伊丹出張第6日目。
どういう風の吹き回しか大学が後泊を許可してきたので、
今日は京都を巡ります。
6:30、起床。
食堂の開店と同時に滑り込み、
パッと朝食を済ませたら、
他の3人を待つ事なくチェックアウトします。
阪急伊丹駅から7:38発阪急伊丹線普通塚口行きに乗車。
塚口駅で7:46発阪急神戸本線通勤急行梅田行きに乗り換え、
十三駅で8:04阪急京都本線通勤特急河原町行きに乗り換え、
8:38、桂駅に到着。
ここで歩くまち・京都レールきっぷを購入。
京都市内を中心とした私鉄・JRが乗り放題の切符です。
今日はこれで京都を乗り潰します。
8:49発阪急京都本線快速急行河原町行きに乗車し、
9:00、河原町駅に到着。
おお、京都だ。
京都に来るのなんていつ以来だろう…
京都なんて旅行ではまず来ないしな…
京都らしい画が思い付かないので
取り敢えず鴨川を撮った図。
古都京都は建築物に対する景観規制が厳しく、
しかも地面をちょっと掘るとすぐ遺跡が出てくるので、
中々鉄道を敷設する事が出来ず、
京都市の移動手段は専らバスが多いのですが、
今回は頑張って鉄道で回ります。
祇園四条駅から9:11発京阪電鉄鴨東線
特急出町柳行きに乗り換え。
出町柳駅で叡山電鉄に…
あれ?切符を通しても改札が開かない。
えっ、叡山電鉄では京都フリー切符が使えない!?
全線京都市内なのに…
しかし、正直叡山電鉄は今日の目玉に近いので
泣く泣く追加運賃を支払います。
9:22発叡山電鉄鞍馬線普通鞍馬行きに乗り換え。
叡山本線は比叡山へ行った際に乗った事がありますが、
鞍馬線は初乗車です。
二軒茶屋駅を過ぎると単線になり、
50.00‰もの急勾配で山を登っていきます。
関西の私鉄がちょっと郊外になると
すぐ急勾配に挑み始めるの本当好き。
叡山電車名物もみじのトンネル。
1月中旬の今では何の木なのかさっぱりですが。
紅葉の季節は相当綺麗なんだろうなぁ…
秋の京都は東京なんか目じゃないくらい混むらしいけど。
山深くなってきました。
急斜面が線路ギリギリまで迫っています。
9:50、貴船口駅に到着。
貴船神社の最寄り駅です。
ひんやりした山の空気に包まれた駅。
既に厳かな雰囲気が漂っています。
貴船神社が無ければ立派な秘境駅ですね。
9:53発京都バス33系統貴船行きに乗り換え。
歩こうかとも思いましたが、
時間を節約する為にバスを使います。
でも、終点の貴船バス停から貴船神社まで
そこそこ歩かされるんですね…
参道に並ぶ飲食店の陰謀でしょうか。
貴船は川床料理が有名ですが、
こんな真冬にそんな事をする阿呆は居ません。
貴布禰総本宮貴船神社。
思ったよりかなりこじんまりしています。
まだ朝早いからか参拝者も疎らです。
生田神社ではやれなかった
あの水みくじがあったのでやってみました。
末吉か…
「転居 よろしからず」と「学問 危うし全力をつくせ」は
非常にタイムリーでギクッとしますね…
恋愛は「他人の妨げられて破るる恐れあり」。
妨害者はやられる前にやるくらいの気概で排除しよう。
でも、旅行は「差支えなし」だそうです。
神のお墨付きを得ましたね…
奥宮の方にも来てみました。
こちらは全く人の気配がありません。
和泉式部が参拝した当時の本殿はこちらだったとか。
そして、ここが結社。
多分associationではない…ような気がする。
「結び文」に願いを書いて結ぶと良縁に恵まれるそうです。
川に何やら橋が架かっていました。
対岸には山しか無いように見えるけど…
鞍馬寺西門?
貴船神社と鞍馬寺って参道が繋がっているのか!
