今日からお盆休み。
普段なら前日の夕方から帰省するところですが、
今年は社会人と全く同程度しかお盆休みが無く、
帰省ラッシュにもろ被りして
昨日今日の指定席券は買えませんでした。
思いがけず時間が出来てしまったので、
青春18きっぷを使って出掛けてみることにしました。
7:00、起床。
朝食を済ませて北松戸駅に向かい、
8:14発JR常磐線各停成城学園前行きに乗車し、
松戸駅で8:25発JR常磐線普通勝田行きに乗り換え。
普段の土日なら15両編成を持て余しているところですが、
今日に限ってはやはり混んでいます。
果たして、この人達は何処まで乗っていくのだろうか…
そして、この混雑した朝のロングシートでも
ストロングゼロを飲み始める人が居るというのは、
流石常磐線と言う他ありませんね。
結局、この列車では一切座ることができずに
水戸駅で10:05発JR常磐線普通広野行きに乗り換え。
こちらは座れたので寝ます。
11:27、泉駅に到着。
福島臨海鉄道が分岐するいわき市の駅です。
福島臨海鉄道を通って小名浜からやって来た
東邦亜鉛の貨物列車が停まっています。
と言うと、この福島臨海鉄道を撮影するのが
今回の目的かと思われそうですが、
そうではありません。
今日は泉駅から久々のサイクリングをしようと思います。
福島県道15号で海岸線へ。
いわき市のランドマーク、いわきマリンタワー。
何故か高さ60mではなく、
高さ59.99mを謳っています。
1cmくらい繰り上げても良かったのでは。
いわきマリンタワーは入場料が掛かるので、
無料で上れる潮見台にやって来ました。
いわき市の臨海工業地帯まで見えます。
それなのに海がとても綺麗です。
あと、この辺の地形は中々険しいですね。
下からは何やら通路が突き出しています。
潮をより間近に見られる通路。
頑丈な柵に覆われているので怖くありませんが、
潮風で風化しないのかはちょっと心配。
まだ1時間も走っていませんが、
いわきマリンタワーの側にあったファミレスで、
「うにフェア」という
聞き捨てならぬ文言を見付けてしまったので、
衝動に抗えず昼食を摂ることにしました。
これはうにリゾット。
リゾットと称してはいますが、
胡椒のパンチの効いた少し硬めのご飯は、
リゾットというよりも看板メニューのピラフっぽいです。
ちなみに、このファミレスはピラフが名物で
「シーフードレストラン メヒコ」と名乗っているのですが、
ピラフはメキシコ料理ではなくて
トルコ料理だとは知らなかったのでしょうか。
うにリゾットで元気が出たら
波飛沫に煙る海岸線を走ります。
霧でも出ているかのような白さだな…
お目当てのものの入口に辿り着きました。
自転車を停めて急な階段を上ります。
炎天下の50m断崖は自転車を漕いだ後だと割と堪えます。
今日はまだ大して走っていませんが…
着きました!
これが今回の目的地その1、塩屋埼灯台です。
南東北で唯一の上れる灯台です。
灯台スタンプラリー制覇を目指してやって来ました。
他の上れる灯台は有無を言わさぬ最果ての地だったり、
景勝地だったりしてイメージが湧くのですが、
この塩屋崎灯台だけは名前や所在地を見ても
全くイメージが湧きませんでした。
スタンプラリーが無ければ一生訪れなかったのではないか
とさえ思ってしまうような立地です。
しかも、閉館が15:30と他のどの灯台よりも早い。
とまあ散々な物言いをしてしまいましたが、
断崖の上にあるだけあって景色はかなり良いです。
灯台の北にある薄磯海水浴場には
大勢の海水浴客が繰り出しています。
小名浜方面を振り返ってみると
いつの間にか黒い雲に覆われているではありませんか。
天気予報を確認してみたら、
内陸部から正にあの小名浜へ向かって
ゲリラ豪雨の雲が伸びており、
幾つかの小河川では氾濫危険水位に達しているとのこと。
ほんの1時間前に出発した時は快晴だったのに…
雷鳴も聞こえてくるので
雨雲に追い付かれないよう早く北上します。
防潮林に囲まれた福島県道382号を北上します。
東日本大震災の津波で被害を受けたようで、
まだ小さい木が多いです。
松戸でもお馴染みの国道6号に合流しました。
道路情報を伝える電光掲示板には
「30km先 二輪車軽車両歩行者 通行不可」
という無慈悲な文言が映されています。
道の駅よつくら港で一休み。
サンマのポーポー焼きという郷土料理を食べてみました。
つみれよりも身の潰し方が甘く、
サンマの風味をより強く感じられます。
塩分とタンパク質を補給したら北上再開です。
波立海岸という名前からして難所な海岸。
歩道にも専用のトンネルがあります。
ちょっと怖い。
波立海岸を抜けてさあ飛ばそうと思ったら…
何だ、あの鳥居は!
あんなものを見付けてしまったら
行くしかなくなってしまうじゃないか…!
