(無題)

メラネシア旅行第7日目。
Port Vila(ポートビラ)を巡ります。


6:32、起床。
虹が出ていますね。


今日はローカルな朝食を食べるべく
バヌアツの台所であるMarket(マーケット)に行きます。
この美しさの湾が首都の中心部だと信じられるでしょうか。


バヌアツの台所、Market。
建物の外にまで野菜や果物が溢れ出ています。


中はこの活気。
広くない屋根の下では、陳列棚のみならず
通路にまで所狭しと商品が置かれています。
ここにはEfate(エファテ島)のみならず
周辺の島々からも売り出し、買い出しに来ており、
月曜の午後から土曜の昼過ぎまで
夜通しぶっ続けで売り買いしているそうです。


Marketの端にはフードコート的な場所があるので、
朝食はここで食べます。
バヌアツに来てからここまで客引きとは無縁でしたが、
ここは初めて客引きがありました。
と言っても、非常に緩いものですが。


魚、卵、鶏肉、牛肉からメインを選び、
ご飯、カレー、サラダ、蒸しバナナが付いて
500VT程度のセットメニューです。
中々食べ応えがあります。
サラダはちょっと怖くて食べられませんでしたが…


青果売り場の隣には土産物コーナーもあります。
やはり客引きは緩いです。
アジアやアフリカの血に飢えた獣のような客引きを
経験したことのある身からすると、
バヌアツのこの緩さは正に天国です。


Marketを後にしてPort Vila観光を続けます。
うーむ、Tanna(タンナ島)とは比にならない大都会。


Vanuatu National Convention Centre(バヌアツ国際会議場)。
中国の援助によって建設されたそうです。
ニューカレドニアでは殆ど見掛けなかった中国人ですが、
バヌアツにはかなり中国資本が入っており、
中国人と間違えられることも多いです。
この国は中国資本に染まって欲しくないなぁ…


台風、火山、津波という自然災害で共通点の多い日本も
主に災害復旧の面から支援をしており、
津波避難地図を作成したりしているようです。


続いてやって来たのはCultural Centre(文化センター)。
バヌアツ文化についての展示があります。


この仮面は悪石島のボゼを彷彿とさせますね。
実際、奄美や琉球の来訪神文化は
メラネシアとの関連性を指摘されることがあります。


バヌアツの文化で世界的に最も有名なものと言えば
やはりPentecost(ペンテコスト島)の収穫祭、
Land Diving(ランドダイビング)でしょう。
これは蔓を足首に縛り付けて
高く組んだ櫓の上から飛び降りるというもので、
バンジージャンプの元になった儀式です。
ただ、ゴム紐を使うバンジージャンプと違って
蔓は全くと言って良いほど伸縮性が無いので、
足に大怪我を負うことも少なくないそうです。
一生に一度の成人儀礼ならまだしも、
何故毎年の収穫祭でそんなことを…


そして、このセンターの最大の目玉は
2003年にユネスコの世界無形文化遺産に登録もされた
Sandroing(砂絵)の実演です。
嘗ては文字というものを一切持たず、
同じ島でも部族毎に言語が違ったバヌアツに於いて
互いに意思疎通を図る為に編み出されたSandroingは、
波風に曝されるとすぐに消えてしまうという儚さから
存続の危機にある文化でもあります。


実演が始まりました!
まず、砂に方眼を描いて…


その方眼に従って幾何学模様を
「一筆書きで」描いていきます。
この一筆書きというのがポイントなんだとか。


出来上がったのは魚の絵。
鱗を表しているような美しい模様が目を惹きます。
ただ、魚であることを伝えたいだけだったら
ここまで複雑な模様を描く必要はあったのかな?
無駄とも取れる複雑さこそ
人間の文化であることの証左かもしれませんが。


