(無題)

ポーランド出張第4日目。


7:12、起床。
今日は昨日の経験を活かして朝食を買っておきました。
OYAKATA(親方)という名前のカップ焼きそばです。
スタバみたいな蓋になっていて
本場日本の物よりも湯切りしやすくなっています。
味は若干の甘酸っぱいです。
これがポーランド人の好みなのでしょうか。

自分の発表は昨日終わったので、
後はもう気楽に他の人の話を聞くだけ…
と言いたいところですが、
今日は非常に重要な任務があります。
インターンシップの面談を受けねばならないのです。
10時前から部屋に籠もってSkype。
初めてのSkype通話がインターンシップの面談になるとは。
内容は自己紹介とか志望動機とか、
典型的な質問が殆どでした。
学会の口頭発表と同じノリで原稿を用意せずに
その場任せで受け答えする面接ド素人です。
とてもではないですがスーツを入れるような
荷物の余裕は全く無かったので、
ただの長袖シャツで臨んだのですが、
インターンシップでも書類選考は通って
面談で落ちることはあるのでしょうか…

何はともあれ、面談も無事終了。
そして、今日は午後にも超重要任務があります。
自由時間です!
時間割にはTime for Chopin
(ショパンの時間)と書かれていたので、
希望者はChopinのコンサートにでも行くようですが、
Time for Paderewski(パデレフスキの時間)ならともかく、
ChopinはP会の演奏会で飽きるほど聴いているので、
午後は丸々Warszawa郊外観光に充てます。
午前の発表が終わったら市電に飛び乗って
Warszawa Centralna駅(ワルシャワ中央駅)へ。
今日も大行列の窓口に並んで切符を買います。
目指すはポーランドの秘境駅。
と言っても、ポーランドの秘境駅情報など無いので
地図で見てそれらしき駅に行ってみます。


時間が無いので昼食はマクドナルド。
最新のタッチパネル式です。
これでポーランド語弱者もコミュ障も安心。
ポテトは日本に比べて塩がかなり控えめでした。
ポーランドは全体的に減塩傾向な気がする。


14:00発KM93676列車Modlin(モドリン)行きに乗車。
Legionowo駅(レギオノヴォ駅)では
検札官が乗ってきました。
欧州の車内検察は初めて見たかも知れない。


Nowy Dwór Mazowiecki駅(ノヴィ・ドゥヴル・マゾヴィエツキ駅)で
14:54発KM15700列車Sierpc(スィエルプツ)行きに乗り換え。
1つ次のModlin駅(モドリン駅)の方が大きな駅だし、
駅のすぐ手前に信号場があって通過待ちをする所為で
1つ手前のLegionowo Przystanek駅
(レギオノヴォ・プルズィスタネク駅)の方が
待ち時間が10分くらい短いのに、
何故かPKPの公式乗換案内サイトでは
ここを乗換駅に指定されます。


ていうか短いなこの列車!
海外では(あのMolek(モレック)を除いて)
初めてお目に掛かる1両編成です。
Nowy Dwór Mazowiecki駅は幹線の駅なので、
長いホームを完全に持て余しています。
地元のポーランド人でさえ列車の停車位置が遠くて
焦ってホームを駆けていました。


そしてこの列車、ただ短いだけではなく気動車です。
PKPのサイトではレールバスであると案内されています。
中国山地を思い起こさせるエンジン音が堪りません。


ただ、車両は見るからに最新型で、
線型と線路幅が大分違うからか
日本のレールバスより遥かに大きいです。
自転車を積み込むスペースもあります。
フロントエンジン式になっているのか
車両後方に乗るとエンジン音も余り聞こえません。
連結器の軋むような音がちょくちょく聞こえてきて、
1両なのに何故連結器があるのだろう…?
と不思議に思っていたら警笛の音でした。


Nasielsk駅(ナスィエルスク駅)で幹線から分岐し、
単線のローカル線に入りました。
これこそが今回のお目当て、
Warszawaに最も近い非電化ローカル線
Nasielsk-Sierpc線(ナスィエルスク=スィエルプツ線)です!
(欧州では路線名をあまり案内しないので
正式な路線名が何なのかは謎。)


