中米旅行第12日目。
Habana(ハバナ)で迎える誕生日。
7:10、起床。
眠い…
キューバはタイムゾーンの設定を間違えている気がする…
しかし、実はキューバがメインとか言いつつ
メキシコやベリーズに比べて時間があまり無いので、
頑張って起きて出掛けます。
…待てよ。
キューバが社会主義国で旧ソ連諸国と似ているとすると、
トイレットペーパーを持っていった方が良いのでは?
急に閃いたので持っていく事にしました。
これが2018年の風景だと信じられるでしょうか。
流石は1950年代のまま時が止まったと言われるキューバです。
絵になるなぁ…
ただ、ボロい建物に汚れた通りと
何処からか漂う小便の臭いは、
旧ソ連諸国に共通する特徴だとは言え
どうしても治安の悪さを連想してしまう…
というか、本当に治安は悪くないんだろうか。
一応、小学生が出歩くくらいには治安が良いようですが。
グアテマラとかだと、入国管理局に
行方不明になった子供達の写真が
ずらっと並んでいたりするので、
少なくともその点ではキューバの方が上です。
Parque Central(中央公園)。
キューバ革命党の創立者、
José Martí(ホセ・マルティ)の像が立っています。
まだ未明ですが、ベンチで寛いでいる人が何人も居ます。
何時から何をしているのだろう…
あと、もう一つ治安が悪く見える要素として野良犬が多いです。
ロシアと違って小・中型犬が殆どですが。
Capitolio Nacional(旧・国会議事堂)。
適当に撮るだけでフレームインした車が
全てクラシックカーになるという。
車好きには堪らない国です。
僕は鉄オタなので車嫌いと勘違いされ易いのですが、
東京モーターショーへ行くくらいには車好きです。
しかし、やっぱり鉄道の方が好きなので駅にも行きます。
自転車タクシーが行き交い、
朝から元気な人々の声が聞こえてくる通りは、
そこはかとないアジア感があります。
これまでの中米諸国とも、
旧ソ連諸国とも違う独特の雰囲気です。
鉄道駅に到着。
目の前のParque de los Agrimensores(測量公園)には
4両の蒸気機関車が静置されています。
駅舎は現在改修工事中で、
中に立ち入る事は出来ません。
ホームはまだ工事に入っていないので
列車は普通に発着しているようですが。
ホームには列車が1編成停まっていました。
これまた使い込んでいそうな…
ソ連製かな?
中国製か。
っていうか、2008年製なのか!
JR北海道の大半の列車よりずっと新しいじゃないか。
街行くクラシックカーはピカピカなのに
列車はえらく手入れが適当なんですね。
キューバでの鉄道の立ち位置が垣間見えます。
実際、キューバ国鉄は旅客列車の運行こそしているものの、
遅延に次ぐ遅延が常態化しており、
とても普通の移動手段としては使えません。
乗りたいのは山々ですが、
例によって余裕のある行程ではないので諦めます。
手書きの最高速度表示。
本当に120km/hも出せるのだろうか。
機関車の性能というよりも、保線状態的な意味で。
一々旧市街に戻るのも面倒だし、
ついでにこのまま新市街の方へ行ってしまうか。
乗合タクシー5号線に乗車。
経路と運賃が決まっている相乗りタクシーです。
値段がCUCではなくCUP表記なので人民向けのようですが、
外国人旅行者の僕等がCUC払いで乗っても大丈夫でした。
やって来たのはPlaza de la Revolución(革命広場)。
キューバ革命の英雄、José Martí
(ホセ・マルティ)の像が
社会主義の星の塔の下に誇らしげに立っています。
広場の向かいにはCamilo Cienfuegos
(カミーロ・シエンフエゴス)が掛けられた通信省の建物が。
“Vas bien Fidel”(良いだろフィデル)と書かれています。
そして、キューバの英雄と言えば
この人を忘れてはいけない、
Che Guevara(チェ・ゲバラ)も
内務省の建物にしっかり掛けられています。
“Hasta la victoria siempre”(常に勝利に向かって)という
Guevaraの名言も添えられています。
1950年代で時が止まったかのようなキューバですが、
ドローンの飛行はちゃっかり禁止していました。
新市街はPlaza de la Revolución以外特に見所が無いので
タクシーで旧市街に戻ります。
形骸化している踏切。
ボロボロの線路の上には高架鉄道が。
意外と鉄道にも投資しているんですね。
高架なのに枕木に木材を使っていますが。
Plaza de San Francisco(サンフランシスコ広場)。
多くの観光客で賑わっています。
キューバ国旗を掲げたダックスフンドを担いだ
ピエロ姿のおじさんも居ました。
地球の歩き方にも載っていたので
名物おじさんなのかも知れません。
正面切って撮ると面倒な事になるので背後から撮影。
Plaza Vieja(ビエハ広場)。
子供達が障害物競走をしています。
子供会的なものでしょうか。
Plaza Viejaの角にある喫茶店で一服。
他の中米諸国と同じく、
実はキューバもコーヒー生産国なので
国産のコーヒーを頂きます。
これは美味しい!
