利尻礼文旅行第2日目。
今日は最北の百名山、利尻山に登ります。
4:30、起床。
登山としては一般的な時間ですが、
眠いものは眠いです。
しかし、利尻山は山中泊が禁止されている事もあって
コースタイムは休憩抜きで8時間50分、
標高差は1,500m超えとかなりの長丁場。
しかも、面子には登山初心者も居るので
余裕をこいている時間など一切ありません。
5:00に出発。
宿の人に登山口まで送ってもらいます。
年間に島の人口の倍以上、
約1万人が利尻山登山をするとあって
利尻島の多くの宿では登山口への送迎を行っています。
5:10に北麓野営場に到着。
鴛泊コースの登山口です。
ここから出発します。
ものの10分で3合目の甘露泉水に到着。
日本全国にその名が知られる名水です。
そして、鴛泊コース最初で最後の水場でもあります。
この水場の少なさも利尻山の難しさです。
手が痺れるほど冷たい甘露泉水を汲みます。
これでスポーツドリンクの粉末を溶くと
普段よりも美味しい気がする…
北国らしい針葉樹林の中を歩きます。
昨日の夜から未明にかけて雨が降っていた所為で
濡れていて結構滑り易いです。
5合目を過ぎた辺りで背後に展望が開けました。
おお、虹が出ている。
元気付けられますね。
しかし、行く先はこの有様です。
まあ、宗谷海峡も程近い洋上の独立峰だからな…
8合目の長官山に到着。
晴れていれば眺望が素晴らしいそうですが、
今はガスっていて展望は皆無です。
しかし、時偶不意に雲が晴れる事もあります。
ハイマツの緑とダケカンバの赤が競い合っているようで綺麗です。
森林限界を超えてきました。
この礫地こそが利尻山の代名詞です。
9合目の簡易トイレブース。
環境保護の観点から山中泊のみならず
一般のトイレを設置する事及びキジ撃ち、
つまるところ野糞が禁止されています。
その為、簡易トイレを買って持ってくる必要があります。
裏を返すと、一度用を足したが最後、
登山口までそれを持って帰る必要がある訳で…
勿論、漏れたりしないように設計されているとはいえ、
行動食も入っているザックに入れるのは若干抵抗があります。
それもあってか今回は一度も用を足しませんでした。
「ここからが正念場!(Tough Trail!)」と書かれています。
いよいよ利尻山の真骨頂です。
登山道が大きく抉れています。
砂礫質の利尻山は侵食を受け易く、
更には年間1万人もの登山者が来るとあって
年々登山道の崩壊が進んでいる状態で、
この鴛泊コースもいつ閉鎖されるか
予断を許さない状況にあります。
だからこそ今登っておきたかったのです。
頂上へ近付くにつれ、勾配は益々厳しさを増してきます。
滑り易い礫地ではまともに登れないので
階段が整備されているのですが、
登山を嗜む方なら分かる通り
階段というのは歩幅を制限してくる曲者で、
後ろ2人はかなり体力を消耗しています。
というか、逆にSY先輩だけ登山経験が浅い割に強過ぎでは。
切り欠き?
わざわざこれだけ掘り下げたのかな?
後から調べてみたところ、
どうやら登山者によって登山道の部分だけが
3m以上も削れてしまったようです。
大規模な崩壊地も其処彼処にあります。
滑り落ちないよう気を付けながら進みます。
着いたー!
登山口から5時間19分、利尻山北峰(標高1,719m)登頂です!
スクリューが何個も奉納されています。
祠に書かれていた1,921mという標高は
正確には今居る北峰ではなく南峰の高さなのですが、
南峰への登山道は鬼脇コース諸共封鎖されています。
北峰で満足して昼食を食べます。
9月でも止まると結構寒いですね…
それでは下山します。
日没までには下山せねばなりません。
下りの方が景色が良く見えますね。
綺麗な成層火山なので登り返しとかは殆どありませんが、
その分膝への負担は大きいです。
SY先輩は相変わらず余裕の面持ちですが。
流石100kmマラソン完走者は違うな…
登り始めから11時間、
北麓野営場まで戻ってきました。
達成感に溢れています。
宿に電話を入れ、車で迎えに来てもらいました。
日没までまだ時間があるという事で、
僕はもう一つ見ておきたいものが
あります。
しかし、他の3人は1人を除いて疲労困憊していたので
1人で突撃する事にしました。
宿の自転車を借りて鴛泊港の方へ。
お目当てはこれです。
本来はペシ岬展望台という名前なのに、
矢印で潰されて「シ岬展望台」になっているな…
鴛泊港から見えていた小高いペシ岬に登ります。
思ったより勾配のキツい道だな…
ついさっきまで11時間登山していた脚には中々堪えます。
ペシ岬展望台(標高93m)に到着。
利尻山に登らない人でも
このくらいなら丁度良いのではないでしょうか。
そんなに楽々ではありませんが。
俯瞰した鴛泊港。
サイプリア宗谷(?)が停泊していますね。
鴛泊集落中心部。
何処と無くサハリンを思い起こさせます。
あのサハリンも目と鼻の先の距離だからな…
同行者3人は1人以外疲労困憊と言いましたが
SY先輩はまだ元気が有り余っているようで、
追い掛けてペシ岬までやって来ました。
見習いたいこの体力。
フェリーが出港していきました。
もう17:45か…
月が綺麗ですね。
この後は宿に戻り、美味しい海鮮を食べ、
登山成功を労いあって打ち上げをしました。
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