中米旅行第6日目。
中米の醍醐味、陸路で国境を越えます。
5:20、起床。
人々が朝食を食べる時間は遅いくせに、
どうしてこう交通機関だけは滅茶苦茶朝早いんだ…
朝シャンを浴びて支度を済ませたら出発です。
6時5分前に迎えに来たミニバスに乗り込みます。
立派な車ですね。
この時点では僕等2人だけでしたが、
市内のホテルを回って客を拾い、
最終的には助手席も含めて満席になりました。
欧米人の団体観光客が乗り込んできたので、
ガイドさんが英語で解説してくれるかも?
と期待したのですが、
スペイン語が更に意味不明な言語に
翻訳されているではありませんか。
響きはドイツ語に似てるけど、
単語が何一つ理解出来ない…
良く聞くとロシア語っぽさもあるような…?
と話していたら、チェコ語だと教えてくれました。
朝のジャングルをひた走ります。
お腹空いたなぁ…
眠気に任せて寝ます。
小さな集落が現れる度に
路面に減速用の凹凸が設けられているので、
舗装路なのに寝難い事この上ありません。
1時間半ほどで朝食会場に到着。
朝ご飯だ!
意気揚々と入ろうとしたら、
“Su Tour no incluye desayuno”
「えっ… no entiendo en español. En inglés, por favor.
(スペイン語分かんないです。英語でお願いします。)」
“Ah… usted tiene que pagar cien pesos.”
いや、スペイン語分かんないって言ってるじゃん!
スペイン語が分からないという確証を得た後も
頑なにスペイン語で話し続けてくる
メキシコ人のメンタルは一体。
(結局、朝食はツアー代に含まれていないので
追加でM$100払えという話だった。)
朝食を終えたら再び国境目指して走ります。
うねうねした道で起伏の激しいジャングルを抜けます。
路面に落ちた枝は基本的に放置されているので、
枝がある度に大きくカーブして避けています。
朝食を摂った食堂から更に1時間半ほど走って
国境の村、Frontera Corozal
(フロンテラ・コロサル)に到着。
ここでまずは村の通過料M$30を払い、
出国管理局で出国印を…
え?出国税が要る?
1人頭M$500!?
そんな情報あったっけ…?
しかし、領収書もちゃんと切ってくるし、
賄賂を要求しているような素振りではないので、
どうやら本当に必要なようです。
まあ、こういう予想外の出来事が生じるのが
陸路国境越えの真髄ではありますが。
ただ、正確に言うと「陸路」ではなく
「水路」国境越えです。
国境はRío Usumacinta(ウスマシンタ川)に引かれており、
メキシコを出るにはこの川を渡らねばなりません。
という訳で、渡し舟に乗り込みます。
ここまで一緒に来ていた同行者達は
メキシコ国内に留まって川上りし、
Yaxchilan Ruinas(ヤスチラン遺跡)に向かうようなので
ここで僕等2人だけが分かれて国境を越えます。
思ったより国境越えって人気無いんだな…
熱帯雨林を木舟で進む…
Kanchanaburi(カンチャナブリ)を思い出します。
ただ、あの時は何処へ行くでもなく
ただ川を下っただけでしたが、
今回は国境越えという明確な目的があるので
面白さは段違いです。
やはり、乗り物は移動手段として使ってこそですね。
(以降、グアテマラシティ時間UTC-6.0h)
ものの数分で対岸の村、Bethel(ベテル)に到着。
中米2ヶ国目、グアテマラ共和国です!
