(無題)

週が明けるとそろそろ本格的に冬将軍が来て、
関東でも山沿いは雪が降る頃です。
今日は秋晴れの良い天気。
そして、手元には未使用の東武鉄道株主優待券が。
これはもう行くしかないでしょう。
ということで、秋のスポーツ月間と称して
今日はヒルクライムしに行くことにしました。

5:30、起床。
支度を済ませて北松戸駅から
6:35発JR常磐線各停向ヶ丘遊園行きに乗り、
北千住駅で7:03発東武伊勢崎線区間急行南栗橋行きに乗り換え、
南栗橋駅で東武日光線急行東武日光行きに乗り換え。


9:16、東武日光駅に到着。
秋は毎年のように来ている日光です。
外国人観光客ってここまで多かったっけ…
駅前でロードバイクを組み立てる人も多く居ます。
そう、日光はヒルクライムの聖地の一つ。
言わずと知れたいろは坂で名を馳せています。


しかし、これまでの経験から、
紅葉の時期のいろは坂や中禅寺湖は
エグいくらい混むことが分かっているので、
今回はいろは坂ではなく霧降高原道路を走ります。


日光の中心街を出るとすぐに
斜度8~10%程度の坂が始まります。
美ヶ原を思えばどうということはありません。


ところどころに丸太をチェーンソーで掘った
一里塚が設置されています。
標高を示してくれているので
登るべき残りの高度が分かって有難いです。


途中に霧降の滝の看板を見掛けたので
ちょっと寄ってみることにしました。


紅葉真っ盛りの霧降の滝。
綺麗ですねー。
まだ少し時間が早いからか
下の滝壺は陽が当たっていませんが。


駐車場にあった茶屋で日光の天然氷を使った
かき氷をやっているとの札があったので、
自転車で火照った身体を冷やすべく注文。
折しも店番のおばちゃんが他のお客さんと
「最近めっきり冷え込んできたねー」
という話をしている最中だったので、
暗に変人扱いされました。


ヒルクライム再開です。
標高900mを越した辺りから
九十九折の本格的な峠道になってきました。
トレイルランの大会でもやっているのか
道沿いの森の中を走っている人が何人も居ます。


流石は霧降高原、下は晴れていたのに
霧降高原の部分だけ名前通り雲が掛かっています。
日が隠れると寒いな…


大分標高が上がってきました。


霧降高原レストハウスに到着。
やはりトレイルランの大会をやっていますね。
ここで昼食という案もあったのですが、
混み合っているようなのでパスして次へ。
霧降高原レストハウスが最高地点かと思っていたけど、
まだまだ登るっぽいな…


六方沢展望台。
遥か宇都宮まで見渡せます。
しかし、標高が書かれていないことから察するに
ここもまだ最高地点ではないようです。


展望台の名前の由来になった六方沢。
見るからに地盤の悪そうな沢です。
霧降高原道路は長さ320mの立派な六方沢橋で
この六方沢を一跨ぎしています。


六方沢橋の少し先で最高地点の標高1,450mに到着。
東武日光駅の標高が543mなので
907m登ったことになります。
そう考えるとそこそこのヒルクライムの筈ですが、
どういうわけかあまり疲労はありません。
ヒルクライムと登山に明け暮れたこの秋で
身体機能が鍛えられたのでしょうか。


ここからは一気に下っていきます。
牧場があるので見晴らしが良いです。


大笹牧場に到着。
バイカーや家族連れで賑わっています。
何やら屋外ライブもやっています。


ここで昼食にしようかとも考えていたのですが、
かなり混んでいたので牛乳だけ飲んで
麓の集落まで我慢することにしました。


東武日光駅からやって来る路線バスは大笹牧場が終点。
この先は公共交通機関が存在せず、
交通量も一気に減ります。
その分、紅葉をゆっくりと楽しめますね。


眼下に集落が見えてきました。
黒部集落です。
栃木県の最深部、旧・栗山村。
5年前に訪れた際、楽しさを通り越して
初めて畏れすら抱いた超弩級の田舎です。


旧・栗山村の集落は鬼怒川沿いの谷底にあるので、
これまでにも増して勾配のキツい九十九折を下っていきます。


黒部集落の隣、日陰集落まで下りたところで
蕎麦屋を見付けたので入ります。
パッと見は山小屋のようにも見えます。
ここは貸切状態ですね。


ランプの吊り下げられた木造の店内で
薪の爆ぜる小気味良い音を奏でるストーブ…
いやぁ、良いですねぇ…
蕎麦も勿論美味しかったのですが、
それよりも付け合わせに出てきたムキタケが
衝撃的なほど美味しかったです。


