く見たらこのららぽーと沼津すら
手持ちの道路地図には記載が無いな…
無駄にハードモードを選んでしまった。
当然のことながら、ららぽーとでほぼ全員が降り、
地元のお爺さんと2人きりになって
運転手さんの訝しげな視線を感じながら、
終点の東平沼へと向かいます。
11:11、東平沼バス停に到着(運賃550円)。
住宅街の只中にある転回場です。
さて、ここから本数が極端に減る区間です。
友達の実家でもあるならともかく、
こんな場所で9時間弱も待つというのは
全く非現実的と言う他ありません。
しかし、案内所で貰った時刻表によると、
市境を越えて富士市にある船津バス停からは
12:30発の便があるようです。
地図で見たところ距離は2~3km。
これはもう歩くしかないでしょう。
やっと最初の自治体、沼津市を抜けました。
この静岡県道22号線は海岸平野が終わって
富士山の山体が始まる際に沿っており、
海沿いの国道1号との間には水田が広がっているので、
偶に海岸の松原が見えたりします。
水が一滴も流れていない春山川。
名前から察するに、春の雪解けの時期にだけ
山から水が流れてくるのでしょうか。
この辺りの川は全てこんな様子です。
その春山川の畔にあった船津バス停。
思ったより近くて正午前に着いてしまいました。
本家ならバス停で待って体力を温存するところですが、
院生の僕が温存すべきは体力ではなくお金なので、
少し運賃が安くなるかもという期待を持って
もうちょっと先まで歩いてみます。
ここ始発の便が無いかと寄ってみた岳南江尾駅。
まるで大型バスの転回でも想定しているかのような
だだっ広い駅前広場を設けていますが、
始発便どころかバス停自体無いようです。
この先の乗り継ぎがどうなるか分からないので、
近くのスーパーマーケットで軽食を買っておきます。
東増川バス停から12:34発
富士急静岡バス富士駅前行きに乗り継ぎ。
貸切状態です。
殆ど行き違い出来ないような細い道なので、
離合でちょこちょこ遅延しています。
13:22、富士駅前バス停に到着(運賃610円)。
この辺りは製紙工場が多く、栄えているのもあって
バス路線も多く存在します。
地図によると、西へ向かう為には
富士川橋を渡るバスに乗る必要があるようですが…
土休日は完全運休じゃないか!(蒲原病院行き)
平日だったら13:35発というお誂え向きの便があったのに…
路線バスの旅は平日にやるべきだな…
そんなことを言っても始まらないので、
取り敢えず昼食を食べます。
富士市の名物だというカツ皿。
カツ丼をただ皿に盛り付けた料理…
と見せ掛けて、味も大分違います。
豚カツの下には茹でたキャベツが敷かれており、
クリーミーな餡が掛けられています。
カツ皿で体力を付けたら、
富士川さえ渡ればどうにかなるかも知れないと
淡い期待に賭けて隣の富士川駅方面へと歩きます。
富士川を越えると、富士宮からやって来る
山梨交通の路線が加わる為、
確かに格段にバスの本数は増えたのですが、
現在時刻(14:28)の次の便は1時間半も後。
しかも、蒲原病院止まりなので殆ど進めません。
何となく嫌な予感がしたので、
ズルをして携帯電話で蒲原病院バス停から
先のダイヤを調べてみたところ、
何と今日は既に終バス(13:45発)が出た後とのこと。
ええぇ!?
とすると、路線バスに拘るなら
15km近く歩かなければならなくなるぞ…
平日なら、
富士駅前 13:35発
↓富士急静岡バス 蒲原病院行き
蒲原病院 13:56着 14:30発
↓静岡市自主運行バス 由比・蒲原病院線 由比駅前行き
由比駅前 14:51着
と乗り継げたようなのですが…
富士川駅で15:02発JR東海道本線普通浜松行きに乗り換え。
心苦しいですが如何ともし難いので鉄道に頼ります。
まあ、テレビ番組じゃないから
ああだこうだ文句を言う視聴者も居ないし…
実は今日は平日で、由比駅前バス停まで
素晴らしい乗り継ぎで到達出来たんだ、
と脳内で記憶を改竄しておきます。
鉄道なら後は寝ていれば静岡県の西端まで行けるのに…
15:18、興津駅に到着。
平日ダイヤだとしても繋がるのは由比駅までなのに
何しれっと次の駅まで乗っとんねんいてまうぞワレェ
というお叱りの声が聞こえてきそうですが、
由比-興津間は正真正銘のバス空白地帯なので、
この区間だけは何をどうやっても
鉄道に頼るか徒歩でゴリ押しせざるを得ないのです。
さて、興津駅前バス停からのバスの時刻は…
15:18発!?
