(無題)

RESCEUサマースクール第3日目。

今日の午前は主にキップ研の人々が
如何にして重力波の解析を高速化するかという話をし、
午後はお待ち兼ねのの自由議論の時間です。
今回は予めバスツアーが手配されていて、
田沢湖、抱返り渓谷、角館武家屋敷を巡る
というのがモデルプランなのですが、
常にスタンダードモデルの拡張理論や
根源的な高エネルギー理論を考える横山研としては、
上から手で与えられたモデルに
はいそうですかと従うのは道義に反します。
というわけで、別行動して
何処か面白い場所へ行けないものかと
時刻表と睨めっこしながら頭を捻ったのですが…

キツい!
鉄道もバスも絶対的に本数が少な過ぎる!
そもそも、ホテルが駅から遠く離れていて、
角館駅までのシャトルバスの時刻は新幹線の
それも東京方面の出発時刻に合わせられている為、
スムーズな乗り継ぎを考えようとすると
最も合理的な行き先は盛岡になってしまいます。
盛岡に戻ってもなぁ…
でも、下りの新幹線には5分だけ間に合わないし…

次に浮かんだのが、ツアーバスに途中まで便乗し、
田沢湖畔から路線バスに乗って
八幡平方面を目指すという案。
予定ではツアーバスが田沢湖に着くのが13:45で
路線バスの田沢湖畔発は14:31だから、
時刻表上では余裕で間に合うはず…

が、何とツアーバスが着くのは田沢湖の西端で
路線バスのバス停は田沢湖の東端であることが判明。
ならば田沢湖を周回するバスに乗れば…
うおお、田沢湖畔着が14:44じゃないか!
何なんだこの嫌がらせのようなダイヤは!
最後の手段でタクシーを使うとしても
そもそも客待ちをするタクシーが居なさそうだし…
もう諦めてツアーに乗るか…?
その時、横山研ポスドクのYYさんが言った。
「なら田沢湖を泳いで突っ切れば良いじゃんwww」
…!


それだ!
その刹那思い出しました、
田沢湖には西端と東端を結ぶ遊覧船があることを!
しかし、時刻表では潟尻(田沢湖西端)発が13:24なので
どう足掻いても間に合わないはずなのですが、
ツアーバスの発車が20分早まり、
遊覧船の到着が4分遅れたことで奇跡的に乗れました。
13:24発田沢湖遊覧船に乗船。


不可能と思われた行程で
隠された乗り継ぎを発見して成功した時の喜びは、
理論計算が上手くいった時の喜びに通ずるものがありますね。
YYさん、TY(吉田研)と共に
深青色の田沢湖を滑るように進みます。


13:45、白浜に到着。
乗り継ぎが成功したことで1時間弱も時間が出来ました。


ということで、犬好きのYYさんが見付けた
秋田犬の見学所(土産物屋の裏手)へ。
昼下りなのでノビていますね。


秋田名物繋がりか比内地鶏もいました。
強そう。


14:31発秋北バス玉川温泉経由鹿角花輪駅前に乗り換え。
バス停にはそこそこ人が居ましたが、
その大半は数分前に着いた乳頭温泉行きに乗っていきました。


玉川ダムによって生じた宝仙湖を横目に山道を上ります。
この玉川ダム、治水目的もあるのですが、
実はもう一つとても大切な役割があるのです。


15:35、新玉川温泉に到着。
お目当ての温泉に辿り着きました。
温泉宿に泊まっているのに
何で大変な思いをしてまでまた温泉に来たのかって?


それはこの玉川温泉の類稀なる泉質を求めていたからです。
お気付きでしょうか、この温泉成分の説明の中に
異常とも言える数値が紛れ込んでいることに。
そう、何とpHが1.13しかないのです!
胃液や塩酸にも匹敵する強酸性。
これを体験したいが為にやって来ました。
下流の玉川ダムはこの強酸性の温泉が混じった
川の水を中和する為の役割も担っています。

実際、あまりにも酸性が強過ぎて
皮膚にちょっとでも傷があると凄く沁みます。
目に入れるのは以ての外です。
あまり長湯はしないでくださいと書かれていましたが、
2人と談笑していたら1時間も経ってしまいました。
これまで温泉で肌がツルツルになったと
あからさまに感じたことはなかったけど、
今回はマジで踵までツルツルになったな…
溶けたのでしょうか。


16:52発羽後交通田沢湖駅前行きに乗車。
帰ります。


実を言うと、帰りも若干乗り継ぎが難しいんですよね…
まあ、往路ほどのトリッキーさはありませんが。


18:02、田沢湖駅に到着。
宿があるのは角館なので
どうにかして角館駅へ向かわねばなりません。
鈍行でたった4駅ですが、ここは田沢湖線。
とにかく列車本数が少なく、
次の普通列車を待っていたら
宿への送迎バスが無くなってしまいます。
では、どうするのか?


これは一昨日の日記を読んでいた方ならすぐ分かりますね。
新幹線を使えば良いのです。
18:09発JR秋田新幹線こまち27号秋田行きに乗り換え。
鈍行4駅、18.7kmの距離に特急料金を払うのは癪ですが、
タクシーを使うよりはマシでしょう。


というわけで、思考と時刻表の盲点を突いた自由議論でした。
そして、宿に戻ってまた3時間も温泉で語り合うという。
完全に茹で上がってしまった。

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