今日から待ちに待ったゴールデンウィーク。
DC1の申請書があるから何処も行けないよねぇ?
みたいな圧力を周りから掛けられているような気が
しないでもないですが、
そんなものは連休に入る前に済ませれば良いのであって
東京、いや関東に留まるなどという愚行は犯しません。
という事で、両親と旅行に出掛ける事にしました。
北松戸駅6:07発JR常磐線各停代々木上原行きに乗車。
西日暮里駅で6:36発JR京浜東北線各停大船行きに乗り換え。
上野駅で7:02発JR東北新幹線はやぶさ47号に乗車。
とにかく眠いので寝ます。
向かうのは…
9:41、八戸駅に到着。
2年半振りにやってきました、青森県です!
4度目にして初の三八。
東京に比べて肌寒く感じるな…
10:07発JR八戸線普通久慈行きに乗り換え。
一見すると複線のようですが、
実は左の線路はJR八戸線ではなく
八戸臨海鉄道なので単線×2です。
長苗代駅の前で八戸臨海鉄道は左に曲がって消えます。
馬淵川を渡る際に線路はもう一度二手に分かれます。
今度はJRの貨物支線です。
八戸は青森県随一の工業都市。
何本も貨物線が通っています。
八戸線の上をダクトのようなものが跨ぎます。
どうやらベルトコンベアのようです。
石灰岩でも運んでいるのかな?
10:28、鮫駅に到着。
臨海部に八戸鉱山の巨大な工場が見えます。
ベルトコンベアはあそこまで続いていたんですね。
一体何処から来ているのだろう…
駅前にはしっかりサメの像が飾られていました。
但し、「鮫」という駅名の由来は魚のサメではなく
「沢」が訛ったものだそうですが。
訛り過ぎでは。
鮫駅から歩きます。
寂れた港町といった感じです。
しかし、どういう訳か台湾人観光客が居たりします。
何処で知ったのでしょうか。
目的地の神社が見えてきました。
ここからも声が聞こえるな…
蕪島神社に到着。
物凄い数のウミネコだ!
この蕪島神社はウミネコの繁殖地で、
春先から夏にかけて実に4万羽ものウミネコが飛来するのです。
ウミネコは魚の集まる漁場を知らせてくれるので
弁天様の使いとして昔から大切にされており、
それで市街地の目の前なのに
こんなにも大量のウミネコが集まるようになったとの事。
あまりにも数が多いので糞が落ちてこないか心配です。
実際、辺り一面の地面は糞で白くなっています。
歩道からほんの30cmほどのところに
巣を掘って卵を温めるウミネコ。
こんなにも人に近いところに営巣するのは
日本でもここだけだとか。
マルティージョ島のペンギンを思い出すな…
そして、ここはみちのく潮風トレイルという、
遥か福島県南相馬市から海沿いに続く
全長600kmにも及ぶトレイルの終点でもあります。
折角なのでもう少し海岸沿いに歩いてみます。
この細い獣道が正規ルートなのか…
ぼーっと歩いていたら見逃してしまいますね。
その名の通り潮風が心地よいトレイルです。
オホーツク海気団から吹き込む
やませと呼ばれる冷涼な北東風の所為なのか、
木々は少なく下草ばかりです。
今度は漁師小屋の建ち並ぶ場所に迷い込んでしまいました。
ちょっとグリーンランド感があるような。
しかし、これも正規ルートです。
丁度作業をしていたおじさんに道を尋ねたのですが、
あまりにも訛りが強くて良く聞き取れませんでした。
標準語に近付けようという努力は
ひしひしと伝わってきたのですが…
この辺りで唯一の飲食店が見えてきました。
八戸と言ったらやはり海の幸!
