(無題)

日本物理学会第74回年次大会第4日目。

6:00、起床。
さて、今日は相対論のセッションがありますが、
正直先週の研究会で聞いたような話ばかりなので
この機会に5ヶ月前台風に阻まれて行けなかった
福岡市のあの島へ行ってみよう…
と画策していたのですが、
何とこの好天にも関わらず欠航とのこと。
えぇ!?
九州内の他のあらゆる定期航路は通常運航しているのに…
一体どういう海況になれば運航するんだ…
(この5日間で就航したのは8便中僅か2便のみ。)
ここまでおあずけを喰らうと益々燃えますが、
とは言え今回はどうしようもないですね…


7:19発JR筑肥線普通西唐津行きに乗車。
こうなったら折角唐津に泊まったことですし、
この機会に今までまともに観光したことのなかった
佐賀県をちゃんと観光してみることにしました。


7:21、唐津駅に到着。
何故松ぼっくりで像を作っているのだろう…
つい5ヶ月前にも通った唐津ですが、
あの時は本当に素通りしただけだったので
今度はちょこっとだけ巡ります。


唐津湾に面した唐津城。
高台にあって眺めが良さそうですが、
お城は興味が湧かないので飛ばします。


唐津神社。
半田の山車祭などと共にユネスコの
世界無形文化遺産に登録された
唐津くんちで有名な神社です。


唐津観光は早々に切り上げて次に向かいます。
唐津バスセンター(大手口)から
8:35発昭和バス呼子線呼子行きに乗車。


東松浦半島の先端へと向かいます。


9:04、呼子バス停に到着。


佐賀県の観光地では外せないであろう呼子です。
朝の漁港というのは活気が感じられて良いですね。
本来、唐津線はこの呼子まで延ばす予定でした。
延ばしていてくれれば便利だったのに…


イカが回っています。
呼子と言えばイカが有名です。
僕はあまりイカが好きではないのですが…


日曜の朝ということで朝市をやっています。
この呼子朝市は日本三大朝市として
全国的に有名なんだそうです。
ということはこれで三大朝市制覇?
呼子は四番手だという主張もあるそうですが。
研究室へのお土産はここで買っておきます。


3月にも関わらず加唐島産の生ウニを売っていて、
しかも1個たったの300円だったので買ってみました。
その場で捌いてくれます。
当然のことながら開く前に中身は見えないので
量については運次第です。


旬じゃないのに甘くて美味しい!
やはり新鮮だと臭みやえぐみが無いですね。


さて、福岡市の離島行きは絶たれてしまいましたが、
離島欲が全く収まらないので
佐賀県の離島へ行ってみることにします。
呼子港からは4つの島への船便がありますが、
今回はその中でも松島に向かいます。
9:50発松島航路新栄に乗船。


松島を選んだ理由は、
4つの島の中で最も人口が少なく(64人)、
最も船の本数が少なく(3往復/日)、
最もネット上に情報が少なかったからです。
驚いたことに、天下のGoogleマップに
道路の1本さえ載っていないのです。
小学校は記載されているので人は居るようですが…


船がまた小さい!
定員は何と12人。
釣り客用の渡船みたいな大きさです。
子供達が多く乗っていてスクールバスよような雰囲気。


呼子大橋を潜って玄界灘へと出ます。


結構揺れるな…
今朝のフェリー欠航の理由が少し分かった…かも。


10:05、松島港に到着。


松島は2つの山が繋がったM字型をしており、
港や集落は接合部の窪みに集まっています。
港から集落へはかなりの急坂です。


松島の地図。
ちゃんと道はあります。
でも、観光スポット(?)は漁港と教会と
小学校しか書かれていないな…
沖島と違って本当にこれだけしか無さそうですね。


島唯一の自動販売機。
松島には商店が一切無いので、
これが松島で貨幣を用いる唯一の機会…


と思いきや、何と掲示板に
イタリアンフルコースランチの宣伝が。
9,800円!?
およそ離島とは思えぬ価格設定…
とても気になるし美味しそうですが、
完全予約制とのことで今回は無理です。
ここで宣伝しても、既に島に来てしまっているのだから
どう足掻いても食べられないのでは…
島民に向けた宣伝?
うーん、東松浦半島には気になる飲食店が多過ぎる!


さて、気を取り直して散策です。
港のすぐ側に何やら裏道らしきものを見付けたので
行ってみることにしました。


船用の標識。
こんな狭い範囲に4本も乱立させても
あまり意味は無いのでは…


海岸線は大きな岩だらけですが、
ザラザラしていてグリップが良いので
手を使わなくても十分歩けます。
と言うか、グリップが良過ぎて素手だと痛いです。


島の南端まで来られました。
島内からは見られないであろう
離れ小島や屹立する巨岩が拝めます。
その奥に見える有人島は馬渡島です。


しかしこの松島、港以外は全て断崖絶壁だな…
良くぞここに住もうと思ったものです。


港に戻り、今度は普通に舗装路を歩きます。
港の一角にあるのが事実上この島の唯一の観光スポット、
カトリック松島教会です。
平戸などと同じくこの松島にも隠れキリシタンが居ました。
日曜の午前中でミサでもやっているのか
中から何やら話し声が聞こえてきます。