ここからは田舎駅が目白押しです。
まず現れたのはCieksyn駅(ツェクスィン駅)。
土を固めただけのホームに民家のような駅舎。
正に田舎駅のお手本のような佇まいです。
…いや、後ろにあるのは本当に民家でしょうか。


Wkra駅(ヴクラ駅)。
今度は駅舎(らしきもの)すら見当たりません。
地面に駅名標が刺してあるだけです。
駅前の道は未舗装です。
ここで降りたところで何処に向かうんだ…?


と訝しがっていたら降車客が居ました。
本当に何処へ向かうのだろう…


Dalanówek駅(ダラヌヴェク駅)。
Wkra駅との違いが良く分かりません。


Płońsk駅(プウォニスク駅)。
この路線の中心的な存在の駅です。
もしかしたら路線名もPłońsk線かも知れません。


今更気付きましたが、
列車の時計が19分も遅れていますね。
遅延したことを乗客に悟られないようにする為…?


Płońsk駅を出ると
より一層牧歌的な風景になってきました。
麦畑の広がる何とも欧風な風景です。


Arcelin駅(アルツェリン駅)。


Baboszewo駅(バボシェヴォ駅)。


16:10、Kaczorowo駅(カチョロヴォ駅)に到着。
ここがお目当ての駅です。


ただ地図上で秘境駅っぽさがあったというだけでなく、
この次のRaciąż駅(ラツィアンジュ駅)で
上下列車が交換するため、
程良い滞在時間を確保できる点も高ポイントです。


これがKaczorowo駅の時刻表。
えらく沢山あるように見えますが、
上りと下りの列車、平日と休日の列車、
更には週によって時刻の変わる列車がごっちゃに書いてあるので、
実際は6往復/日しか来ません。
というか、こんなに頻繁にダイヤが変わるのか…


裏から見たKaczorowo駅。
この建物はパッと見で駅舎かと思っていましたが、
それにしては旅客用の入口も何も見当たらないので
実はただの民家なのでしょうか…


やっぱり未舗装の駅前通りを歩きます。
結構大きめの野良犬が吠えていてちょっと怖いです。


ポーランドにもある第四種踏切。
いや、ポーランドの方が本場でしょうか。


一面の麦畑の中にポツンと建つ民家。
Wkra駅で降りたおじさんも
こういう家に住んでいるのでしょうか。


線路を挟んで反対側から見たKaczorowo駅。
実に牧歌的な風景ですね…


束の間ではありますが、
ポーランドの秘境駅の雰囲気を感じられて良かったです。
16:30発KM95862列車Nasielsk(ナスィエルスク)行きに乗車。


Nasielsk駅で17:34発Warszawa Gdańska
(ワルシャワ・グダニスカ)行きに乗り換え。
乗換時間が3分しかないからか
PKPの乗換案内では乗り継げない扱いになっていましたが、
地元のお爺さんが
「Warszawa行きなら向こうの地下道を通った先だ!」
と教えてくれたのでギリギリ乗り継げました。
聴き取れたのはロシア語と発音が全く同じ
“tam”(向こう)だけでしたが。
やってて良かったロシア語。


18:28、Warszawa Gdańska駅(ワルシャワ・グダニスカ駅)に到着。
晩餐会は19時開始。
急いで会場に向かわねばなりません。
駅のWiFiでバスを調べて飛び乗ります。


旧市街を抜けます。
そう言えば、旧市街をまだ見ていなかったな…
皆はコンサートの後に旧市街観光でもしたのでしょうか。


ギリギリ夕食の開始時刻に間に合いました。
日本人と中国人はそれぞれ固まる傾向にありましたが、
昨日質問してきたイタリア人が招き入れてくれたので、
院生の集う卓にお邪魔しました。
そのまま盛り上がって食後は皆で二次会へ…
とはならず、治安面の不安が皆無というわけではないので
皆で連れ立ってゲストハウスまで帰りました。

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