エネルギーを得たらもうひとっ走りです。
と言っても、この先は鬼怒川に沿って
ただひたすら下っていくだけなのですが。
速度が上がって指が冷たいな…


鬼怒川の畔の日当たりの良い集落。
その名も日向集落です。
お隣の日陰集落と言い、ネーミングが安直過ぎでは。
というか、そんな名前の付け方をして
日陰の方に住もうと思う人って居るのかな?


コーヒー牛乳みたいな色の水を湛えた八汐湖。
うっ、そう言えばこの栃木県道23号には
何本もトンネルがあるんだった…
激坂は全く構わないんだけど、
トンネルは二居隧道の悪しきトラウマが…
特にこの田茂沢トンネルは全長が約1kmもあり、
栃木県内で5位にもなる長大トンネルです。


脇には何やら立派な橋も備えた旧道らしき道が。
こっちならトンネル無しで行けるか…?
しかし、国土地理院の地図では途中で途切れており、
そもそもあの橋梁のすぐ先で
トンネルに吸い込まれているようなので、
大人しく田茂沢トンネルを走ります。
ただ、この旧道(?)はネットで調べてみても
全然情報が出て来ないので気になるところではありますが。
ロードバイクではちょっとな…
(日光市道栗30144号線という名前らしい。)


田茂沢トンネルは新しいからか路面状態も良く、
ロードバイクでも快適に走れました。
ここはもう完全に日が陰ってしまっていますね。


八汐湖を作る川治ダム。
天端を栃木県道23号線が通っています。


目も眩むような高さです。
川治ダムはアーチ式コンクリートダムとして全国4位、
堤高140mもの高さを誇っています。
遥か下の方から放水していますね。


川治ダムが出来たことによって
栃木県道23号線は140mもの高低差を
麓の川治集落から一気に登らねばならなくなり、
トンネルを用いたヘアピンカーブやループ線という
かなりトリッキーな手法まで使って
無理矢理高度を稼いでいます。
逆ルートの方が辛そうだな…


鉄道の通う地まで戻って来ました。
野岩鉄道会津鬼怒川線です。
川治温泉駅も見えています。
しかし、当然のことながら野岩鉄道では
東武鉄道の株主優待券は使えないので、
もう少し頑張って東武の駅まで走ります。


新藤原駅までやって来ました。
東武鬼怒川線の終点にして東武最北端の駅です。
北千住まで137.5km、ここからは株主優待券で帰れます。


しかし、折角なのでもう少しだけ走って
鬼怒川温泉に来てみました。
嘗ては熱海、箱根と並ぶ一大温泉地として
栄華を極めていた時代もありましたが、
バブル崩壊による団体客の減少で多くの旅館が廃業。
今や「廃墟の聖地」と呼ばれるまでになりました。


ここなんかはその中でも特に有名だそうです。
不法侵入者が多いのかバリケードが設けられており、
その所為でこの付近だけ道路の幅員が減少して
自転車で走るにはちょっと怖いです。


最盛期に比べたら縮小してしまった鬼怒川温泉ですが、
それでも今も温泉街であることに変わりはありません。
折角なので、駅のすぐ傍の公衆浴場に寄ってみました。
ヒルクライム後の温泉は良いですね…


この後は鬼怒川公園駅から17:52発
東武鬼怒川線普通下今市行きに乗り、
下今市駅で18:20発東武日光線
特急けごん46号浅草行きに乗り換え、
下宿へと帰りました。
特急列車で楽することを覚えてしまった…

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