(無題)

位相幾何学の勉強をしていると思ってしまう事。
「コンパクトカー」って言うけど、
果たしてこの世にコンパクトでない車は存在するのだろうか。
永遠に壊れなければ4次元多様体としては非コンパクト?
…物理学科と数学科以外の人間が居る場面では
口走らない方が良いですね。

そんな訳で今日も東工大でブラックホールの集中講義。
ブラックホールを数学的に扱う為の下準備がとにかく大変で、
膨大な量の定義と定理と命題と補題が押し寄せてきます。
噛み砕くと確かに物理学でのブラックホールの描像と一致していて、
物理学の何と直感的で良い加減な事か、
数学の何と厳密で七面倒な事か驚かされます。
しかし、数学者がそれだけ厳密性にこだわるのには訳があって、
「光さえ逃げられない物体」とか直感的に定義してしまうと
高次元のブラックホールなんかを考えようとする時に
ドツボに嵌ってしまうので、
ガッチガチに定義で固めているのです。
高次元のブラックホールなんか考えてどうするの
とかいうのは、初対面の女性に
年齢と体重を訊くレベルの禁句です。
今日の授業の中盤には特異点定理という
この授業の肝の一つである定理が出てきたのですが、
数学的過ぎてあまり良く分かりませんでした。
直感的には
「まあ普通の状況を考えたら特異点出来ちゃうよね」
みたいな感じっぽいのですが。
…数学者の人々とは分かり合えなさそうだな。

脚注
※「コンパクト」
   数学での直感的な意味は「大きさが有限」。
   という事は、「コンパクト」でない車は無限に大きい事になる。

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