大東諸島旅行第3日目。
北大東島を巡ります。
7:00、起床。
防災無線で船の運航予定について
何か言うかと思いましたが、
放送は特に何もありませんでした。
北大東島は曲がりなりにも空港があるから、
あまり船に対する関心が高くないんだろうか…
朝食を終えたら朝の散歩へ。
あれ、何だか昨日よりも波が高くないか…?
昨日見たのとは別の燐鉱石貯蔵庫跡。
西港へ下りる道の途中にある、
廃墟と一体化した分かり難い階段を昇るとあります。
嘗て燐鉱石の採掘で栄えた北大東島を解説するパネル。
ん?燐鉱石運搬用の線路があった?
これは探さねば!
辺りを見回したら割と簡単に見付かりました。
シュガートレインならぬフォスフォラストレイン?
燐鉱石採掘で栄華を極めたと言うと
ナウルを思い起こさせますが、
北大東島はサトウキビ栽培などもやっていたので、
閉山後も破綻せずに何とかやっています。
燐鉱石一本だった沖大東島は廃島化し、
今は在日米軍の射撃演習場となっていますが。
高波を警告する貼り紙。
最後の最後で急にタメ語になっていて草。
スペースの都合とは言え、もう少し頑張れなかったのか。
西港から集落への道の脇に
少し小高い丘への遊歩道が延びていました。
ここに登ったら北大東島が一望出来るかも?
…出来なかった。
南北大東島を開拓した玉置半右衛門の碑があるだけでした。
玉置半右衛門は八丈島出身の人間で、
最初に鳥島で燐鉱石の採掘を成功させて財を成し、
その後大東島に目を付けて開拓を始めました。
その為、大東島には八丈島にルーツを持つ島民が多く、
島の文化も沖縄県の他の地域とは少し違っています。
例えば、こういう本土式の神社なんかがそうですね。
ネタを島唐辛子入りの醤油に漬け込む
島寿司の文化も入ってきていて、
大東寿司の名で知られています。
昨日の産業まつりで食べようと思ったのに
売り切れだったのは、返す返すも残念でなりませんが…
北大東郵便局。
南大東郵便局に比べると大分ショボいですが、
それでもATMは備えているようです。
今時は離島と言えどATMくらいは当たり前の時代か。
グリーンランドの集落と違って
クレジットカードは一切使えませんが。
島の最北端、黒部岬を目指してみた
…ものの、藪に阻まれていけなかったの図。
溜め池しか見付かりませんでした。
北大東島の水道はここから取っているのかな?
あ、海水淡水化施設があるのか。
意外とハイテクですね。
奇岩が立ち並ぶ海岸沿いを走ります。
ここもまたどうやって初上陸したのか見当も付かないな…
そんな見当も付かない初上陸の地がここ。
その名も上陸公園として整備されており、
島の標識では単に「上陸」と書かれています。
こんなところから上陸したのか…
西港は専ら燐鉱石の積み出しに使われていた為、
この上陸港は砂糖の搬出に使われていたそうです。
現在もその名残で下まで下りていけるのですが、
釣りをしているおじさんが居ますね…
数少ない娯楽の一つが釣りなので、
北大東島では至る所に釣り人を見掛けます。
岸から船5分で水深2,000mにも達するそうで、
マグロやカジキも釣れるとか。
日本国標。
北大東島が日本国に属する島である事を示す碑です。
平成16年に再建された真新しいものながら、
現在日本で国標が見られるのはここだけです。
嘗ては樺太の日ソ国境なんかにもありましたが。
今度は島の東部へ向かってみます。
晴れてきましたね。
島のほぼ東端に位置する北大東空港。
北大東島の空の玄関口です。
空港の中はこんな感じ。
業務用扇風機が潮気混じりの空気をかき混ぜています。
時刻表。
1日2往復と見せ掛けて、
曜日毎に交代なので1日1往復です。
那覇-南大東は毎日1往復していますが、
北大東は往復便というものがそもそも存在せず、
金~月が那覇→北大東→南大東→那覇、
火~木が那覇→南大東→北大東→那覇という
三角航路しか飛んでいません。
飛行機を以てしても北大東渡航は至難の業なのです。
ちなみに、北大東-南大東の路線は
定期航空路線では日本一短いフライトとして有名だったり。
時刻表上で所要15分、実際の飛行時間はたったの3分だとか。
飛行機マニアなら是非。
普通運賃は8,500円です。
空港の傍にある天狗岩と秋葉神社。
こんな場所にも秋葉神社があるのか…
天狗岩がどういう由緒の御神体なのかは分かりませんが、
お酒が供えられていました。
天狗岩から眺めたサトウキビ畑。
うおぉ、東京に戻る意欲が0に漸近している…!
