RESCEUサマースクール第4日目。
8:00、起床。
昨日は実に有意義な自由討論を繰り広げてしまったから眠い…
頑張って起きてセミナーと発表を聞きます。
対応するエネルギーのγ線が観測されていない
高エネルギーニュートリノの話や、
TH先輩の素晴らしい発表を聞いたら、
午前中でサマースクールは終了。
4日間に渡る研究会は幕を閉じました。
実に濃い4日間だった。
このブログの閲覧数がやけに増えているのは
まさかサマースクールで存在が広まったからではあるまいな…
さて、サマースクールが終わったという事は
残念ながら千葉県へ戻らねばなりません。
不真面目な先輩は
「どうせ君はここから稚内とか行くんだろ?」
とか言うので、真面目な僕は新幹線で帰る旨を伝えると、
アウトローな後輩が
「って事は途中下車するって事ですよね?」
と突っ掛かってきました。
善良な一国民たる僕を一体何だと思っているのか。
うーん、サマースクールで変なイメージが付いてしまった。
でもまあ、ちょっとくらいは寄り道しますけどね。
湯の川電停から12:16発函館市電2系統谷地頭行きに乗車。
冷房も扇風機も無い木の床の車両です。
函館駅前を過ぎ、函館山に向かって走ります。
13:00、谷地頭電停に到着。
これで函館市電は全て乗り潰しました。
でも、空がこんなにも青いから。
乗り潰しだけで終わるなんて勿体無い。
函館市街地の果て、立待岬を目指します。
墓地の中を通らせるのか…
夜は歩きたくないですね。
振り返ると津軽海峡に臨む函館市街が。
何という眺めの良い墓地。
石川啄木のお墓もありました。
僕もこんなところに葬って欲しい。
そんなこんなで立待岬に到着。
絶景!
汐首岬や大間崎もはっきりと見えます。
昨日こんな天気だったらなぁ…
でも、恵山は見えていないから
案外今日も雲中だったりするのかな。
こちらは函館山側。
函館山の裏側はこんなにも荒々しいんです。
実に充実したサマースクールであった…
…そろそろ帰らねば。
谷地頭電停から13:51発函館市電2系統湯の川行きに乗車。
途中、珍しい教習車とすれ違いました。
市電の教習ってこんな風にやっているんですね。
函館駅で14:14発JR函館本線快速はこだてライナー
新函館北斗行きに乗り換え。
北海道新幹線へのアクセス列車です。
14:33、新函館北斗駅に到着。
嘗ての渡島大野駅が駅名も変わり、
こんなにも立派になりました。
14:44発JR北海道新幹線はやぶさ30号東京行きに乗車。
E5系なので東北新幹線と全く同じですが。
函館山を遠くに見ながら走ります。
何故3日前は向こうからこちらが見えなかったのかな…
函館付近は開けているので
新規開業の新幹線にも関わらず長い地上区間ですが、
北斗市の外れ辺りからトンネルばかりになります。
木古内駅。
ここもこんなに立派になってしまって…
しかし、最早江差への鉄路は無く、
本州へ続く在来線も消えてしまい、
個人的には切なさを覚えます。
この景色は見覚えがあるぞ…
そう、あの時は北海道上陸の時…
という事は…
青函トンネルだ!
新函館北斗駅出発直後の車内放送で
青函トンネル進入予定時刻を教えてくれます。
…新幹線の速度では青函トンネル進入の瞬間を
写真に収める事は出来ませんでした。
新幹線を以てしても25分を要して青函トンネルを通過。
本州に戻って来ました。
15:34、奥津軽いまべつ駅に到着。
嘗ての津軽今別駅です。
在来線時代の利用者数は何と日に1人。
新幹線駅となった今も僅かに60人/日で
全国の新幹線駅の中で最も利用者数の少ない駅になっています。
日に7往復しか停まらないという停車本数も全国最少で、
降りていたのは鉄オタらしき人ばかりでした。
僕もこの奥津軽いまべつ駅をきちんと見たいが為に
このはやぶさ30号に乗ってきましたが。
…というか、普通に降ります。
まあ、後輩の読みは正しかったという事ですね。
中々勘の鋭い奴だ。
まだ15時半だというのに、
もう4時間後の列車が電光掲示板に表示されています。
一体どういう事でしょうか。
簡単ですね、15:35発の列車の次が19:27発という事です。
停車する列車は上下たったの7往復。
臨時駅であるガーラ湯沢駅を除けば
勿論全国の新幹線駅の中で最少です。
なお、次点はついさっき通った木古内駅の8往復です。
およそ新幹線駅とは思えぬ簡素な改札。
しかし、青森県全土で僅か4駅しか設置されていない
ICカード対応の改札機だったりします。
青函トンネルの入口となる駅とあって
コンコースには青函トンネル30周年を記念する展示が。
在来線の旅客列車が青函トンネルを行き来した時代は
30年足らずで終わってしまったのか…
