教授「出張以外で海外行くな」
事務「公費の出張で観光するな」
僕「つまり、自費で海外出張して観光すれば良いのでは?」
そこに気付かずにはいられない、
論理的思考力があるならば。
春にRESCEUに送られてきた国際学会の案内。
それに乗って、昨夏は阻まれてしまった
約束のあの地へ向かうことにしました。
5:30、起床。
昨日は荷造りが深夜まで掛かってしまったので
とにかく眠くて堪りませんが、
頑張って起きざるを得ません。
よりによって今朝に台風が来るという予報だったので、
交通機関に影響が出ないか不安でしたが、
普通にJR久留里線が止まるだけで済みました。
北松戸駅から7:04発JR常磐線各停成城学園前行きに乗り、
松戸駅で7:11発新京成電鉄各停京成津田沼行きに乗り換え、
京成津田沼駅で8:03発京成本線特急成田空港行きに乗り換え、
8:49、空港第2ビル駅に到着。
成田国際空港から10:45発JL421便に搭乗。
初めて日航の国際線に乗ります。
買ったのはコードシェア便としての航空券ですが。
何はともあれ、日系の航空会社なので
機内映画を観まくります。
千葉県民として「翔んで埼玉」にハマってしまった。
「ダサイタマ」の英訳は”Saitamaggots”だそうですよ。
(”maggot”=「蛆虫」)
岐阜メインとかで中部地方版も作って欲しい。
ただ、「赤城山の麓にある地下金庫」が、
明らかに先週行った大谷資料館だったのは草生える。
そこは群馬県じゃなくて栃木県なんだよなぁ…
(以降、モスクワ時間UTC+3.0h)
15:15、Домодедово国際空港(ドモジェドヴォ国際空港)に到着。
やって来ました、4度目のロシア連邦です!
しかし、今回はただの乗り継ぎです。
通しでのチェックインが出来なかったので、
一旦荷物を受け取って…
…は?時間が無いから荷物は受け取れない?
いや、ちゃんと1時間半の猶予があったし、
何より日航のカウンターでそう言われたんだぞ!
しかし、荷物無しで予定通りの便に乗るか、
新たに明日の航空券を買い直すか選べと
けんもほろろな対応。
そもそも今日は乗り継ぎだけのつもりで
有効なロシアビザが無いから
そもそも明日の便には変更できない…
不法滞在になって強制送還されでもしたら堪らないから
涙を呑んで今日乗り継ぐしかない…
と、泣く泣く出発ゲートに向かったら
何と今日の夜にもう1便あるではありませんか。
次の便は明日って言ってたのに!
それなら今夜の便に切り替えるぞ!
と交渉したのですが、
一度出発ゲートのエリアに入ってしまった以上、
ビザ無しでは航空券の変更すらできないとのこと。
もうロシアで国際線の乗り継ぎなんてしない。
不安な中、16:30発9U 172便に搭乗。
よりによってこんな時に限って
充電器一式とデジカメを受託手荷物の中に忘れていた…
まあ、学会で使うパソコンを死守できただけまだマシか…
ロストバゲージで心が荒んでいたのですが、
ふと窓の外を見ると数千kmも続いていた厚い雲が切れて
眼下には美しい畑が広がっているではありませんか。
(以降、東ヨーロッパ夏時間UTC+3.0h)
18:46、Chișinău国際空港(キシニョウ国際空港)に到着。
周囲を牧場と農園に囲まれた何とも長閑な空港です。
やって来ました、モルドヴァ共和国です!
ウクライナとルーマニアに挟まれて黒海に出られず、
ヨーロッパの最貧困として有名なお国。
日本でこの名を聞く機会があるとすればワインでしょうか。
また、十数年前に日本でも流行った
「恋のマイアヒ」こと”Dragostea Din Tei”や
最近流行ったEpic Sax Guyで有名な”Run Away”などは
ここモルドヴァ出身の音楽グループの曲だったりします。
民族的にはルーマニアとほぼ同じ。
機内食では周りのモルドヴァ人が
トマトジュースと赤ワインのセットばかり頼んでいて、
何故そんなに赤い飲み物が好きなんだろうと思ったけど、
ルーマニアには吸血鬼伝説があるし、もしかして…?
閑話休題、まずは空港の窓口に行って
ロストバゲージの手続きをせねばなりません。
知らないとか言われたらどうしようと
気が気ではありませんでしたが、
「青いバックパックのこと?」と言われたので、
一応情報は共有されているようでした。
PIR(Property Irregularity Report)を書いて
今日のところは撤収します。
迎えに来ていた宿の人の車に乗って市街へ。
まるで門のように屹立するアパート。
Gate to Chișinău(キシナウの門)と呼ばれているそうです。
このアパートを始めとして旧ソ連時代に建てられた住居は
国が維持管理を放棄したことからかなり荒廃しています。
モルドヴァはロシアよりも旧ソ連を色濃く残す国としても有名なのです。
しかし、目抜き通りのBulevardul Ștefan cel Mare
(シュテファン・チェル・マレ大通り)は実にお洒落。
塵一つ落ちておらず、治安の良さを感じさせます。
ここだけ見るととても欧州最貧国とは思えません。
市内交通はトロリーバスが軸になっています。
1乗車2MDL(約12円)の均一料金方式。
流石は旧ソ連、公共交通機関の運賃が安い!
Arcul de Triumf(凱旋門)。
何の戦いに対する凱旋なのでしょうか。
Catedrala Mitropolitană din Chișinău(キシナウ大聖堂)。
既に21時前になっていますが、
子供達が元気に遊んでいます。
今日の日没は21:04です。
まだまだ夕方くらいの心持ちなのでしょうか。
しかし、僕はもうお腹ペコペコです。
旧ソ連式のアパートの1階にある
お洒落な喫茶店に入ります。
店名にもなっているPlăcinte(プレチンテ)は
円盤餃子のような雰囲気で焼かれた薄いパイ。
お腹が空き過ぎて写真を撮るのも忘れてしまいましたが、
香ばしく焼かれたパイ生地に包まれた
飴色タマネギとチーズ風味のジャガイモが調和して美味しかったです。
こちらはBătute de pui(べトゥテ・デ・プイ)。
メニューの写真ではカツレツか何かに見えましたが、
チキンナゲットでした。
そして、付け合わせはチーズバケット
…に見せ掛けてジャガイモ。
ジャガイモ大好きですね。
20軒近い花屋が軒を連ねる通り。
旧ソ連はどうしてこう花屋が多いのだろう…
夕食を終えると22時になってしまっていましたが、
特に身の危険を感じることもなく徒歩で帰れました。
首都なのに鄙びているし、物価は安いし、
モルドヴァに対する第一印象はかなり良いですね。
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