それぞれ隣の谷筋にあるので、
山を越える必要があるようです。
これは行くしかありません。
裏道かと思いきや意外とちゃんと整備されていますね。
そして、外国人観光客が想像以上に多い。
貴船神社にはそんなに居なかったのに…
鞍馬寺奥の院。
かかっている布がまさかの常滑市からの寄贈でワロタ。
去年の台風21号の影響でしょうか、
山の斜面が大きく崩れていました。
関東ではそんなに記憶がありませんが、
関西はかなり大きな被害を受けていたようですね。
この辺りの地盤は相当に硬いらしく、
木の根が潜り込めずに地を這っています。
こういう硬い地盤の上に落ち葉が降り積もっているから
地崩れを起こし易いのでしょうか。
30分ほどで鞍馬寺に到着。
まだ雪が残っています。
さて、鞍馬寺と言えばこれを無しには語れません。
僕が鞍馬寺を訪れたのはこれが目的と言っても過言ではないのです。
そう、鞍馬山鋼索鉄道です。
僕が歩いてきた山越えの経路ではなく
表参道を通ってきたとしてもかなり山を登らねばならない鞍馬寺では、
足腰の弱い人でも参拝出来るようにとケーブルカーが敷設されています。
その特徴は、鉄道事業法に基づく「鉄道」としては
日本で最も営業距離が短い(191m)という事と、
何と言っても現在の日本で唯一運賃が無料であるという事です。
鞍馬寺は何て気前が良いんだ!
と思ってしまいそうですが、
そもそも入山料として300円を支払っている上に、
ケーブルカーに乗車するには更に200円を追加で
「寄進」しなければなりません。
この200円はあくまで寄進であって運賃ではない!
というのが鞍馬寺の言い分という訳です。
運賃として徴収してしまうと営利事業と見做されて
税金を取られてしまうので、
それを避ける為なのではないか…
と勘繰るのは心が汚れているのでしょうか。
鞍馬寺の表玄関、鞍馬駅。
今日も例によってカツカツの行程なので
急いで次に向かいます。
11:59発叡山電鉄鞍馬線普通出町柳行きに乗車。
おお、展望車のきららだ。
この車両は鞍馬線沿線を彩る紅葉を見られるよう、
スイスの氷河急行やベルニナ急行のような
斜め上まで迫り出した大きな窓が付けられています。
今の時期では枯れ枝くらいしか見えませんが…
出町柳駅で12:36発京阪鴨東線準急淀屋橋行きに乗り換え。
三条京阪駅で12:51発京都市営地下鉄東西線普通浜大津行きに乗り換え。
車両で行き先を示して電光掲示板や
構内放送での案内はしないという斬新なスタイル。
関東も列車の色で運行系統を示してはいるけど、
まさかここまで効率化されているとは…
その真逆を行くのは名鉄とJR東海ですね。
この京都市営地下鉄東西線は、
掘れば文化財が出てくる京都に於いて
発掘調査を伴いながら行われた事もあって工費が膨らみ、
その巨額の負債の所為で日本一の赤字地下鉄路線となっています。
御陵駅を過ぎると京都市営地下鉄東西線を離れ、
京阪電鉄京津線に入って地上に出ます。
面白いのはここからです。
和歌でお馴染みの逢坂山をトンネルで抜けて滋賀県へ。
するといきなりのこの急カーブです。
JR西日本の山岳路線並みの25km/h制限で、
61‰という住宅街の中の急勾配を
葛折りの如く下っていきます。
脱線しないか不安になるくらい
線路と車輪が軋んで悲鳴を上げています。
そして更に面白いのが上栄町駅から先です。
何と4両編成の列車が道路を走るのです!
このブログを長期に渡って読んでいる方なら、
3年前に正にこの京津線の列車が
道路を走っているところの写真を覚えているでしょうか。
今回は乗ってみたという訳です。
てな訳で浜大津駅まで来ました。
全線京都市内の叡山電鉄では使えなかったのに、
この浜大津駅は京都レールきっぷの有効区間内です。
大津はこれと言って見所は無いので、
すぐに折り返します。
13:18発京阪京津線普通京都市役所前行きに乗車。
御陵駅で13:40発京都市営地下鉄東西線
普通六地蔵行きに乗り換え。
東西線と銘打っていますが、
山科-六地蔵間は誰がどう見ても南北です。
六地蔵駅で14:08発JR奈良線普通奈良行きに乗り換え。
事務処理上の都合なのか、同じ京都レールきっぷなのに
JRだけ別の切符を使わされます。
(私鉄・地下鉄用とJR用の2枚組になっている。)
それくらい統合してくれれば良いのに。
宇治川を渡ります。
14:16、宇治駅に到着。
京都レールきっぷの有効範囲の端っこです。
宇治に来た理由は京都レールきっぷで
最大限乗り潰しをする為という理由も無くは無いですが、
やはりそれよりも宇治と言ったら抹茶です。
今日も行程がカツカツ過ぎて1時間ちょっとしか余裕がありませんが、
抹茶に目が無いので何とか抹茶スイーツを食べます。
混んでいたらアウトだな…
観光シーズンでは無いからか全く並んでおらず、
無事抹茶スイーツにありつけました。
やったぜ。
うーん、何とも濃厚な抹茶の風味。
甘味処でありながら甘味よりも苦味や渋味の方が優っています。
しかし、だからこそその中で甘味がより引き立つ。
頑張って走った甲斐がありました。
閑散期だからなのか、会計時にサービスで
賞味期限が近いわらび餅を頂いてしまいました。
この運の良さは貴船神社と鞍馬寺の御加護でしょうか。
宇治川を渡って京阪電鉄の宇治駅から
15:29発京阪宇治線普通中書島行きに乗車。
京阪も乗り潰しておきます。
中書島駅で15:47発京阪本線特急出町柳行きに乗り換え。
観光客が多いからかえらく凝った内装です。
丹波橋駅で15:51発京阪本線準急出町柳行きに乗り換え。
15:58、伏見稲荷駅に到着。
観光需要的にはこの駅に特急を停めないのは
割と意味不明な行為だと思う。
やってきたのは勿論伏見稲荷大社です。
日本国内は元より、世界的にも有名な神社。
京都へ行くお金が無くて
代わりに根津神社で済ませるというイタリア人の話を聞いて、
そう言えば僕も参拝した事がないと気付いたので来てみました。
勿論、伏見稲荷と言えば千本鳥居!