しかし、今でも貨物列車は健在で、
青函トンネルを含む約82kmの区間は
軌間の違う在来線用貨物列車も走れるよう
1,067mmと1,435mmの幅のレールを合わせた三線軌条になっています。
ただ、流石に新幹線駅を貨物列車が通過するのはまずいのか
駅の部分だけ避けているのでちょっと見えにくいですが。
更にその三線軌条の隣には
アスクルと書かれた道の駅いまべつがあり、
道の駅なのに脇には鉄のレールが敷かれています。
実はこれ、全国的にも珍しい道の駅が併設された鉄道駅なのです。
鉄道駅の方がショボ過ぎておまけと化していますが。
鉄道駅がこれ。
JR津軽線の津軽二股駅です。
日本一ショボい新幹線連絡駅でしょう。
この近さながら乗換駅には指定されておらず、
ここで新幹線と在来線を乗り継ぐような
通しの乗車券を購入する事は出来ません。
こちらは奥津軽いまべつ駅の外観。
津軽二股駅を見た後だと超立派に見えますが、
新幹線駅としてはやはりショボいです。
さて、ここから北海道新幹線開通によって生まれた
ちょっと珍しい交通機関に乗り換えてみます。
15:50発弘南バス中里駅前行きに乗り換え。
事実上、奥津軽いまべつ駅唯一の「連絡バス」です。
乗客は当然の如く僕一人だけ。
融雪剤で茶色く変色した急坂を走ります。
トンネルで津軽半島の背骨を越えます。
ブレブレですが「車イス通行多し」の標識。
標識にするほど多いのか…
実際、1人見掛けました。
シジミで有名な十三湖が車窓から見えないかと
目を凝らしていたのですが、残念ながら無理でした。
代わりに岩木山は見えましたが。
16:45、津軽中里駅に到着。
津軽半島の私鉄、津軽鉄道の終着駅です。
扉に貼られた注意書きでも津軽アピールをしています。
文字に起こされるとまだ理解できますが、
話し言葉の津軽弁は中々に理解不能です。
駅前はこんな感じ。
「袴腰岳登山道 登山不可」って
それは一体何の為の道なんですかね…?
何だか賑やかな駅舎内ですね。
お土産の鉄道グッズなんかも売られています。
掲げられた地図にはか細い点線で
遠慮がちに連絡バスも描かれています。
ホームには日本最北の私鉄をアピールする看板が。
ただ、このキャッチコピーはあまり流行っていない気がします。
駅構内にある本州最北の転車台。
クラウドファンディングによって修理されたそうです。
17:05発津軽鉄道普通津軽五所川原行きに乗車。
風鈴の吊らされた走れメロス号です。
津軽のシンボル岩木山を望みながら
田んぼの中を走ります。
暫くするとこんもりした雑木林に入ってきました。
17:35、毘沙門駅に到着。
珍しい私鉄の秘境駅です。
鉄道林に囲まれた薄暗い駅です。
その鉄道林の木材を使ったのか、
利用者の少なさにも関わらず木造の駅舎はとても立派。
僕の他にお婆さんが一人降りていたので
貴重な地元利用者かと思ったら、
単に寝過ごしただけだそうです。
「あんたも寝過ごしたのか?
一緒に送っていってやろうか?」
というようなことを(恐らく)津軽弁で言われましたが、
僕はこの駅を目的に来ているので丁重にお断りしました。
駅前の細い道を西へ歩いてみます。
沿道には溜池と田んぼと雑木林しかありません。
30分歩いて漸く集落に到着。
掘っ立て小屋のような簡易過ぎる毘沙門簡易郵便局。
民家はそこそこあります。
ここが国道339号から毘沙門駅に向かう入口なのですが、
一切案内標識がありません。
毘沙門駅に向かう物好きなんて居ないだろう
ということなのでしょうか。
毘沙門駅の近くまで戻って津軽中里行きの列車を撮り鉄。
本当なら岩木山を背景に入れたいところでしたが、
鉄道林に阻まれて無理でした。
国道とは逆の東側にある青森県道36号。
こちらの入口には毘沙門駅の存在を示す標識がある…
と思ったら、駅の隣にあるグループホームの看板でした。
何故駅の存在を隠しているんだろうか…
忘れているだけ?
津軽半島に日が沈む…
18:52発津軽鉄道普通津軽五所川原行きに乗車。
今日の毘沙門駅上り最終列車です。
津軽鉄道全線でこんなに最終列車が早いわけではなく、
これ以降の列車は全て毘沙門駅を通過してしまうのです。
まあ、全線で見たところで
全線運転が2本と区間運転1本しか残っていませんが。
薄明の岩木山を見ながら列車はひた走ります。
19:04、津軽五所川原駅に到着。
昭和を感じさせる無骨な駅舎です。
今日はこの五所川原に泊まります。
空いている飲食店を探して
駅前のレトロな喫茶店で夕食。
僕のサマースクールはもう少し続きます。
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