しかも安い!(CUC1~)
ついつい2杯も飲んでしまいました。
うっ、コーヒーを飲み過ぎたからかお腹が…
すかさず喫茶店のトイレに駆け込んだのですが、
トイレが有料←分かる
トイレットペーパーが無い←まあ分かる
便座が無い←は?
水洗なのに水が流れない←おお、もう…
旧東側諸国のトイレ事情の悪さは一体何なのか。
トイレットペーパーの事を思い出した
朝の自分に最大限の称賛を与えたい。
あと、キューバはネット環境も酷いです。
グアテマラは大抵のレストランにフリーWi-Fiがあったし、
あのエチオピアすら安ホテルにもWi-Fiがあったのに、
ここキューバは高級ホテルでさえWi-Fiがありません。
国営通信公社ETECSAのプリペイドカードを買って
指定のWi-Fiスポットへ赴くしか
インターネット接続を得る手が無いのです。
しかも、ETECSAの窓口にはいつも長蛇の列。
面倒なのでキューバ滞在中はネットを封印します。
まあ、1950年代にはネットなんて無かった訳だし。
古きを懐かしがるのは世の常だけど、
何だかんだ世の中は良い方向に進歩しているんだな…
気を取り直して観光再開。
巨大鶏に跨ってフォークを担ぐスキンヘッドの女体像。
何を表しているんだろうか…
キューバとどういう関係があるのか良く分かりませんが、
Frédéric Chopin(フレデリック・ショパン)の銅像があったので
P会民として記念撮影しておきました。
人民ペソを手に入れておくと
極めて安価で飲食が出来ると聞いたので、
Plaza de San Franciscoの傍にある
CADECA(国営両替所)で兌換ペソを両替。
紙幣や硬貨の額面は変わらないのに
価値が25倍も違うものだから、
たったCUC20を両替しただけで
財布がはち切れんばかりのお札が来ます。
パンパンになった財布を引っ提げて港を歩きます。
ここでまた便意を催して
近くのホテルのトイレを借りましたが、
こちらは無料なのに便座もトイレットペーパーもあって
快適そのものでした。
MSC Armonia(MSCアルモニア)という豪華客船が停泊していました。
アメリカと国交正常化したことで
こういったクルーズ船も寄港するようになったのでしょうか。
これは欧州の船ですが。
トイレもさぞかし綺麗なんだろうなぁ…
しかし、僕等はそんな豪華客船には乗れません。
僕等は一般人民なのです。
HabanaはCanal de Entrada(エントラーダ運河)によって
市域が2つに分断されている為、
湾を渡る公営渡船が運航されています。
Luz港(ルース港)からUEB定期船に乗船。
何と床が木造です。
一体何年前の代物なのでしょうか。
喫水線も床面ギリギリで浸水しないかヒヤヒヤします。
Bahía de la Habana(ハバナ湾)はベタ凪なので
基本的にはそんな心配は要りませんが。
Casa Blanca港(カサブランカ港)に到着。
Luz港に比べると大分ローカルな雰囲気です。
このCasa Blanca(カサブランカ)に来た目的はこれです。
見た目では分かりにくいかもしれませんが、
これ、駅です。
キューバで唯一の電車、Hershey Railroad(ハーシー鉄道)です!
Hersheyはチョコレートで有名なあのハーシーで、
キューバで生産したサトウキビを運搬する目的で
このCasa Blancaから東へ約90kmの
Matanzas(マタンサス)まで引いた鉄道。
革命後にキューバに接収され、
街を走る自動車に負けず劣らずオンボロ
歴史的価値のある車両が走っています。
ここはHershey Railroadの起点駅の筈なのですが…
一体何処で切符を買うのだろう。
車内で乗車券を買うのかな?
ちゃんと列車の時刻表は掲示されているし、
それによればそろそろ昼の列車の時刻の筈だけど…
“No Hay Tren Hasta Nuevo Aviso”
(次のお知らせがあるまで列車は来ません)
ええ!?
運休中!?
そんな情報は何処にも無かったぞ…
辺りを歩き回ってみましたが、
線路は土に埋もれており、
運休してから1日や2日ではない雰囲気を感じさせます。
もしかして廃止されてしまったのだろうか…
この辺りを歩いていたら変な爺さんに絡まれました。
仕方ないのでHershey Railroadは諦め、
要塞の方へ行くことにします。
ボロボロのCasa Blancaと豪華客船。
社会主義時代のキューバには無かった(とされる)
貧富の格差がHabanaにも押し寄せています。
ただ、キューバの社会主義はそこそこ上手く行っていたようで
Casa Blanca地区もそこまで治安が悪いわけではありません。
El Cristo de La Habana(ハバナのキリスト像)。
Corcovado(コルコバードの丘)と同じく
市内を見下ろす位置に建てられています。
Centro Cultural Casa del Che(第一ゲバラ邸宅)。
キューバに来たからにはChe Guevaraは見ておかないと
とやって来たのですが…
額面が同じで外国人観光客はCUC払い!?
