(無題)

厳冬旅行第1日目。

(以降、アンカラ時間UTC+3.0h)

4:38、Istanbul Atatürk国際空港
(イスタンブール・アタテュルク国際空港)に到着。
成田空港のカウンターでは
ここまでのチケットしか発券してくれなかったので、
乗継カウンターで次のチケットを貰い、
西欧方面のゲートへ急ぐ日本人観光客を尻目に
僕等は空港の端っこにある東欧方面のゲートへ。
眠いので周りと同じように仮眠します。
今度は寝過ごさないように目覚ましを掛けねば…

6:55発PS716便に乗り継ぎ。
ガラガラなのにTKとバラバラの席にされたのは
横になって寝られるようにとの配慮なんだろうか。


目的地の国が見えてきました。
ここは嘗て東欧の穀物庫と呼ばれた国。
見渡す限り一面の農地です。
真っ平らだな…

(以降、キエフ時間UTC+2.0h)


7:34、Бориспіль国際空港
(ボルィースピリ国際空港)に到着。
やって来ました、ウクライナ共和国です!
ロシアと西欧の間で揺れる国。
ウクライナ国際航空は課金しないと
お茶も出してくれない北欧式でした。
冬のロシアを体感しに来たとは言え、
いきなりシベリアとかに飛ぶと死ぬので、
-10℃のКиїв(キエフ)で肩慣らしします。

まずは入国審査。
成田空港のターキッシュエアラインズのカウンターで
「ウクライナから出るチケットを持っていないのですか?
そうなると、入国拒否される可能性がありますが、
そうなった時に航空会社は責任を取れません。
宜しいですか?」
と脅されましたが、実際の入国審査は
「何処から?」
「イスタンブールから」
「そうか(ガチャッ!」
で入国スタンプが押されて終わりでした。
ターキッシュエアラインズのお兄さんは
何を心配していたのだろう…


何はともあれまずは市街に出ます。
322番のシャトルバスに乗って中央駅へ。


ひたすらに平坦な林を抜けて
社会主義を香らせるビル群に。
この辺りはバルカンっぽさがありますね。


9:20、Київ-Пасажирський駅
(キエフ旅客駅)に到着。
結構道が混んでいて1時間半近く掛かりました。
欧州らしからぬ近代的な中央駅です。


中はこんな感じ。
この薄暗さは旧ソ連感があります。
軍人が大勢居るけど、
Луганск(ルガンスク)にでも行くんだろうか…


322番バスが着いた南口ではなく
北口の方は歴史ある雰囲気です。
言われてみれば東京駅も
バスの発着する八重洲口は近代的ですね。
ここで明後日乗る列車の切符を買おう
と思ったのですが…
売り切れ!?
うーん、困ったな…


しかし、無いものは仕方ありません。
取り敢えずお腹が空いて仕様がないので
駅前の喫茶店で朝食を食べます。
ウクライナと言えばБорщ(ボルシチ)です!
ロシア料理と思われがちなボルシチですが、
実はウクライナ発祥の料理です。
忘年会で豚肉入りのボルシチを作った際に
ロシア人のСтаробинский教授
(スタロビンスキー教授)が
「これはウクライナ式だね。」
と言っていましたが、
このボルシチにも豚のスペアリブが入っています。
Смачний!


朝食を済ませたら宿に向かいます。
中央駅の北側にある
Старовокзальна電停
(スタロヴォグザーリナ電停)から
市電1系統Михайлівська Борщагівка
(ムィハイリフスカ・ボルシチャヒフカ)行きに乗車。


Національний Авіаційний Університет電停
(国立航空大学電停)で下車。
宿まで歩いてチェックインし、
大きな荷物を置いてから街歩きに繰り出します。
市電1系統で再び中央駅へ。


宿でのんびりしてまたしてもお腹が空いたので、
TKの強い希望で麺屋武蔵キエフ店へ。
日本を発って1日で日本食を食べるのか…
普通盛1杯69грн(280円弱)と意外にも安く、
チャーシューも香ばしくて中々美味しいのですが、
麺はどうにもコシがありません。
Yerevan(エレバン)のうどんもそうだったんだよな…
旧ソ連圏はコシの無い麺の方が好きなのでしょうか。


さて、腹拵えを十二分に済ませたら地下鉄の
Вокзальна駅(ヴォグザーリナ駅)へ。
地下鉄らしからぬ立派な駅舎です。
そして、旧ソ連圏らしく非常に深いです。


地下鉄1号線Лісова(リソヴァ)行きに乗車し、
Театральна駅(テアトラリナ駅)へ。
P会民がКиївへ来たからには
やはりキエフの大門を見ておかなければなりません。
実際には「大門」と呼ばれるものは無いそうですが、
「黄金の門」と呼ばれる有名な門はあるそうなので
そこに行ってみます。