絵によって用いる方眼も異なっています。
この方眼から生まれるのは…


…何か特別な模様だと言っていましたが、
何であるかは聴き取れませんでした。


観光客でも頑張れば描けるかもしれない
簡単な砂絵も教えてくれました。
トカゲですね。


最後に見せてくれた最も複雑な模様。
Banyan(バニャン)の木を表しているそうです。
細部の模様にもちゃんと意味があるとか。


尺八のような民族楽器や…


竹で出来た鉄琴のような楽器の演奏で
実演は幕を閉じました。
いやー、面白かった。


お次は市内でタクシーを捕まえて
郊外にあるAelan Chocolate Factory
(アイラン・チョコレート工場)にやって来ました。
工場ながらリゾートホテルみたいな雰囲気です。
希望すれば工場見学をさせてもらえるとのことなので
タクシーに待ってもらって見学します。


ここにはバヌアツの各島からカカオ豆が集められ、
チョコレートに加工されています。


バナナの葉で発酵させ、
5日間乾燥させたカカオ豆。
苦味の中にカカオの風味が広がって
高級なコーヒーを思わせる味です。


このカカオ豆の皮を剥いて砕いたのがカカオニブ。
チョコチップみたいな食感です。


カカオニブを更に磨り潰して
砂糖と混ぜるとカカオパウダーになります。


テンパリングして固めれば
晴れてお馴染みのチョコレートの完成です。
町工場みたいな規模の工場ですね。


各島のカカオ豆で作ったチョコを試食させてくれました。
Espiritu Santo(エスピリトゥ・サント島)産は
最も赤道に近く日射しが強いことから
カカオ豆の苦味を強く感じます。
Malekula(マレクラ島)産は
ミルクチョコレートのようなマイルドさで、
Volcanic Chocolate(ボルカニック・チョコレート)として
日本のキットカット ショコラトリーでも使われています。
Epi(エピ島)産は更に「ボルカニック」で、
火山によって燻製のような香りが付いています。
Malo(マロ島)産はEspiritu Santoの目と鼻の先ながら
どちらかと言うとMalekula産に近い味わいで、
Malekula産と合わせてサロン・デュ・ショコラに出たとか。
それぞれ隣接していながら
風味が全く違っていて面白いです。


勿論、直販コーナーもあります。
日本では貴重な高級品で中々手に入らないバヌアツチョコ。
ついつい沢山買ってしまいました。
案内のおばちゃんの人柄の良さも一因でしょうか。


今夜は月に一度のカバパーティーの日だそうで、
原料となるカバの根が干されていました。
口噛み酒のように噛み砕いて
(但し、噛むのは処女ではなく童貞)
水を混ぜて飲む、酒と薬の中間のような飲み物で、
アルコール分は一切含まれていないにも関わらず
ダウナー系のドラッグに似た作用があるとか。
某インジェラではないですが、
見た目泥水、味はカビ、だとか。
飲んでみたいような、みたくないような…


ホテルに戻って飛行機の時間まで一休み。
こういうのんびりした昼下がりが
何とも贅沢な離島の時間ですね。


夕方になってBauerfield国際空港
(バウアフィールド国際空港)へ。
今日はえらく賑わっています。
今度は機材が大きいのでしょうか。
と言っても、この空港に来る最大の旅客機は
72人乗りのATR72ですが。


良く見たらチェックインカウンターの電光掲示板は
Excelで手打ちされていますね…
この本数なら専用のソフトを導入するより
遥かに安上がりで良いのでしょうが。


17:10発NF208便に搭乗。
Tannaからの飛行機が遅れた影響で
45分遅延するとの案内があり、
その後いつの間にか15分遅れの表示に変わり、
最終的に間を取って30分遅れになりました。


Efateを離れて向かうのは…


18:37、Pekoa国際空港(ペコア国際空港)に到着。
バヌアツで最も大きな島、
北部地域の中心Espiritu Santoです!
ついさっきここ産のチョコレートを食べましたね。


Tannaの時とは違い、島の中心都市である
Luganville(ルーガンビル)にホテルを取ったのですが、
それでもと言うか、やはりと言うか、
辺りは北海道の片田舎以上に真っ暗です。
これでこそバヌアツ。

コメント