三峰神社

今日はセンター試験の準備の為に大学は全休。
折角天気も良い事なので、
P会の後輩と一緒にハイキングしに行く事にしました。
そう、昨日必死でレポートを書き上げたのはこの為だったのです。

普段の平日と同じく5:30に起床。
普段よりもかなり急いで支度をして北千住駅へと走り、
6:46発東京メトロ千代田線各停代々木上原行きに乗り、
西日暮里駅でJR山手線内回りに乗り換えて池袋駅へ。
内回りって平日の朝でも大して混んでいないんだな…
どっちが上りとか無さそうだけど。
池袋駅で合流して7:27発西武池袋線急行飯能行きに乗車。
これは完全に下りなので空いていますね。
飯能駅で8:22発西武池袋線各停西武秩父行きに乗り換え、
終点の西武秩父駅から御花畑駅に歩き、
9:36発秩父鉄道普通影森行きに乗り換え、
影森駅で9:42発秩父鉄道普通三峰口行きに乗り換え。


9:59、三峰口駅に到着。
これで実に5度目の秩父ですが、
秩父鉄道は5年前のワンゲル部の新歓合宿以来です。
今回はその存在を知りつつも、
自転車では非常に行き難いところにあるので
これまで行けず仕舞いだった三峯神社を目指します。


これまでは自転車で走る事が殆どでしたが、
今回はここから歩きます。
…はい、文字通り「ここから」歩きます。
一般的には西武秩父駅からバスで1本なのですが、
僕はあまり一般的ではないので。


自転車で一度通った事のある道ですが、
徒歩だとまた見え方が違いますね。
歩道がほぼ無くて、路肩も狭いから歩き辛いけど…


1時間20分歩いて大輪集落にある
三峯神社表参道鳥居に着きました。
そう、本来はここが表参道なんです。
その意味では寧ろ僕等の方が正統派と言えるでしょう。
公衆便所があったのですが、
凍結の為閉鎖されていました。
冬季に参拝する人は気を付けましょう。


橋で荒川右岸に渡ります。
ここからは神域です。
「何本植樹しました!」みたいな石碑が
参道脇にこれでもかと言うほど建てられていますね。
ここに植樹する事はステータスなのでしょうか。
その中に混じって「三峯神社迄五十二丁」という
残りの距離を示す石碑もありましたが、
果たして一丁がどれくらいの長さなのか…


陽の当たらない寒い山道を歩いていたら、
上の方に立派な氷柱を見付けました。
もっと近くで見てみたいけど、
落ち葉が堆く積もった急斜面だな…
…いや、何の為にボルダリングゼミをしているんだ!


落ち葉に埋もれた岩を足掛かりに
氷柱の近くまで登ってみました。
これは立派な氷柱だ…
誰にも知られていなさそうなのがまた良い。
独り占めした気分です。


1ヶ所だけでなく、
谷筋毎に氷柱が現れます。
埼玉県なのでそんな寒い印象は無かったのですが、
秩父はかなり冷えるんですね。


九十九折の急登が始まりました。
鳥居から神社までは500m以上の標高差があります。
真冬の今日でさえ暑くなってきます。


清浄の滝。
嘗てはここで滝行をしたり、
参拝者が禊をしたりしたそうです。
今日やったら凍死しますね…
ここにも氷柱が垂れ下がっています。


ちょっと開けてきました。
もう少しか…?


不意に家が現れました。
こんな山奥なのに立派な木造2階建てです。
しかも、見た目より遥かに奥に広いです。
手入れされているところを見るに、
今も普通に人が住んでいるようですね。
神職の人が住んでいるのでしょうか。


民家があるという事で
ここまでは山の反対側から車道が通じています。
しかし、この鋭角っぷり、
まさかこのガードレールも無い細い急坂で
スイッチバックしろというのだろうか…


三峰口駅から歩く事3時間、
三峯神社に到着しました!
ここは拝殿ではなく遥拝殿だそうですが。


遥拝するのは奥にぴょこっと飛び出している奥宮。
妙法ヶ岳の山頂に鎮座しています。
早速拝んで…
って寒い!
ここまでの登山道より遥かに寒いです。
何処かに冷気吹き出し口でもあるんじゃないかというくらい。
賽銭を取り出す為にほんの少し手袋を外しただけで
手が悴んでしまいました。


秩父盆地を望む。
秩父って結構栄えているんですね。
秋頃の早朝は雲海が見える事もあるとか。


随身門を通って拝殿の方へ。
これだけ寒いと手水で洗いたくないな…


と思っていたら、何と手水舎が凍結して閉鎖。
代わりに祓い串を振って清めてくれとの事。
そんな事あるのか…
東京都の隣県とは思えぬ冷え込みようですね。


拝殿。
最近修繕でもしたのか驚くほど鮮やかです。
赤を基調としたカラフルな塗装は
何処と無く寺院を彷彿とさせますね。


ヤマトタケルノミコトの銅像。
東征の途中に立ち寄って仮宮を造営したのだとか。
これぞ日本人体型ですね。


大きな鳥居の両隣に小さな鳥居が二つ…
に見えたのですが、一体化して一つになっていました。
珍しい型の鳥居ですね…


ここまで歩き詰めでお腹が空いたので
茶店で昼食を食べます。
秩父と言えばわらじカツ丼です。
相変わらずのボリューム。
やはり運動の後に食べるのが最高ですね!