Золоті Ворота(黄金の門)。
ふむ…
木造でどの辺が黄金なのかは良く分かりませんが、
観光客で賑わってはいます。
ムソルグスキーのあの曲に相応しいかと言うと微妙…


Золоті Вотораから少し歩いたところにある
Софіський Собор(聖ソフィア大聖堂)。
Київで一番有名な観光スポットです。
入場料は20грн(約80円)ととってもお得。
Золоті Вотораもそうだったのですが、
外壁が割とのっぺりとしていて
若干ちゃっちい感じがします。
そんな事を言うとウクライナ人に怒られそうですが。


鐘塔にも登ってみます。
こちらは外壁にも凝った装飾が施されています。


鐘塔の上から俯瞰したКиївの街並み。
歴史ある建物と旧ソ連の無機質なビルが共存しています。
また、平坦な国土で土地が余っているのか
特に意味もない空間がそこかしこに見受けられます。
ごみごみし過ぎていなくて良いですね。
このままКиївの有名観光地を制覇してしまいます。


Майдан Незалежності(独立広場)。
オレンジ革命によって親ロシア派の
Януковіч(ヤヌコビッチ)政権が倒れた際に
現在の名前に改名された広場。
地下鉄の路線図では偶に落書きで”не”が消されて
Майдан Залежності
(依存広場)になっていますが。


広場の目玉っぽい像。
何故か鳩使いが大勢屯していて
肩にハトを乗せようとしてきます。
観光客に依存していないで早く独立しろ。

Київの鬱陶しい一面も垣間見たら、
Майдан Незалежності駅(独立広場駅)から
地下鉄2号線Героїв Дніпра
(ヘロイフ・ドニプラ)行きに乗って
Поштова Площа駅(ポシュトヴァ広場駅)へ。
Дніпро(ドニエプル川)で運航している
フェリーへの乗換駅だそうです。


しかし、僕等が乗り換えるのはこっち。
Фуніклер(フニクレール)です。
Владивосток(ウラジオストク)にもあった
段丘の上と下を結ぶケーブルカーです。
観光用ではなく生活路線なので
運賃は片道4грнと非常に安価。


ただ、景色が良かったりする訳ではありません。
Київ市民の暮らしは覗けますが。
結構な乗車率です。
この飾らない感じがとても良い。


駅舎はステンドグラスなんかで飾っていますが。
旧ソ連圏はトラム以外駅舎が滅茶苦茶立派だな…


段丘の上はさっきまで居た
Софіський Соборなどのある地区なので、
すぐさま坂道で下ります。
Дніпроが見えるかと思ったけど木が邪魔だな…


Київの歩行者天国、вул. Петра Сагайдачного
(ペトラ・サハイダチノホ通り)。
道幅の割に歩行者は疎らですが。
Иркутск(イルクーツク)を思い出すな…


歩行者天国の端には遊園地(?)がありました。
観覧車の他、屋外スケート場なんかもあります。
観覧車の手前に、生垣にちょろっと豆電球を巻いただけの
イルミネーションのような何かがあって、
ウクライナ人がそこで記念撮影しまくっているけど、
ウクライナではこれが一大イルミネーションなんだろうか…

折角ブリューメンフェルトの祖国に来たので
楽譜屋でレア楽譜でもゲットしようと思ったのですが、
Google mapsで出てきた楽譜屋は
どれだけ調べても見付からず…
それならせめてДніпроを一目見てから帰ろうと
川を望めるスポットを探します。


このガラス瓶の破片が散乱する橋の上は
この上なく綺麗にДніпроが見えそうだな…
周囲に注意を払いながら足早に上ります。


おお、Дніпро!
全面凍結していますね。
普通の船でも割って進める程度の厚さのようですが。
肩慣らしのつもりが、外を長時間出歩いていたら
このКиївでも凍えてきてしまったので、
暗くなる前に宿へ戻ります。
Контрактова Площа駅
(コントラクトヴァ広場駅)から
地下鉄2号線Теремки(テレムクィ)行きに乗り、
Майдан Незалежності駅で
地下鉄1号線Академмістечко
(アカデミステチコ)行きに乗り換え、
Політехнічний Інститут駅
(ポリテクニチニー・インスティトゥート駅)で
市電1系統Михайлівська
Борщагівка行きに乗り換えて宿へ。


夕食は宿の傍のバーで。
今度はボルシチではなくСолянка(サリャンカ)を。
ウクライナはスープが美味しいです。
値段も安くてとても良い。
治安も良いですし、中々良い国ですね。
この後は時差ボケも相俟って21時前に寝落ちしました。

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