(無題)

カムチャッカ旅行第5日目。
Камчатка(カムチャッカ)でトレッキングです。


6:02、起床。
何という良い天気。
閉鎖都市の名前の由来になったВилючинский
(ヴィリュチンスキー火山)も頂上まで見えます。
悪天候予報とは何だったのか。
これから崩れるのかも知れませんが。
8:20に車に乗り込んでいざ出発です。


本来登る予定だったАвачинский
(アヴァチンスキー火山)は雲に隠れています。
確かに、これは中止にするのも頷けるな…
某ワンゲル部なら確実に特攻するだろうけど。


西に行くほど天気が良くなってきました。
あれ?でも昨日行くって言っていた
Озеро Толмачёво(トルマチョーヴォ湖)は
西じゃなくて南にあるんじゃなかったっけ…


Сокоч(ソコチ)という集落でピロシキ休憩。
コーヒー休憩じゃなくてピロシキ休憩というのが
何ともрусскийですね。


鮮魚冷凍食品のジエツト輸送トラツクも停まっていました。
今も鮮魚を運んでいるのでしょうか。


遂に舗装路が終わってしまいました。
この先はКамчаткаらしく未舗装路です。
次のガソリンスタンドまで44km、病院までは50kmです。


悪路ではタイヤの空気圧が高過ぎると
却ってパンクしやすくなるので、
ここでタイヤの空気を抜いていました。


何やら悪路であることを注意する看板がありますね。
この道で制限90km/hなのか…
この看板を取ろうと車から30mほど離れたら、
「離れ過ぎだ!熊が来るぞ!」
と注意されました。
おそロシア。

途中、道路脇で立ち往生している車がいたので
運転手が駆け寄って助けていました。
悪路過ぎて壊れた…
のかと思いきや、ガソリンと間違えて
ディーゼル燃料を入れてしまったのだとか。
いや、都市部なら笑い話で済むけど、
こんな場所でやったら下手したら致命傷だぞ…


Апача(アパチャ)という集落で「最後のトイレ休憩」。
さっきの車が燃料を入れ間違えたのは
ここのガソリンスタンドでしょうか。


ちなみに、ここのトイレは意外にも滅茶綺麗でした。
建てて数ヶ月かというくらい。
これもプーチンプランの一環なのでしょうか。


ここから発電所の敷地に入るようで
検問所がありました。
最寄りの集落から滅茶苦茶離れているのですが、
係員の人はわざわざ通っているのでしょうか…


寂しいからなのか熊避けか、
シベリアンハスキー(の雑種?)がいました。
人懐っこいので不審者相手の番犬にはならなさそうです。


不意に運転手が車を停めたので何かと思ったら、
草むらにヒグマの親子がいました。
流石はКамчатка。
周りのロシア人達の視線も釘付けになっています。


ヒグマの親子を見た直後に
車外に出るのはちょっと怖いですが、
降りろと言われたら降りるしかありません。
(ロシア語での反論の仕方が分からないので。)
これはКамчаткаに2本しかないという
樹齢200年の木の一つだそうです。
…聞き間違えじゃなければ今確かに200年って言ったよね?
樹齢200年程度なら日本だとその辺の神社にも生えてない?
それくらい自然環境が過酷だということでしょうか。


また大型犬がお出迎えする検問所がありました。
後ろの建物にГЭС(гидроэлектростанция)と
書いてあるので、どうやら水力発電所のようです。


やっぱりとても人懐っこくて皆に大人気です。
ロシア人は犬好きですね。
まあ、猫だとヒグマには立ち向かえないからな…


パンを貰ってしたり顔の犬。
まだまだ先は長いです。


そこら中に火山がポコポコ顔を出す大地。
Камчаткаの背骨とも言える
Срединный Хребет(スレジンヌイ山脈)です。
火山性なので切り立った山脈ではありませんが。


この辺りの象徴的な存在らしいОпала(オパラ火山)は
雲に隠れて見えたり見えなかったりです。
Камчаткаにしては珍しく
最近あまり噴火していない火山だとか。


何て景色を見ていたら
またしてもヒグマの親子が現れました。
羆密度が高過ぎる。


でもって10分おきくらいにヒグマが現れる度に
律儀に停車して写真撮影に移ります。
ロシア人は犬だけでなくてクマ好きのイメージもありますね。


で、このヒグマの巣で森の中に突っ込むのか…
ガイドがあまりにも軽装過ぎる。
熊鈴すら持っていません。
木の枝で薮を払って大声を出しながら歩いています。
まあ、ロシアのヒグマに熊鈴が効くとも思えないけど。


見事なカルデラ湖がありました。
Чаша(チャシャ)という名前のようです。
何年前に噴火したとか解説していますが、
僕以外の参加者が全員ロシア人だからか
この辺りから解説が全部ロシア語になってしまいました。
ロシア語弱者の僕を見捨てないでくれ…


そんな哀れな日本人観光客の願いを余所に
大盛り上がりのロシア人達。
ロシア人ってこんなに陽気な人達だったっけ…?
Камчаткаには陽キャが集まるのでしょうか。


そんなこんなで辿り着きました。
Озеро Толмачёвоです。
摩周湖より一回り小さいくらいで
ロシア的感覚では池みたいなものかも知れませんが、
この深奥の地までやって来たという感慨は一入です。


車の屋根に登って記念撮影。
周りの陽キャロシア人達に焚き付けられて
僕も記念撮影しました。
30枚くらい撮られた。


こんな奥地の高原にあるのに砂浜って
何だか不思議な気分ですね…
恐らく火山灰由来でしょう。
ちょっとビーチリゾートのような雰囲気もあります。
ここで暫し自由時間なのですが、
あまりにも人里から離れ過ぎていて
時間を費やし過ぎると帰れなくなるので、
湖遊びも程々に帰ります。


帰りにАпачинские Термальные Источники、
即ちアパチンスキー温泉に寄りました。
火山天国のКамчатка、当然温泉もあります。
旧ソ連の温泉というとОзеро Иссык-Куль(イシク・クル湖)以来だ…
あそこは普通の一人用の浴槽でしたが、
ここは何と25mプールに温泉をなみなみと張っていました。
そして完全に失念していた、
こういうところは水着着用必須なんだ…
逞しいロシアンガイが貸してくれて事無きを得ましたが。


源泉はこんな感じ。
雨が降っているわけでもないのに
皆が皆フードを被っているのは、
藪蚊の猛攻が凄まじいからです。
熱帯よりも亜寒帯の夏の方が蚊は酷いですね…


舗装路まで戻って来たので
タイヤの空気圧を元に戻します。
こんな電動の空気入れがあるんだ…


この後は各人のホテルを回ってツアーが終了しました。
これほど野生のヒグマを見た日は初めてだ…

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