南八ヶ岳 第2日目

成中登山部第2回山行第2日目。

5:30、起床。
山小屋で出された朝食を食べ、
支度を済ませたら出発します。


夜は目が覚めてしまうほど
風雨が強まっていましたが、
取り敢えず霧雨程度にまでは持ち直しています。
しかし、今日はキレットだからな…
雨で濡れていると中々怖い。


濃霧の中こんな岩場を下っていきます。
下が見えなくて怖いような、
高度感が湧かなくて逆に安心なような。


そして、そんな霧の中から
じわりと滲むようにその姿を現しました、
このルートのシンボルであるゲンジー梯子です。
霧の中へと消えていくような61段の鉄梯子。
雨に濡れた細い鉄の棒は滑りやすく、
下側の固定されていない梯子は
足を下ろす度にグラグラと揺れます。
脚が竦むから下を見ない方が良いと言いますが、
下る以上下を見ない訳にはいきません。


HKは梯子がガタガタと音を立てるほど
脚を震わせていました。
まずいな…
ここで恐怖心を抱いてしまうと
この先のキレットの通過が困難になってしまう…


頭痛こそ治まったらしいものの、
HKはすっかり意欲を失ってしまいました。
剰え雨まで強まってくる有様。
隊の士気低下と天候の悪化…
しかし、何時間も歩いてキレットを目前にしたところでの撤退は…
とは言え、白砂山の事を思い返せばHKの気持ちも痛いほど良く分かる…


この状態でキレットを通過するのは危険極まりないという事と、
著しくペースが落ちていて
このままでは終バスまでに下山出来るか怪しいという事もあり、
涙を呑んで撤退する事にしました。


しかし、撤退するからと言って
道が劇的に楽になる訳ではありません。
鎖を使っての懸垂下降など、
中々の難易度の道が続きます。


どうにか樹林帯まで下ってきました。
これで少しは風や雷を凌げる…


と思ったのに、またガレた稜線に。
ガスった状況でのこういう広い稜線は
遭難の大定番だからな…
登山道を外れないよう慎重に進みます。


「ここが一番きつい」…
という事はあとはもう緩やかな道か!


大嘘じゃないか!
笹藪地帯に入ると急に傾斜がきつくなった上に、
何かあったのかつい最近廃止されたばかりらしい
傍目には良く整備された登山道を、
まだ笹藪を踏み倒したばかりで
倒木の処理さえされていない登山道で迂回させられます。
しかし、ここさえ乗り切れば…


下界だー!
天女山登山口に生還しました!
ここからもう少し歩いて
八ヶ岳倶楽部バス停から
13:44発清里ピクニックバス大泉周遊ルート4便に乗車し、
パノラマの湯・大泉駅入口バス停で下車。
甲斐大泉温泉パノラマの湯で
2日間の山行の疲れを癒しました。
これがあるから、辛くても登山は止められないんだよな…


それでは帰ります。
甲斐大泉駅から15:57発JR小海線普通小淵沢行きに乗車。
えらく混んでいるな…


小淵沢駅で半田へ帰る2人と別れて
16:17発JR中央本線ホリデー快速ビューやまなし号新宿行きに乗り換え。
寝ていれば新宿まで運んでくれる有能列車。
新宿からは山手線と常磐線を乗り継いで
北松戸へと帰りました。

登山は自然相手のスポーツ。
こういう事もあります。
人生は長い…いつか再挑戦してやる!
でも、まずはHKとKYの心理的アフターケアをしないとな…

コメント