つまり、外国人は入館料25倍ということです。
言うて日本円換算したら700円弱だから、
そんな物凄いぼったくりだというわけではないけど…
とは言え、25倍もふんだくられるというのは
あまり気分の良いものではありません。
というわけで、ここは外から眺めるだけに留めました。
撃墜した米軍の戦闘機の残骸などが
誇らしげに展示されています。
お次はCastillo de los Tres Reyes Magos del Morro(モロ要塞)。
ハバナ旧市街とその要塞群として
世界文化遺産にも登録されている要塞です。
スペインがBahía de la Habanaの入口に建設し、
防衛上極めて重要な役割を果たした要塞。
「カリブ海最強の砦」と称されたこの要塞は、
3度に渡る海賊の襲撃からHabanaを守っています。
最終的にはイギリスに落とされてしまいましたが。
砲台ではカップルがいちゃついていました。
ラテン系のカップルはこれだから(偏見)
今では要塞としての役割は失っており、
灯台としてBahía de la Habanaの安全を守っています。
内部は博物館になっており、
Castillo de los Tres Reyes Magos del Morroの歴史を学べます。
歴史関連は知らない英単語が多過ぎて読めない…
帰りはタクシーを使います。
キューバらしいクラシックカータクシーです。
オープンカーだと追加料金を取られるらしいので
普通のノッチバックに乗ります。
いやぁ、良いですねぇ。
日本だと絶対に車検に通らないであろう
正に生きた化石です。
シートがふかふかで案外乗り心地は良いです。
Habanaの中心地に戻ってきました。
まるでクラシックカーの見本市。
壮観です。
キューバ人民が寛ぐ公園。
首都なのに長閑な雰囲気です。
さて、キューバと言ったらあれも外せないでしょう。
そう、葉巻です。
昔からキューバ産の葉巻は一級品として名を馳せてきました。
僕もISも煙草は吸わないのですが、
記念にとCohíba(コイーバ)という
最上級の葉巻を1本だけISとシェアして喫んでみました。
僕は咽てしまって駄目でしたが、
ISは気に入って追加購入していました。
一服したら街歩き再開。
昼でも治安が悪そうに見える街だ…
Calle Obispo(オビスポ通り)。
Habanaの歩行者天国です。
学校帰りの高校生のような人達も居て、
日本でいうところの表参道みたいな雰囲気でしょうか。
ちなみに、この通りで最も長い行列が出来ているお店は
ETECSAの窓口です。
キューバ革命関連の書籍を扱う古本屋。
記念に1冊買おうかと思いましたが、
帰りに税関で見付かって別室送りにされたら嫌なので止めました。
お店の前でままごとをする子供達。
一国の首都の一番の繁華街でこれは強い。
治安の良さの裏返しでしょうか。
Habanaは首都ながら何処となくのんびりとしていて
良い意味で田舎っぽさを感じますね。
他の中米諸国の首都だと
子供だけで通りを歩いたら誘拐されるなんてところが
ザラにありますからね…
突き当たりの広場にあった蒸気機関車。
広場に蒸気機関車を飾るのは世界共通なんだろうか。
岸壁では釣りに興じる人達が。
やっぱり雰囲気が田舎だなぁ…
ISは猫写真の撮影に夢中でした。
旧・東側諸国ならそこは犬にすべきでは。
Museo del Chocolate(チョコレート博物館)
なる施設を見付けたので入ってみることに。
Hersheyが進出していたことからも分かる通り、
キューバはカカオ豆が栽培可能なカカオベルトに
ギリギリではあるものの含まれており、
今も東部のBaracoa(バラコア)を中心に
少量ながら生産されています。
昼食抜きで歩き回ってお腹ペコペコなので
博物館併設の喫茶店で一服します。
メニューには様々なタイプのチョコレートが。
しかし、これも旧・東側諸国にありがちですが、
メニューは豊富でもその殆どは在庫が無いので
実際にはほぼ選択肢がありません。
最初に頼んだチョコレートセットは無いと言われ、
出てきたのはこのセットでした。
ドリンクに若干溶け残りを感じるような…
チョコレートセットを食べ損ねて
お腹をあまり満たせなかったので、
早々に夕食を食べることに。
治安が良い(市民談)とはいえ、
夜にあまり出歩きたくないというのもあります。
しかし、これは日中でも抵抗感があるな…
何故こんな煉瓦が散乱した状態で
放置されているのだろう…
地図によればこの建物にレストランがあるようだけど…
これ、革命組織の潜伏先とかじゃないよな…
日本ならすぐさま踵を返すところです。
これは本当に荒廃しているわけじゃなくて、
こういうコーディネートなんだと信じたい。
この建物の2階にあったのが
また何とも雑然としたレストラン。
レストランというか、団地の部屋みたいな感じです。
メニューは全て焼いた海鮮+サラダとピラフの定食。
キューバはロブスターが名物らしいので注文。
身がしっかりしていて美味しい!
一緒に頼んだモヒートが本場仕様なのが結構強くて
食べきる頃には出来上がってしまいました。
パッと見は不安なHabanaだったけど、
素朴で擦れていなくて良い街かもな…
ただ、この夜道の暗さとwifi環境の悪さ、
そして何よりトイレ事情は改善してもらいたいですね。
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