常念山脈縦走 第1日目

秋のスポーツ月間第2週。
常念山脈を縦走します。

4:17、起床。
未明にやって来るタクシーが想像以上に多く、
その度に起こされてしまったので
あまり熟睡できませんでした。
2~3時に登り始めていた人達も割と居たけど、
今から上でご来光を望むつもりなのかな…?


部の山行では日の出前は林道以外前進禁止でしたが、
「道が付いているのにヘッテン有りで行けぬ場所は無い」
というFAの主張により、まだ真っ暗な5:08に出発。
ヘッドライトの明かりを頼りに進みます。


一ノ沢を何度も渡渉しつつ標高を上げていきます。
登山道自体が沢のようになっている箇所も。
大雨時は通行不可とあったけど、
昨日ってそんな大雨とか降ってたっけ?


胸突八丁という如何にもヤバそうな地名の登り。
しかし、思ったほどの急登ではありませんでした。
体力自慢のFAは余裕の表情です。


森林限界を超えて稜線に出ると…


おお、何という絶景!
青空を一文字に貫く北アルプスの何と美しいことか。
槍ヶ岳の勇姿もはっきりと拝めます。
ここから見ると正に槍と形容せざるを得ない山容ですね。
登りたくなってしまう。


鞍部にある常念小屋にメインザックを置き、
アタックザックに切り替えて山頂までピストンします。
ガレていて中々登りにくいです。


普通、山頂前の最後の山小屋から山頂へのピストンなんて
お散歩気分で出来ることが多いのですが、
ここについてはかなりの急登です。
体力の無い僕は引き離されてしまう…


と思いきや、FAと古典ギリシャ語について熱く語っていたら
逆に他の2人を引き離していました。
議論に夢中になると周りが見えなくなる理物の悪い癖だ…


脇目には常に槍ヶ岳が。
これしき登れないようでは槍ヶ岳なんて夢のまた夢…!


ここまで登ってきた一の沢には雲が垂れ込めています。
というか、安曇平が完全に雲海に沈んでいますね。


長いー!
常念小屋が常念岳から遠過ぎる。
まあ、だからこそ重い荷物を背負わなければならない距離を
大幅に減らすことができたという面もあるけど…


常念小屋からおよそ1時間かけてやっと辿り着きました、
常念岳(標高2,857m)です!
疲れた…


遥か上高地からジャンダルム、大キレットまではっきりと見えます。
穂高連峰と槍ヶ岳を結ぶ槍・穂高縦走路は、
日本の一般登山道としては最高難度を誇るルートの一つであり、
登山者の憧れともなっている聖地です。
憧れるなぁ…


今回僕等が縦走する予定の常念山脈はこちらです。
遠目に見てもカールや岩場だらけの穂高連峰とは違い、
こちらはまだ温かみの感じられなくもない山容ですね。
でも、向こうの高さがここと殆ど変わらないということは
常念小屋まで戻った後に同じだけ登り返しがあるってことだよな…


先のことを考えると気が滅入るのは山も下界も一緒。
今この刹那を生きます。
というわけで暫し写真撮影タイム。


しかし、今日はコースタイムが休憩抜きで10時間35分という
かなりの強行軍なので、そう現実逃避ばかりしていられません。
足早に常念小屋まで戻ります。


常念小屋で水を買い、メインザックを回収していざ登り返し。
重い…
さっきまで軽いアタックザックでイキっていたからか
ずしりと来る重さを感じます。
そして、この横通岳への登りがまたキツい。
思うように動いてくれない脚を騙し騙し進みます。


やっと横通岳を越えた…
リーダーのOD曰く、後はもう稜線の水平移動くらいらしいから、
これで何とかなりそうだ…


槍ヶ岳は挑発的にこちらを見続けています。
登らせろー!
しかし、今日のところはもう登りは十分かな…


って、まだ普通に登りがあるじゃないか…
どうやら東天井岳への登りのようです。
まあ、常念岳や横通岳への登りに比べたらこれくらい…
疲労が蓄積してきているから堪えますね…


振り返るとここまで歩いてきた道のりが。
今日はとにかく天気の良いことが何よりの救いだよな…


やっとこさ東天井岳の肩に辿り着き、
本日の最終目的地である大天井岳が見えました。
あれ?最後にまだもうひと登りありませんかね…?


西側から雲も出始めているので、
休憩もそこそこに歩き続けます。


この登りさえ…
この登りさえ終われば…!


こんな場所に野生のニホンザルがいました。
観光地とは違って人を見ると逃げていきます。
重たいザックを担ぐ僕等を嘲笑っているように見えなくもない。


まだ良く分からない小ピークらしきものが…
しかし、ここまで来たら後もうひと息!


常念岳がもう遥か後方になっています。
こんなに歩いてきていたのか…


うおぉ、幕営地が見えたぞー!


14:44、登山開始から実に9時間36分で
本日の幕営地である大天荘に到着しました!
疲れた…


折角綺麗な山小屋があるのですが、
FAを筆頭にワンゲル部は小屋泊を毛嫌いする節があるので
テントを設営して早めの夕食作りです。
この前買ったばかりのガス缶とヘッドが(文字通り)火を噴くぜ!


暫く休憩してから大天井岳の山頂にも行っておきます。
ここは常念岳と違って小屋から山頂までお散歩気分で行けます。


夕陽に照らされる常念山脈。
これが明日のルートか…


今回の山行の最高地点である大天井岳山頂(標高2,922m)に到着。
のんびり夕食を摂っていたら日没の時間になってしまいました。


神々しい槍ヶ岳の影。
今日は稜線に出てからずっと見えていましたね。
やはり、実際に目の当たりにしてしまうと、
話で聞いているだけよりもずっと登山欲が湧いてきますね…


すっかり日も沈んでしまったので、
真っ暗にならない内にテントに戻ります。


この後は3~4人用テントで4人横並びになって
ワンゲル部の現役時代を思い起こしながら18時前に寝ました。

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