今度は空港に沿った海岸を走ってみます。
北大東島唯一の海水浴場、沖縄海。
名前の由来は「沖縄のようにリーフがあって泳げるから」。
沖縄のようにって言うか、ここは普通に沖縄では。
勿論、この海水浴場も天然のものではなく、
人工的に岩を掘って造られたものです。
相当凪いでいる日でないと危なさそうですね…
北大東島唯一の砂浜(2畳)
砂遊びしても波であっと言う間に崩されます。
沖縄海の脇にある沖縄最東端の碑。
日本最西端の都道府県の最東端という、
凄いんだか凄くないんだか良く分からない称号。
しかし、絶海の孤島という事で
領土の端っこという事には違いなく、
最東端の真黒岬は工場等によって海岸線が崩れ、
領海や排他的経済水域が減少してしまう事を防ぐ為、
低潮線保全区域に指定されています。
ここに手を出そうものなら
国家が本気で潰しに来るので気を付けましょう。
島を一周する道路を時計回りに走っていたら
何やら解説の付いた岩を見付けました。
見たところ何の変哲も無いように見えるけど…
何と、台風によって吹き飛んできた岩なのだそうです。
その名も台風岩。
平成21年の台風18号なのでかなり最近です。
風速58.9m/sはエグい。
島の南端に位置する江崎港。
あれ、今日はだいとうが西港じゃなくてこっちに居るな。
荷役をしていますが、
傍目に見ていて心配になるくらい揺れています。
確かに、これでは接岸なんて不可能だな…
この後あれに乗るのか…
現在工事中の北大東漁港。
北大東島で唯一、接岸可能な港です。
しかし、南大東漁港と同じく
現在のだいとうでは大き過ぎて入港出来ません。
何故だいとうの大きさを合わせなかったのか。
クレーン上陸を残したかったのかな?
島を一周して西港の港湾事務所まで戻ってきたので
予約していた那覇行きの乗船券を購入。
本来14:00発のところが13:30発になり、
港も西港ではなく江崎港になるとの事を伝えられました。
時刻表とは一体何だったのか。
自由時間が減ってしまったので少し急ぎます。
今度は島中央の集落へ。
近代的なコンクリート製2階立てのホテル。
百歩譲って南大東島ならまだしも、
何故この北大東島にこんな宿泊施設が…
ホテルに併設の食堂で昼食。
北大東島の特産だというジャガイモを使った
じゃが麺のソーキそば。
大東寿司が食べられないかと期待したけど無かった…
北大東島で最も大きな中野集落。
南大東島のそれより数段閑散としています。
北大東島の鎮守、大東宮。
天照大神を祀っています。
ん?何だか変な社だな…
まさかの工事中でした。
台風で壊れたのでしょうか。
北大東島も南大東島と同じく
隆起珊瑚礁の島なのでカルスト湖があります。
全く赤く見えない赤池。
地下を探せば鍾乳洞もあるのでしょうか。
中野集落を取り囲む長幕(ながはぐ)。
環礁の名残です。
この長幕のお蔭で集落は台風の暴風雨から守られている
…のでしょうか。
溜め池跡で飼われる(捕らわれる?)ヤギのつがい。
どういう訳か南北大東島では殆ど家畜を見ません。
サトウキビに全振りしているからでしょうか。
そんなサトウキビ畑の中を通って最後の目的地へ。
ピンク色の大きなトノサマバッタが沢山いて、
道を進むと夥しい数のバッタが宙を舞います。
自転車だと中々おぞましい。
バッタの大群を潜り抜け、
何とか辿り着いた北大東灯台。
北大東島の最高地点なので少しは景色が良い
…と期待したのですが、
やはり木々に囲まれて展望皆無でした。
この飾らなさが北大東島の魅力ですね。
それでは、北大東島を離れます。
13:30発大東海運だいとうに乗船。
北大東島からの乗客は僕含め4人でした。
相変わらず凄い揺れようだ…
しかも、南大東島で荷役の為2時間も停泊するとか。
大東の船旅は厳しい。
那覇まではこの通称「ゲロ船」で延べ18時間。
二段ベッド式の寝台です。
意外にも雑魚寝じゃないのは、
雑魚寝だと船の揺れで乗客同士が
ぶつかりまくるからなんじゃないかと予想。
夜行便ですが風呂やシャワーは無く、
食べ物もカップ麺の自動販売機だけなので注意。
さらば、北大東島よ…!
北大東島を出てすぐ昼寝していたのですが、
あまりの揺れに起きてしまったので甲板に出てみると
丁度南大東島で荷役中でした。
あれ、これはメインの西港じゃないな。
どうやら、南大東島でも港が変更されて
南の亀池港になったようです。
北風が強いのか。
しかし、こんな揺れの中で良く荷役出来るな…
大東海運は那覇を出てまず南大東島に向かう「南先行」と
まず北大東島に向かう「北先行」を
交互に設定しているのですが、
その理由は荷役の負担を公平化する為なのだそうです。
来る前はそんな大袈裟な…とか思っていましたが、
確かにこれは公平化しないと不満が爆発しますね。
そして、船は南大東島も離れ、一路沖縄本島へ。
さらば、大東諸島よ…!
真っ昼間発の夜行便で中々暇なのでゼミの予習…
なんてしたら船酔いで死亡確定なので大人しく寝ます。
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