RESCEUサマースクール第3日目。
今日も午前中はセミナーや発表です。
木星や海王星を現実的な時間で形成させるには
単なる微惑星同士の衝突だけじゃなくて
重力による集塵効果を考えないといけないって、
そりゃそうだろうし、
寧ろ今まで考えていなかったのだろうか。
それはそれとして、午後は「自由討論」の時間です。
「自由討論」というのは、
函館の好きな地に赴いて好きな議題について論じる時間で、
まあ実質的に遠足です。
意外にも賛同者が5人も集まったので、
皆で登山をする事にしました。
と言っても、勿論函館山なんて丘ではありません。
湯川温泉電停前バス停からバスに乗車。
函館空港に向かい、そこから国道278号で函館市東部に向かいます。
いやー、実に良い天気だ!
荒れに荒れる冬のイメージとは正反対の
抜けるように青い津軽海峡です。
泳ぎたい。
しかし、これから向かう方向に目を遣ると
何やら不吉な暗雲が立ち籠めているではありませんか。
雨天登山は止めて欲しいなぁ…
国道278号には並走するように
戸井線という未成線跡も走っています。
戦時中に津軽海峡の防衛を目的として
軍が主導して建設を進めていましたが、
戦況の悪化による物資不足で工事が中断され、
青函連絡鉄道としても不適と判断されて
日の目を見ることなく歴史の闇に葬り去られました。
トンネルを抜けると…
霧中じゃないか!
風も非常に強いです。
津軽海峡らしいと言えばらしいかもしれないけど…
昼食抜きも覚悟していましたが、
掘っ建て小屋みたいなラーメン屋がありました。
最果て感ありますね。
磯ラーメンなんかを食べました。
これは写真撮影を邪魔してくる先輩と後輩の図。
TH先輩が後輩に悪影響を与えている…
函館市の東の果て、
亀田半島の先端に位置する恵山の登山口に着きました。
今回の「自由討論」では、この恵山で地殻変動について議論します。
恵山は600年前にも大きな火山活動のあったランクBの活火山。
北国という事もあって植生はまだあまり発達していません。
虫食いのような穴の開いた凝灰岩が
そこら中にゴロゴロ散らばっています。
スポンジを使ったミニチュアに入り込んだかのようです。
何かへの理解を促す看板。
しかし、文字が掠れていて何も理解できません。
多分、恵山の火山活動に対する注意喚起でしょう。
早くも森林限界を突破しました。
勿論、幾ら北海道とはいえこれは寒さによるものではなく、
火山ガスが噴出している事に起因しています。
この辺りになるとかなり硫黄臭が鼻を突きます。
尾根の向こう側からブシューというガスの噴出する音が。
TH先輩が国土地理院の地図で確認したところ、
やはり噴気孔の記号が描かれていました。
どんな風に噴出しているのか見てみたいな…
ザレた砂利道を登っていきます。
濃霧で行く手が見えず、
また活火山で植生も無いとあって鳥の鳴き声なども聞こえないので
まるでここだけ世界から切り離されてしまったかのような
幻想的な雰囲気が漂っています。
MOTHER2の最低国みたいな。
…と言うとマイナスイメージになるか。
硫黄が析出しています。
登山客の絶対数が少ないからか
特に柵などは設けられておらず、
硫黄に触りたい放題です。
節度を持って触りましょう。
手が滅茶臭くなります。
再びゴツゴツしてきました。
内輪山に差し掛かっているのでしょうか。
それと同時に再び現れた植物。
先輩が何かを見付けました。
何の果実だろう…
クロスグリみたいな…
先輩は美味しそうに食べていました。
謎の果実を食べる勇気は僕には無いな…
そうこうしている内に頂上が近付いてきました。
着きました!
恵山山頂(標高618m)です!
天気が良ければ函館や下北・津軽半島は元より、
日高山脈まで見える事があるという場所ですが…
この霧よ。
ニンテンドー64時代のゲームみたいになってますね。
山頂付近はなだらかになっていて
登山道が少し分かり難いので、
この濃霧だと気を抜いたら道を逸しかねません。
日没までそんなに時間が有り余ってはいないので
早めに下山する事にします。
帰路に見付けた、水蒸気の噴出口。
温かい蒸気が漏れ出しています。
こういうのを見るとやはり活火山だな…
行きに気になっていた大きな音のする噴出口も気になって
地滑りした斜面をKJ(オリエンテーリング部)と
アプローチしてみたのですが、
濃霧の為に結局音しか聞こえませんでした。
函館市街に戻ります。
本当は函館市のどん詰まり、
椴法華に行って温泉で汗を流したかったのですが、
残念ながらそこまでの時間はありませんでした。
また次の機会に…
下界も霧が濃くなっているし、
心成しか波も強まっているような…?
滅茶手振れしてしまいましたが、
「北海道-本州最短の地」という看板がありました。
距離的には亀田半島-下北半島の方が
松前半島-津軽半島より短いのですが、
水深が深いという事もあって
青函トンネルは現在の位置に掘られました。
市街地に近付いて漸く雲が晴れてきました。
山頂で晴れて欲しかったなぁ…
夕食は回転寿司。
北海道の回転寿司はクオリティが高い!
後輩2人と美味しいお寿司を楽しみました。
良き自由議論であった。
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