日没時刻が若干気掛かりですが、
夏だし何とかなるだろうの精神で行きます。
ちょっと大きな波が来ると濡れてしまうような参道です。
カメラや靴を濡らさぬよう急いで抜けます。
磯の巨岩(弁天島)に祠が幾つも祀られています。
海上安全を願っているのでしょうか。
解説の類は何もありません。
それにしても絵になる鳥居だなぁ…
やはり鳥居は海の青か森の緑の中でこそ
その朱色が最大限に映えますね。
言うまでもないことかも知れませんが、
潮の流れが非常に激しいので
ここで海に落ちたらただでは済みません。
気を付けましょう。
いわき市を抜けて広野町に入ると、
俄に工事関係者向けの安宿が増えました。
ここからが浜通りの発電所銀座です。
名前と立地からJ-PARKみたいな
原子力関連の研究施設を想像していたJヴィレッジ。
サッカーのスタジアム兼トレーニング施設でした。
今日も試合をやっています。
そのすぐ側には広野火力発電所が。
橋の向こうには警備員2人が歩いており、
何とも厳重な警備体制です。
発電所だから当然と言えば当然ですが。
そして、これが今回の目的地その2、Jヴィレッジ駅です。
Jヴィレッジへのアクセス駅として
今年4月20日に開業したばかりの、
常磐線で11年振りにして平成最後の新駅です。
鹿島サッカースタジアム駅と同じく、
Jヴィレッジでイベントが開催される日のみ
列車が停車するという臨時駅になっています。
今日は試合をやっているので営業日です。
この時刻表、いちいち付け替えるんだろうか…
この辺りは常磐線が道路よりも
かなり低い位置を走っている為、
ホームまではかなり大掛かりな階段で繋がれています。
駅名標。
JR東日本でアルファベットを使う駅名はここだけだとか。
「ヴ」を使うのもここだけな気がする。
読み仮名では「び」になっていますが。
駅周辺は森に囲まれており、
かなり秘境駅に近い雰囲気があります。
とは言え、イヴェント会場
もといイベント会場へのアクセスを担っているので、
列車が着けば賑わうのかも知れませんが。
折角今日は営業日なので
Jヴィレッジ駅から輪行というのも考えましたが、
初期宇宙論を専攻する人間としては
やはり果てを目指す姿勢が大切だろうと、
更に北上を続けて富岡町に入りました。
富岡町と言えば思い出されるのはやはり…
福島第二原子力発電所ではないでしょうか。
どちらかと言うと楢葉町がメインですが。
こちらは震災後に何とか冷温停止できたので
福島第一原子力発電所ほどの惨事には至っていません。
今は何処まで近付けるのかな…
広野火力発電所と同じく発電所の門まで行けました。
人の気配は無くとても静かですが、
雰囲気はさっきよりも物々しいです。
今日、福島第一原子力発電所の名前が拝めた唯一の標識。
福島第二原子力発電所からの帰路に立っていたのですが、
第二原発行ったから第一も行っとくかぁ!
みたいなノリの人が居るってことなんですかね…?
富岡町の中心部に入りました。
4年前に来た時はここも帰還困難区域でした。
一昨年避難指示が解除されたばかりなので
まだまだ廃墟が目に付きます。
回転寿司の店名がアトム(原子)って
今となっては痛烈な皮肉だな…
そして、大字本岡新夜ノ森に入ったところで
唐突に帰還困難区域が始まり、
自動車以外はここで通行止めとなります。
ただ、予想に反して警備の目が一切無いので
その気になれば突破してしまえそうにも見えますが。
来年3月に常磐線は全線再開するらしいけど、
その時には歩行者や自転車にとっても
国道6号を走破できるようになるのだろうか…
今日のところはここで踵を返します。
現在、鉄道としての常磐線の終点になっている富岡駅。
4年前の竜田駅から1つ進みました。
駅舎内はこんな感じ。
何と言っても線量計が目を惹きますね。
さて、ここへ来て漸く時刻表を調べます。
帰りの列車の時刻をろくすっぽ調べず、
言うて常磐線だし毎時1本くらいあるでしょ
という甘い見積もりでいたのですが…
何と、よりによって19時台に列車が無い!
調べてみたら、次の20:09発の列車が
北松戸駅まで乗り継げる最終列車ではありませんか。
しかも、これで行けるのは各停だと松戸駅までで、
千代田線沿線や綾瀬~金町に住んでいたら
松戸駅から深夜のサイクリングを強いられるところでした。
住んでて良かった松戸市。
とは言え、1時前まで夕食抜きは辛過ぎるので、
19時閉店のスーパーマーケットにギリギリ滑り込んで
どうにか食料を買い込みました。
薄氷を踏みまくっているな…
ちなみに、4年前と違って代行バスの本数が増えているので
今からでも今日中に仙台まで辿り着けるようです。
最早東北大の友達に泊めてもらう方が楽かな…
20:09発JR常磐線普通いわき行きに乗車。
いわき駅で20:52発JR常磐線普通水戸行きに乗り換えます。
日立駅で22:08発JR常磐線普通我孫子行きに乗り換え。
我孫子行きの普通列車というのは
日にこれ1本限りというレアキャラです。
だからと言って嬉しくはありませんが。
我孫子駅で0:12発JR常磐線各停松戸行きに乗り換え。
吐瀉物が撒き散らされている…
常磐線は朝から深夜までやはり常磐線でした。
0:29、北松戸駅に到着。
これにて常磐を感じるサイクリングが終わりました。
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