掲げられたグアテマラ国旗とメキシコ国旗。
どちらも日本では世紀末扱いされる事が多いですが、
その実情は果たして…
岸に着いてすぐ入国審査があると思っていたのですが、
辺りを見回してもそれらしき建物がありません。
案内のお兄さんについていくと
バスの待合所のような場所に通され、
「ここで30分くらい待っていればバスが来る。
入国管理局はバスで街へ向かう途中にあるよ。」
と教えてくれました。
…多分。
当然の如くスペイン語オンリーなので、
聞き取れたのは
treinta minutos(30分)、
inmigración(入国管理局)、
medio(中間)の3つだけでしたが。
“FELIZ AÑO NUEVO”(明けましておめでとう)
ロシアもかなり長い事新年仕様だったけど、
グアテマラでは一体何ヶ月祝うつもりなんだろうか。
40分ほど待ってシャトルバスがやって来ました。
メキシコ側に比べるとかなりボロいです。
ただ、ベンツ車から世界のトヨタ車に変わったのは
愛知県民として喜んでおくべきでしょうか。
同じバスには他に3人の欧米人観光客が乗り込みました。
完全舗装されていたメキシコとは違い、
完全未舗装な道を進みます。
凄まじい悪路という前評判でしたが、
ケニアやエチオピアに比べたら遥かにマシです。
比較対象がまずい気もしますが。
バナナで屋根を葺くおじさん。
茅葺き屋根ならぬバナ葺き屋根の家です。
そこら中にバナナ畑があります。
メキシコの宿の朝食で出されるバナナも
ここで採れたものだったりするのでしょうか。
Bethelから30分ほど走って入国管理局に到着。
ここで入国税US$5を払って入国印をもらいます。
現地通貨(ケツァル)建てよりも
何故か米ドル建ての方が安くなる不思議。
入国管理局では子豚や鶏が飼われていました。
自給自足なのか…
延々続く未舗装路をひた走ります。
沿道の草木は舞い上がった砂埃で茶色く変色し、
光合成出来ているのか心配になるほどです。
メキシコ側のバスは冷房がガンガンに効いていて
寒いくらいだったのですが、
こちらは冷房が付いておらず、
対向車の砂埃を気にしながら窓を開けざるを得ません。
グアテマラ側にこそ冷房を付けて欲しい…
入国管理局から揺られて跳んで約2時間、
遂に舗装路に辿り着きました。
幾ら未舗装路の経験があるとは言え、
そりゃもう舗装路の方が良いに決まっていますよね。
Las Cruces(ラス・クルーセス)の
ガソリンスタンドで洗車休憩。
まだケツァルを持っていませんが、
売店では米ドルが使えたのでアイスを買いました。
美味しい。
洗車が終わったら出発です。
あれっ、冷房が効いてるじゃん!
いや、ここまでの未舗装路でこそ使うべきでは…
まあ、何にせよこれであとは快適な移動が出来る。
と思いきや、街の手前でまさかの車交換。
大の大人6人が定員5人の乗用車に詰め込まれました。
いやいや、せめて8人乗りくらいの車にしてくれよ!
何でも、中心部は道が狭いので
これでないと駄目なのだそうです。
16時過ぎになってやっとFlores(フローレス)に到着。
Lago de Petén Itzá(ペテン・イツァ湖)に浮かぶ
小さなIsla de Flores(フローレス島)を中心とした町です。
島という地理的特性上警備がし易く、
グアテマラの中ではかなり治安の良い部類に入ります。
という訳で、夕涼みがてら通りを散策。
嘗てはマヤの首都が置かれていたそうですが、
スペインによって完全に破壊され、
今では一切その面影を見る事は出来ません。
島らしい細い坂道と
ラテンらしいカラフルな町並みがとても絵になります。
Lago de Petén Itzáの夕暮れ。
皆湖岸で夕涼みしています。
長閑だなぁ…
グアテマラなんて世紀末状態かと思っていたけど、
こんなに素晴らしい場所だったなんて…
百聞は一見に如かずとは正にこの事ですね。
長時間の移動でお腹が空いたので、
夕食を食べる事にします。
地球の歩き方でお薦めされているお店がこの辺に…
あれ、無いな。
じゃあ、別の店は…
これも無いな。
地球の歩き方の地図が全然アテにならない…
本当にちゃんと現地調査したんだろうか…?
結局、適当な湖沿いのレストランに入りました。
僕はFajita de Lomito(ファヒータ・デ・ロミート)を注文。
LomitoはChihuahua(チワワ)での経験から
牛の背肉だろうという予想が付きましたが、
Fajitaが何なのかは事前には全く分からず。
結果は、牛肉とパプリカを甘辛く炒めた
ちょっと青椒肉絲っぽい料理でした。
中々美味しい。
夕食の後は明日に備えて早寝しました。
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