…なのですが、日本人観光客のみならず
外国人観光客も溢れていて
とてもゆっくり参拝出来る様子ではありません。
中国人観光客は参道のど真ん中に陣取って自撮りしています。
あまりに人が多過ぎて撮影も儘ならなかったので、
この写真はメインではない脇道の千本鳥居です。
ちなみに、メインの千本鳥居は右側通行だそう。
神社って左右どっちの通行が標準なのかな?
人が減った隙を見計らって
頑張って千本鳥居の中も撮ってみました。
…奉納者の刻印が見える側なのであまり美しくないですね。
次に進みます。
伏見稲荷駅から16:28発京阪本線準急出町柳行きに乗車し、
三条駅で16:44発京都市営地下鉄東西線
普通太秦天神川行きに乗り換え。
太秦天神川駅まで乗って地上に出て、
嵐電天神川駅から17:04発京福電鉄嵐山本線
普通嵐山行きに乗り換え。
昼間に乗った京阪京津線とは違い、これは本物の路面電車です。
帷子ノ辻駅で17:14発京福電鉄北野線
普通北野白梅町行きに乗り換え。
北野線も一応法律上は路面電車ですが、
こちらは全線が専用軌道となっています。
げに法律とは不可思議なものよ。
17:26、北野白梅町駅に到着。
北野白梅町駅はその名の通り北野天満宮の最寄り駅。
大抵の人は市バスを使いそうですが。
学問の神様という事で、曲がりなりにも学問を修める者として参拝
しようとしましたが、とっくに閉門していました。
まあ、せめて門前からでも…
17:51発京福電鉄北野線普通帷子ノ辻行きに乗車。
帷子ノ辻駅で18:08発京福電鉄嵐山本線
普通嵐山行きに乗り換え。
ついでなので京福電鉄も乗り潰しておきます。
ちなみに、京福電鉄の「福」は福井の事で、
嘗ては三国芦原線なんかも保有していました。
ただ、京都と福井を結ぼうとしていた訳ではないそうです。
峠を越える路面電車とか面白そうだけどな…
18:16、嵐山駅に到着。
これまた京都の一大観光地、嵐山。
しかし、ここはもう2度も来たことがあるし、
そもそも乗り潰しの為だけに来たのですぐに折り返します。
18:20発京福電鉄嵐山本線普通四条大宮行きに乗車し、
四条大宮駅で18:54発阪急京都本線通勤特急梅田行きに乗り換え。
桂駅で19:04発阪急嵐山線普通嵐山行きに乗り換え。
最後に、おまけで阪急も乗り潰しておきます。
折角のフリー切符だもの。
19:11、またしても嵐山駅に到着。
1時間振りに戻ってきました。
今度は3分で折り返します。
19:14発阪急嵐山線普通桂行きに乗車し、
桂駅で19:28発阪急京都本線快速急行河原町行きに乗り換え、
19:35、烏丸駅に到着。
ここで京都大に進学した成岩中の同期と会って
一緒に夕食を食べました。
関東志向の高校同期とは違い、
中学の同期は関西に多いです。
お酒も入って楽しく談笑していると…
…ん?
えっ、もうこんな時間!?
まずい!急いで新幹線に乗らねば!
…何と言うすっきりした電光掲示板。
22:46発のぞみ98号名古屋行きに乗車。
東京行きの最終列車はとうの昔に去り、
名古屋行きの最終列車にギリギリ間に合いました。
河和線は名鉄の中で最も終電が遅いので、
新幹線の終電でも何とか知多半田まで辿り着けます。
という事で、図らずも帰省する運びになりました。
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