民家が犇めく急斜面を上ります。
猫の額ほどの土地しかありません。


坂を上りきったところに郵便ポストがありました。
何故港ではなくこんな上の方に…
波で濡れないようにでしょうか?
ちなみに、この郵便ポストの裏にあるのが
例の完全予約制イタリアンレストランです。


松島簡易水道。
こんなに小さな水槽で全島の上水を賄っているのか…?
港の掲示板に節水を呼び掛ける告知がありましたが、
これならさもありなんですね。


唐津市立加唐小学校松島分校。
これで港の地図に載っていた施設は
早くも制覇してしまいました。


ん?
小学校の裏の防風フェンスに
1ヶ所だけ穴が開いているな…


おお、これは絶景!
島の北岸が望めます。
やはり断崖絶壁だらけですね。


北東には壱岐島も見えます。
松島よりもずっと平坦に見えますが、
最高点の標高は向こうの方が75m高いです。
面積は200倍以上違いますが。


フェンス越しに眺めるのも
飾られた絵画のようで素敵です。
草木がちゃんと刈り払われているし、
展望台としてきちんと整備されているのですが、
どういうわけだか地図にもネットにも
案内は一切ありません。
知られざる展望台を見付けた!という
喜びを味わってもらう為でしょうか。


道はまだ続いているので歩きます。
漁師民宿を名乗る家がありましたが、
まだ工事をしているように見えたので
開業しているのかは不明です。


峠へと向かう道から俯瞰した島唯一の集落。
本当に狭いですね…


峠を越えるとただでさえ少なかった民家は殆ど姿を消し、
畑だらけになりました。
農耕地帯ということでしょうか。


ニワトリも放し飼いされていました。
かなりの大きさで迫力があります。
動物のお医者さんという漫画で
気性の荒いニワトリにボコボコにされるという描写があったけど、
これは確かに勝てそうにないな…


玄海原発から10km圏内という場所柄からか
放射線測定器が設置されていました。
ただ、玄海原発に何かあったとして
一体何処に避難するのかな?
呼子は却って原発に近いし…
壱岐島とか?


貯水池まで辿り着きました。
ここが道の終点のようです。
地図で見ていた時から小さいとは思っていましたが、
歩いてみると改めてその小ささが良く分かります。


時間を持て余してしまったので、
小学校裏の展望台で暫しのんびり。
ここにもミツバチが飛んでいますね。


船の時刻が近付いてきたので、
港に戻って来ました。
これが集落の全景です。
これだけ小さな島なので車などもほぼ無いのですが…


港には数台の活魚輸送車がありました。
ナンバーが付け替えられているけど大丈夫なのかな…
島の道路は全て私道扱いなのでしょうか。


13:10発松島航路新栄に乗船。


ほんの3時間の滞在でしたが、
中々面白い島でした。


呼子に戻って来たら、間髪を容れず
13:42発昭和バス湊・呼子線大手口行きに乗り換え。


13:48、七ツ釜入口バス停に到着。


呼子のもう一つの観光スポット
七ツ釜の最寄りバス停なのですが、
最寄りの癖に2km以上も離れています。


しかし、2km如きで諦めるわけにはいきません。
坂道をひたすら歩いていきます。


やっと園地に辿り着きました。
何の変哲もない公園に見えますが…


海岸線はこの有様です。
これだけでも見事な柱状節理ですが…


七ツ釜の本体はこれ。
柱状節理が波によって侵食され、
7つの釜のような形に大穴が空いています。


遊覧船に乗るとあの釜の中に
突っ込むことも出来るようです。
中々チャレンジャーだな…


それにしても迫力ある地形ですね。
ただ、呼子という土地柄上、
ちょっとイカ刺しっぽく見えてくるような…
あまり見惚れている暇は無いので
バス停に戻って15:34発昭和バス湊・呼子線呼子行きに乗り、
15:40、呼子バス停に到着。


折角なので、イカ刺しも食べてみました。
普通のイカ刺しと違って透き通っています。
これは臭みも無いし、
ゴムのような食感も無くて食べられる!
…けど、アジとかの刺身のように
美味しい!という感じかと言えばそうでもありませんが…
ただ、この呼子で食べたからには
もう食べず嫌いではないと言える…はず。


終日がっつり佐賀県を観光するというのは、
何気に人生初だったような…
良いところでした。


呼子バス停から17:20発昭和バス湊・呼子線大手口行きに乗り、
唐津バスセンター(大手口)で
18:00発昭和バスからつ号博多行きに乗り換え。


実はちょっとだけ高速バスの方が安いんです。
唐津湾に沈む夕日を横目に博多へ戻ります。


19:22、博多バスターミナルに到着。
降車口目の前にロシア料理店が!
でも、ピロシキじゃなくてブリヌイ専門なんですね。
気になるけどここは我慢…


やはり、春の福岡の締めはこれでないと。
あまおうパフェです。
生クリームにも負けない豊潤な味わい。
九州良いなぁ…
九州大でポストを得たい。


福岡空港から21:00発ANA272便に搭乗。
羽田国際空港へと飛び、下宿に帰りました。
今回も実り多い物理学会であった。

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