三陸海岸のウニ漁の解禁は来月からだそうですが、
サバやいちご煮など美味しかったです。
実は時間的に結構カツカツなので急いでバス停に向かいます。
もう4月も終わろうというのに桜が咲き誇っていますね。
小舟渡バス停から12:22発種差海岸遊覧バスうみねこ号に乗車。
運賃は一律100円という安さです。
八戸の美しい海岸沿いを走ります。
トレイルも見えますね。
こんな道を歩いたらさぞかし気持ち良いだろうな…
大須賀海岸。
リアス式に次ぐリアス式の東北太平洋岸に於いて
極めて貴重な砂浜です。
そしてこちらがバスの名前にもなっている種差海岸。
辺り一面芝生に覆われていますが、
これは人工的に植えたものではなく全て天然の芝。
日本の大半の地域ではすぐ雑草だらけになってしまう芝地ですが、
ここはやませの影響で雑草が生え難く、
綺麗な芝生が保たれているのです。
12:45、種差海岸駅に到着。
ここで列車に乗り換えます。
線路を渡った先に何やら階段がありました。
東日本大震災を契機として東北太平洋岸の全ての駅には
高台への避難路が整備されたという事だそうですが、
踏切でもない場所で思い切り線路を跨ぐのは
安全面からして大丈夫なのでしょうか…
津浪が来るような大地震なら列車は止まるから良いのかな?
12:55発JR八戸線リゾートうみねこ久慈行きに乗車。
JR東日本管内に散りばめられた
観光列車リゾートシリーズの一つです。
リゾートしらかみなどとは違い、
観光列車にしては珍しく指定席券も特急券も要らない
自由席車両が連結されています。
平日の普通列車を置き換えているからなんですけどね。
一応ゴールデンウィークなので
指定席を取った方が良かったかと迷いましたが、
実際には自由席でも普通に座れました。
やませを防ぐ為なのか、
防風林が至る所に見られます。
その所為で海はあまり見えません。
とは言っても流石に全く見えない訳ではなく、
宿戸駅を過ぎると車窓に海が広がるようになります。
これだけ海が近い事が災いして
東日本大震災の際には大きな被害を被り、
復旧には実に1年以上を要しました。
小さな沢の傍には地元の人が復旧祝いに置いた
ドラム缶のメッセージがあったりします。
結構小さく見えますが。
昆布を干している場所もありました。
日高本線を思い出します。
この辺りでは車が踏切で停車する際、
停止線よりも10m以上手前で停まっているのですが、
これは地域の習慣なのでしょうか。
地震が起きた時に転回して逃げられるようにする為?
線路は次第に海岸沿いを離れて高台へと上がります。
地図上では常に海が望めそうに見えますが、
実際には八戸線で海の見える区間は
そう多くありません。
これはカンチレバー工法!
雷電廿六木橋で学びました。
実物を見るのは初めてです。
バイパスでも造っているのかな?
陸中夏井駅。
終点まであと1駅というところなのですが、
ここで降りた爺さんが車掌に何やら噛み付いていて
3人掛かりで宥めていたので5分以上遅れました。
これが遅延原因の「お客様対応」か…
14:14、久慈駅に到着。
久慈駅でちょっとお土産でも覗いてみようかと思ったけど、
あの爺さんの所為で時間が無くなってしまった…
構内にはターキッシュエアラインズ塗装の気動車が。
紀伊なら分かるけど、何故三陸…?