さて、まだ日が高いのでもう少し歩いてみます。
先程遥拝殿から拝んだ奥宮。
往復で徒歩2時間ほど掛かるらしく、
終バスまでの時間もほぼ同じくらい。
若干不安だけど、駅から遥拝殿までは
コースタイム4時間半のところを3時間で来られたので、
多分大丈夫だろうと行きます。


樹林帯は向こうが見えないほど木が密集していて
あまり風も無かったのですが、
稜線に出ると風が吹き付けてきてかなり寒いです。
夕刻で山並みの陰影が強調されて綺麗。


どんどん尾根が痩せてきました。
鎖場に注意を促す看板も登場。
おっ、鎖場があるのか!
わくわくしてきたぞ!


…危なっかしい踏板はあるけど、
鎖は見当たらないような…
奥宮は尾根の中で盛り上がった妙法ヶ岳の頂にあるので
攀じ登っていきます。


最後の最後になって漸く鎖場が現れました。
階段と一体化した岩場になっています。
階段と岩場をくっ付けるとは斬新な。


妙法ヶ岳(標高1,332m)の山頂に辿り着きました!


奥多摩方面を望むと人の気配を感じさせぬ山域が…
って道路が通ってないか?
どうやら、太陽寺へ抜ける林道のようです。
人間はこんな場所にさえ道路を通せてしまうんだな…


そしてこれが奥宮です。
案外小さかった。
参拝を済ませたら急いで戻ります。


何とか終バスに間に合いました。
16:30発西武観光バス急行三峯神社線西武秩父駅行きに乗車。
三峰口駅まではこの急行バスでさえ45分も掛かります。
大回りしているからというのも。
二瀬ダムの天端を通って国道140号に戻り、
これでもう後は帰るだけ…
ん?三十槌の氷柱ライトアップ?
これは見てみたい!


という事で、臨時停車した三十場バス停で下車。
三峯神社線はさっきのが終バスですが、
1日1往復の路線バスがこの三十場を通るらしいので
それを信じて下車します。
もし無かったら三峰口駅まで徒歩10kmコースですね。
氷柱まで歩道の無い薄暗い道を上っていきます。
何故もっと近くにバス停を設置しなかったのか…


おっ、ライトアップしてる!
早速中に入って…
え?17時で閉門?
いや、17時からライトアップ開始なのに何を言っているのか。
え?ライトアップの一般公開は明日から!?
今日はテレビ局にだけ先行公開!?
何という事だ…


国道140号からちらっと見えただけに終わってしまいました。
折角ライトアップしてるなら
ちょっとくらい見せてくれても良いのに…
しかし、氷柱を見られないとなると、
路線バスが来るまでの1時間一体何をすれば…
バス停で待っていれば良いじゃんと言われそうですが、
三十場バス停には待合室は疎かベンチすら無く、
この凍えるような寒さの奥秩父で立ち尽くすのは
辛いを通り越して最早危険です。
どうすべきか…

…そうだ、歩けば良いんだ!
三峰口駅に向かって歩き、
バスに追い付かれたところで乗り込む事にします。
っていうか、この道は街灯すら無いのか!
本当に真っ暗闇になる前に
どうにか三十場バス停までは辿り着きます。
どうやら三十場までが人の住む場所らしく、
それより下流では疎らながらも街灯があったので一安心。
独りでは怖くて絶対に歩けないような道も
二人でなら楽しささえ感じられます。
懐かしの道の駅大滝温泉まで辿り着くと
待合室付きのバス停があったので有難く避難し、
大滝温泉遊湯館バス停から17:29発西武バス三峰口線
三峰口駅行きに乗車。
1日1往復しかないバスは貸し切り状態です。
三峰口駅で18:15発秩父鉄道普通羽生行きに乗り換えて御花畑駅へ。
歩きに歩いてお腹ペコペコだ…


すっかり冷えて疲れきった身体に
みそポテトとしゃぶしゃぶです。
くぅーっ、美味しい!
身体の芯から温まります。
いやぁ、必死でレポートを書き上げた甲斐があったなぁ…
この後は西武秩父駅から19:55発西武秩父線各停飯能行きに乗り、
西武とJRと東京メトロを乗り継いで北千住に戻りました。

脚注
※「丁」
「町」とも書く。一丁は約110m。
だが、五十二丁とあった参道の長さは実際には3.6km(=三十三丁)らしい。

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