(無題)

話は昨日から始まります。
いつもより少し早めに帰った僕は
早めに夕食を食べ、早めに風呂に入り、
再びJR常磐線に飛び乗って
素面のサラリーマンが家路を急ぐ水曜22時の東京駅へ。


東京駅八重洲口高速バスターミナル。
全国各地へ向かう高速バスが発着しています。
ここでTH先輩と合流。
函館で開かれるサマースクールの会場を目指します。


22:30発JRバス東北ラフォーレ1号に乗車。
買ったのは最後の2席だった筈だし、
電光掲示板でも「空席△」となっていたのに、
半分も席が埋まっていないじゃないか…
席をゆったりと使って寝ます。
向かうのは…


8:05、青森駅に到着。
数年振りの夜行バスでしたが意外と寝られました。
涼しいですね…


お腹が空いたのでまずは朝食。
青森県庁の地下にある市場でラーメン。
さっぱりした味で朝からでも食べられます。
女将さんから元気も貰いました。


青森駅の先に続く埠頭。
青函連絡船八甲田丸は既にその役目を終えましたが、
実は今もなおここに発着する船はあります。


9:40発シィライン ポーラスター2便に乗船。
函館へ行くならやはり船でしょう。


鯛島。
聞かなくても形を見れば名前の由来が分かります。


この船は途中何港も寄港しながら北上します。
ここは最初の寄港地脇野沢港。
下北半島の南西端に位置する集落で、
野生のサルの世界最北の生息地として有名です。
ラフォーレ号で一緒だった母娘が降りていました。
ここから上京していたのか…


人を寄せ付けぬ空気を漂わせている下北半島。
霧が濃いな…
空は晴れているようなのに海から霧が発生しています。


船内放送では素晴らしい眺望だと言っていますが…
霧が濃過ぎて何も見えません。
夏の根室は良く霧が出ると言うけど…
下北半島もそうなのでしょうか。


霧が晴れると海岸には奇岩が立ち並んでいました。


第二の寄港地、牛滝港に到着。
ここは公共交通機関が何とこのフェリーしかないという
比喩ではなく本当に陸の孤島です。


そんな陸の孤島でありながら、
乗客の半分ほどが下船していました。
ここから景勝地仏ヶ浦へ遊覧船が出ており、
青森市街地から日帰りで仏ヶ浦を観光出来る為、
ある程度の観光需要があるのでしょう。


次の福浦港は何と視界不慮の為に抜港されていました。
飛行機ならともかく、船なのに視界不良で欠航とかするのか…
確かに、岩礁とかが見えないと危ないけど。


目的地の港は霧も晴れていて大丈夫そうですね。


12:05、佐井港に到着。


佐井村の中心部です。
佐井村と聞いてどれだけの人がピンと来るか分かりませんが。


何はともあれお腹が空いたので昼食にします。
夏の下北半島と言えばやはりウニ!
えぐみが一切無くて本当に美味しいです。
お値段もかなりしますが。


昼食を終えたら少し散策してみます。
とはいえ、集落にはこれと言った見所はそんなにありませんが。


下北半島を模した標識。
須藤研の発表を良く聞いている所為で
Kozaiと聞くと古在機構を思い出してしまう。


バス停の看板も下北半島を模しています。
可愛らしいバス停ですね。
こんな秘境駅が欲しい。


では、この佐井にやって来た本目的へ。
14:00発仏ヶ浦遊覧船に乗船。


朝の濃霧は何処へやら。
すっきりと晴れた津軽湾を飛ばします。


何処もかしこも人を寄せ付けない圧倒的な岩壁です。
日本離れした絶景ですね。


次第に岩の色は白く、凝灰岩になってきました。
侵食されやすい凝灰岩は奇抜な形に抉られています。


まるで超巨大な蓮の花のような岩も現れ、
日本離れどころか現世離れした景色になってきました。
昔の人がこの光景を目の当たりにしたら何と思うか。
これこそが下北半島の秘境、仏ヶ浦です。


遊覧船と銘打っていますが、
沖から眺めるだけでなく上陸もさせてくれます。


白い凝灰岩が光を反射しているのか、
海の色がエメラルドグリーンで実に美しいです。


それにしても、どの岩も実に見事な造形です。
まるで自然が意図を持って彫ったかのようです。


この大彫刻の中を遊歩道が貫いています。


どう見ても鷹にしか見えない形の岩。
これは絶対「鷹岩」だろう
と思ったのですが、岩竜岩という名前だそうです。
あの世に鷹はいないからでしょうか…


更に奥へと進みます。


白い凝灰岩は日の光を良く反射するので
目が段々眩んできて夢現の状態になってきます。
恐山と言い、下北半島は現世かどうか怪しい場所が多いですね。


なお、現世要素として仏ヶ浦には
公衆トイレが整備されているのでご安心ください。
凝灰岩に色を似せていますね。


それでは、そろそろ現世に戻ります。
遊覧船に乗って佐井港へ。


佐井バス停から15:43発下北交通佐井線下北駅前行きに乗車。


佐井より北の海岸は比較的なだらかで
人が住むのを許してくれそうな気配があります。


本州最北の大間町に入りました。


16:18、大間崎バス停に到着。


三度やって来ました、本州最北端の地大間崎です。
今日は台風も近付いていないし、
夏真っ盛りだし、そんなに波風は強くない…


…わけがありませんね。
TH先輩は荒れる津軽海峡に圧倒されていました。


宿は大間町の中心に近いので
大間崎からは少し距離がありますが、
のんびりと海岸沿いを歩いていくことにします。


愛知県の自家用車くらいのノリで漁船があります。
一家に一台以上あるんじゃなかろうか。
しかし、この大きさだとマグロ漁は無理ですね。
ウニでも採るのかな?


宿に着いたら早めの夕食。
魚介と肉のタンパク質オンパレードです。
離島感がありますね。
勿論マグロも出ました。


時間が早いので夕食後に港へ行って夕陽を見ました。
遥か無効には函館があるんだな…


朝食を買う為にスーパーマーケットに寄ったら
大量のねぶたリンゴジュースが置かれていました。
流石は青森県。
何個か買って利き酒ならぬ利きリンゴジュースをしたりしました。
金は高いだけあってやはり美味しいけど、
個人的には青も結構好きかも。


提灯の灯る通り。
夏祭りでも始まりそうな雰囲気ですが、全く人気がありません。
こうなるとちょっと不気味。
まさかここも現世ではないのでは…?


薄明の漁港。
波の音しか聞こえません。


この後は明日からのサマースクールに備えて
宿に戻って早めに寝ました。

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