ターキッシュエアラインズまた乗りたいですね。
さて、久慈に着いたばかりですがすぐに折り返します。
14:20発JR八戸線TOHOKU EMOTION八戸行きに乗り換え。
左の白い気動車がそれです。
TOHOKU EMOTIONはJR東日本の観光列車の一つで、
乗る事自体、というよりも
「食べる事」を目的とした列車になっています。
言わば移動するレストランです。
今回の旅行先(の一部)を八戸に決めたのも、
この列車の切符が取れたからというところが大きいです。
八戸発の往路と久慈発の復路があり、
往路ではランチが、復路ではスイーツが提供されます。
今回乗っているのは復路なのでスイーツです。
また、ライブキッチンスペース車両では
スイーツのみならず軽食も頂く事が出来ます。
甘味を食べ過ぎて塩味が欲しくなった時にピッタリです。
流れ行く車窓を見ながらついつい食べ過ぎてしまいました。
普通の特急列車や新幹線も
1編成くらいこんな食堂車を連結してくれたらなぁ…
種差海岸は残念ながら八戸線からは良く見えませんでした。
この辺りは往路での未乗区間。
中々眺めが良いです。
八戸市街地が近付いてきました。
15:47、本八戸駅に到着。
八戸駅は「新八戸駅」とでも言うべき立地なので、
八戸市の真の中心駅はこの本八戸駅です。
その割には閑散としているけど。
さて、まだ日が落ちるまでには少し時間があるけどどうしようかな…
昼のトレッキングの際には
時間が無くて巡れなかった種差海岸周辺が心残りなので、
レンタカーを借りて行ってみる事にしました。
鮫角灯台。
ちょくちょく一般開放しているらしいのですが、
16時終了だったので入れませんでした。
海側に何やらコンクリートの大きな棒が立っています。
何かの標識なのでしょうか。
そして、ここは良く見ると
JR八戸線の線路が通っている事がわかります。
ここで撮り鉄してみたいなぁ…
でも、次に列車が来るのは…
15分後!?
これはもう待つしかない。
灯台前の斜面を駆けずり回って撮影ポイントを探ります。
ここが程良くカーブもしている上に順光だし、撮影適地かな…
でも、葦毛崎のゴツゴツした感じが伝わりにくい気も…
結局灯台まで戻って撮りました。
けど、戻ってみるとやっぱりさっきの場所の方が良かった気も…
まあ、この旅行の目的は撮り鉄ではありませんからね。
今度は海岸の方にも行ってみます。
葦毛崎展望台。
要塞の見張り台のような造りですが、
実際ここは戦時中に軍事施設として使用されていました。
荒々しい海岸ですね。
これなら戦闘機が来ても隠れられそうです。
案内板にロサンゼルスとかハワイとか書いてあるけど、
これは敵の戦闘機がそちらからやって来るからなのだろうか…?
単にこちらの方角で一番近い陸地が
この2つだという理由かも知れませんが。
どれだけ晴れていようが可視光では物理的に絶対見えません。
また、ここは種差海岸遊歩道の起点にもなっていて、
ここから種差海岸まで遊歩道を歩いて行く事が出来ます。
みちのく潮風トレイルの一部にも組み込まれています。
こういう海を向いたベンチが凄く好きです。
下宿の近くにあったら毎夕行っちゃいそう。
このベンチは東向きなので、
見られるのはどちらかと言うと日の出ですが。
日が沈まない内に種差海岸も行っておきます。
夕暮れだと起伏が手に取るように分かります。
何やら排水路のような溝があるけど、
これも自然に出来た地形なんだろうか?
ちょっと高台から俯瞰した種差海岸。
岩だらけのゴツゴツした海岸から
いきなり滑らかな芝生に変わっていますね。
長い年月を経ると、今辛うじて残っている岩も
全て芝生に飲み込まれるのでしょうか。
泳いでこそいないけど、海を満喫した一日だった。
夕食は八戸のみろく横丁へ。
何十軒もの屋台が立ち並び、
そのどれもが大勢の人で賑わっています。
時期の違いもあるかも知れませんが、
八戸市の方が青森市より遥かに活気がありますね。
結局、みろく横丁のお店は何処も混んでいたので、
通りの居酒屋に入りました。
ビン玉が電球になっていたり、ここもまた渋い!
八戸の美味しい海鮮を食べられて満足です。
宿に戻ってさあ寝るかと思った時…
あれ?
しまった!カメラを店に忘れてきた!
気付いた時には既に閉店時刻を過ぎており、
剰え明日は日曜で定休日とあって血の気が引きましたが、
すぐに電話したら店を開けて渡してくださいました。
助かった…
上野と違って八戸が良い街で本当に良かった。
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