(無題)

ドイツ出張第4日目。


7:00、起床。
時差ボケなのか知らないけど、毎日寝落ちしているな…
朝食を取ったら今日も元気に出勤です。
午前の招待講演はCMBやGWBなど背景輻射についてが主。
取り敢えず、皆がCMB-S4とLISAに望みを繋いでいるのが分かりました。
DECIGOはほぼ無かったことにされていますね。

午後は修正重力やCMBなどについてのセッション。
TH先輩の発表は既にサマースクールで聞いているし、
午後の前半はこれと言って惹かれるものが無いな…


Westbahnhofバス停(西駅バス停)から
13:50発33系統バスVaals Heuvel(ファールス・へーヴェル)行きに乗車。
昼休みの時間を利用して
ちょっとだけ観光してみます。


14:11、Püngelerstraßeバス停(ピュンゲラー通りバス停)に到着。
住宅街の細い路地にある何の変哲も無いバス停です。


車止めの立てられたゲートのような場所があります。
これが何かお分かりでしょうか?
そう、これは国境です。
このゲートを越えた先はオランダなのです。
こんな普通の住宅街の中に国境線が通っているというのが
国境の変遷を繰り返してきた西欧の日常です。


Maps.meによれば徒歩道だという
牧草地とドイツ連邦の際を歩いていきます。


いきなり登山道になったな…
しかし、登山道が付けられているということは
この道が正しいことの証左でもありますが。


植林地帯に入ってしまった…
こういう場所は道が分かり難く、
進もうと思えばどちらへも進めてしまうので
かなり遭難しやすいです。
国際学会の昼休みにほっつき歩いて遭難は色々とマズいな…


これまでの経験を活かして林を抜けました。
これで一安心です。
意外と登ってきましたね。


観光地あるあるの世界各地までの方角と距離を示した看板。
しかし、普通は有名な都市を書くものなのに
これは何故か山の名前ばかり書かれています。


辿り着きました、
Drielandenpunt(三国点)です!
ドイツ、オランダ、ベルギーが一堂に会する地点。
ですが、実はこの地点の意義はそれだけではないのです。


Drielandenpuntの下に
“Het hoog(s)te punt van Nederland”
と書かれています。
このオランダ語の意味はお分かりでしょうか?
正解は「オランダで最も高い場所」です。
何と、丘陵地帯にあるこの三国点(標高322.5m)は
オランダの最高地点でもあるのです!
そう、だからこそ前出の看板は
世界各国の山の名前を書いていたわけです。


あまりにも低い標高を水増しする為なのか、
背の高い展望台が建てられています。
折角なので上ってみましょう。


外階段な上にスケスケで怖いな…
しかも、周囲にこれを超える高さの物が無いからか
かなり風が強いです。


展望台の上から見たドイツ。
遠くにAachen(アーヘン)が見えます。


こちらはベルギー。
一昨日通った線路が見えますね。


そして、現在地以下の場所しか存在しないオランダ。
山が無い山が無いと世界的にネタにされていますが、
実はバルト三国(318m)やデンマーク(170.9m)の方が
最高地点の標高は低いです。
どんぐりの背比べ以外の何物でもありませんが。


折角オランダに足を踏み入れたのですから、
昼食のオランダ名物を食べます。
Kroket(クロケット)、即ちコロッケです。
フランスでは高級料理だったCroquetteが
ファストフードとなって大々的に広まったのはオランダとされており、
今でも色んな屋台で食べることが出来ます。
中身はタマネギの多いシチューといった感じで
日本で言うところのクリームコロッケに近いです。
さもないと、コロッケのポテトセットが
ジャガイモのジャガイモセットになってしまうからな…


復路はオランダ側を通ってみます。
この尖塔は如何にもオランダ式の…
とか言えたら良かったのですが、
悲しいかなそういう知識は持ち合わせておりません。


目抜き通りまで戻って来ました。


滞在時間1時間半にしてドイツに戻ります。
良い初オランダであった。


Maastrichterlaan/Bosstraatバス停
(マーストリヒテラーン/ボストラート バス停)から
33系統バスAachen Fuchserde(アーヘン・フックスエルデ)行きに乗車。
会場に戻ります。


夜は宴会。
何やらファッションショーのようなことをやっている広場を眼下に、
石造りの立派な建物でご飯です。
意外にも(?)立食ではなくてきっちり着席式でしたが。


主催者っぽいお爺さんが長口上を披露していましたが、
恐らくジョークなんだろうというところで
皆苦笑して微妙な空気になっていました。
ドイツ人はジョークが苦手というのは本当だったのか…

脚注
※「CMB」
   Cosmic Microwave Background(宇宙マイクロ波背景輻射)の略。
※「GWB」
   Gravitational Wave Background(背景重力波)の略。

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