列車が15:18着発なのにバスも15:18発にしたら
どちらも乗り継げない最悪のダイヤじゃないか!
でも、バスは遅れるのが常だから、
もしかしたらちょっと遅延して
上手いこと乗り継げるようになっているのかも…
…来ない。
こんな時だけ定時運行とは…
このダイヤを組んだスジ屋を小一時間詰問したい。
興津駅で無為に1時間待つのもやるせないので、
天気も良いしバス空白地帯を繋ぎに行ってみます。
国道1号の脇にある旧・東海道で峠へ。
東海道の中でも特に有名な峠なので、
他にも歩いている人が多く居ます。
墓地の中を抜けさせるのか…
車道まで墓地の中を突っ切っていた立待岬よりはマシ?
コンクリートでガチガチに固められた急坂です。
江戸時代などは崩落の連続だったことでしょう。
そんな東海道の難所とは…
薩埵峠です!
3年前に来た際は全く富士山が見えませんでしたが、
今日は雪化粧した富士山が実に美しく望めます。
興津宿から来た旅人はさぞ感動しただろうなぁ…
今日は満月だからということで
夜景狙いの撮り鉄がこの時間から張っていました。
何時間待つつもりなのだろう…
ちょっと気にはなりましたが、
三脚を持っていないので大人しくバス旅に戻ります。
新浦安橋バス停で16:39発しずてつジャストライン
250系統三保山の手線清水駅前行きに乗り継ぎ。
17:05、清水駅前バス停に到着(運賃380円)。
さあ、ここからは繋がるのか…
静岡駅へと向かうバスがありました!
45分待ちですが、これくらいなら御の字でしょう。
清水はちびまる子ちゃんの作者さくらももこの出身地で、
驚異的に海鮮が美味しい土地でもあります。
時間的に夕食をここで…というのも考えましたが、
お寿司を食べられるような懐の余裕は無いので
大人しく静岡駅前行きのバスを待ちます。
時間的に今日は静岡駅止まりになりそうですが、
一応明日以降の経路構築もあるので
静鉄バスの案内所で時刻表や路線図を貰っておきます。
それによると、静岡駅から先の接続は…
今日中に乗り継げる!?
静岡-藤枝間は、自転車帰省の時に苦労させられた
あの大崩海岸がある峠越え区間なので、
きっと本数も少ないだろうと思っていたら
これは嬉しい誤算です。
清水駅前バス停で17:55発しずてつジャストライン
65系統北街道線静岡駅前行きに乗り継ぎ。
18:49、新静岡バスターミナルに到着(運賃550円)。
静鉄バスの総本山。
案内所で可能な限りの情報を仕入れておきます。
19:15発しずてつジャストライン
84系統中部国道線藤枝駅行きに乗り継ぎ。
土休日でも7時から22時台に至るまで
30分ヘッドでバスが発車する一大幹線です。
勿論、乗り通す人は皆無ですが。
20:28、藤枝駅前バス停に到着(運賃610円)。
イルミネーションが輝いています。
ここから先へと進むバスは
(平日なら存在したという点は驚愕に値するが)
今日はもう存在しないので、
ここで切り上げて投宿します。
明日はこの藤枝駅から再開することとして、
宿の都合上列車で焼津駅に向かいます。
20:35発JR東海道本線普通静岡行きに乗り換え。
20:41、焼津駅に到着。
地域間輸送に於いて鉄道の何と素晴らしいことか。
宿に荷物を置いたらお待ちかねの夕食です。
焼津と言えば海鮮!
ということで居酒屋でお魚を肴に飲みます。
良いですねぇ…
が、疲労の所為なのか、ペースが速かったのか、
1杯しか飲んでいないというのにかなり酔いました。
お酒は一人で飲むものじゃないですね…
その後は足早に宿へと戻って寝ました。
隣室から何かの軋む音と嬌声が聞こえてくるんですが、
これは壁ドンとかするべきなのでしょうか。
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