島流し旅行第4日目。
八丈島を発ちます。
5:27、起床。
昨日は散々焼酎を飲んだのに、
何故か目が早く覚めてしまいました。
早めに宿をチェックアウトして
お土産を探しつつレンタカー屋まで歩きます。
今日は八丈富士も良く見えますね。
亜熱帯の陽光が燦々と照り付けていて暑いです。
気温は大した事ないのですが、
歩くだけで汗が噴き出してきます。
土産物屋に寄ってお土産を買ったり、
八丈島観光協会に寄ってしまぽに押印してもらって
50P達成の記念品を貰ったりしつつレンタカー屋へ。
さて、八丈島は大きい上にとにかく暑く、
徒歩で巡るのは苦行でしかないので
何らかの移動手段を得たいのですが…
一人でレンタカーは高く付くし、
かと言ってレンタサイクルも相当キツいよな…
某カートソロプレイは虚しさ以外の感情が失われるし…
という事で、原付バイクを借りてみました。
何故か普通免許で乗れてしまう原付。
しかし、実際に乗るのは初めてです。
しかし、レンタカー屋の人に
「操縦はまあ大丈夫ですよね?」
と訊かれて
「いや、これが初めてなもので全く。」
と答える訳にもいかないので、
「勿論、バッチリです(大嘘)」
と答えてから急いでググりました。
えーと、鍵を回して電源を入れて、
左手のブレーキを握りつつ
右手にあるスイッチを押してエンジンを始動し、
右手のスロットルを手前に捻ると…
うおっ、動いた!
教習所で初めて車を動かしたあの感覚が蘇りました。
おー、これは中々楽しいものですね!
自転車のように風を感じられながらも
自動車のように楽だし。
ライダーの気持ちがちょっと分かったかも。
雨の日は走りたくありませんが…
まずは九十九折りの道を上って八丈富士へ。
今日は牛達脱走していませんね。
怒涛の縦列駐車が連なる登山口に原付を置いて
いざ八丈富士登山へ。
駐車(駐輪)が簡単なところは原付の強みですね。
八丈島に来たからには外せない八丈富士。
その名の通り、富士山のような綺麗な成層火山で、
故に登山道は九十九折りの単調なものです。
暑い…!
頭の上を覆う樹木はあっと言う間に途絶え、
容赦無い日射しが肌を焼き付けると同時に、
周囲の海や草木からふんだんに供給された湿気が
より一層蒸し暑さに拍車をかけています。
ここまで暑い山は初めてです。
八丈富士は盛夏に登るものではないな…
ぐぅー、まだ半分なのか!
お鉢までの階段は1,280段という理系が好きそうな段数です。
でも、今は全然好きじゃない。
滝のように流れ出る汗を拭いながら
暑さを堪えて登る事25分。
着いたー!
やっとの思いでお鉢(火口縁)に辿り着きました。
シャツが海に落ちたかの如くずぶ濡れです。
ここからはウィニングロードとしてのお鉢巡り。
縁伝いに歩いてカルデラを一周します。
夏はここまでの道のりが暑過ぎて大変ですが、
冬はお鉢での風が強過ぎて大変なのだそうです。
意外と厳しい山だ。
八丈富士(西山)最高地点に到達。
伊豆諸島最高峰の標高854.3mです。
頂上から見たカルデラ。
青ヶ島と同じように鬱蒼とした森になっています。
火口縁が風除けになって木々が生育し易いのでしょうか。
この中だけに生息する虫とかいたりするのかな…
頂上で昼食を摂ったらお鉢巡りを再開します。
間違った踏み跡が何本もあるので、
道標をしっかり見ておかないと
何度も行ったり来たりする羽目になるので注意。
この辺りはあまり草が生えておらず、
固まった溶岩が剥き出しになっています。
そこから覗いたカルデラ。
ここだけ一段深くなっています。
ここが1606年に出来た一番新しい火口なのかな?
ノルウェーにあるトロルの舌のような形の岩。
絶好の記念撮影スポット?
しかし、こういう火成岩は脆いので
記念撮影しようものならそれがそのまま遺影になります。
お鉢巡りを終えたら下山します。
傾斜が急だから下山もそこそこ辛い。
誰も走っていませんが、
地図によるとふれあい牧場と同じ高さで
八丈富士を一周する道路があるらしいので、
ついでに走ってみる事にしました。
裏手に回ると八丈小島が綺麗に見えました。
展望台もあります。
海と山を同時に満喫出来る贅沢な道だなぁ…
と現を抜かしていたら牛糞を踏んでしまいました。
そうだ、ここは牧場だったんだ…
一周し終えたら麓まで下り、
今度は海岸沿いの八丈一周道路を走ってみます。
玄
武岩に覆い尽くされた真っ黒な長崎。
遥か向こうには横間道路も見えます。
あそこを通った時はまだYRが健在だったなぁ…
南原千畳敷。
八丈富士から何度も何度も流れ出た溶岩が、
その度に少しずつ島を大きくしてきた様子が分かります。
真っ黒いうねるような玄武岩と、
燃えるような日射し…
ダナキルを思い出すな…
海岸沿いを走っていたら
唐突に「塾」が現れました。
集落から離れたこんな場所に
生徒はやって来るんだろうか…?
そのすぐ脇に喫茶店がある旨を伝える看板が。
これだけ暑いとかき氷でも食べたいな…
でも、この看板の先には何も見えないんだけど…
あ、あった。
防潮林(防風林?)の先に喫茶店がありました。
ちょっと沖縄っぽい雰囲気。
かき氷は半田のようなふわふわ系ではなく、
一昔前のちょっとじゃりじゃり系です。
八丈島にはまだふわふわの波は来ていないか。
かき氷で身体を冷やしたら再び走ります。
八丈島の北西側は殆ど人が住んでいません。
見所もあまりありません。
八丈島最北端に程近い大越鼻灯台。
近くの公衆便所兼展望台から見えます。
原付で草茫々の道に突っ込んで
灯台の下まで近付いてみましたが、
木々が生い茂っていてあまり見えませんでした。
長友ロードの碑。
長友佑都がこの坂道でトレーニングを積んだとか。
何故長友が八丈島で練習をしていたんだろう…
さて、北西部は前述した通り見所が少ないので
大分早く回り終えてしまいました。
時間が余ったので、今日は天気も良いし、
原付で峠を攻めてみたいと思ったので
一昨々日の再挑戦として登龍峠へ。
自動車で走るのとは景色が違って見えますね。
登龍峠展望台。
今日は集落まで見えました。
若干曇ってはいますが。
満足したのでレンタカー屋に原付を返却し、
八丈島空港へと向かいます。
今日の八丈島空港は大賑わいです。
今日までお盆休みという社会人が多いのでしょうか。
送迎デッキで飛んでくるエアバスA320を待っていたら…
あれは三菱重工のMU-300?
何処かの社長がプライペートジェットで来たのかな?
ん?機体側面に書いてある文字は…
“MICRO GRAVITY FLIGHT
FLYING LABORATORY”
えっ、無重力飛行用の機体なの!?
調べてみたところ、ダイヤモンドエアサービスという
小牧空港に拠点を持つ三菱重工の子会社が、
微小重力実験飛行を行う機体のようです。
微小重力飛行とは、
機体を急上昇させた後にエンジンを切って
自由落下(放物線飛行)させる事で、
地球の重力を打ち消す飛行の事。
ジェットコースターやフリーフォールで落下する時に
ふわっとするあの現象と同じ原理です。
僕が乗る飛行機も少し遅れてやって来ました。
17:10発ANA1896便に搭乗。
滑走路手前で止まって
「通信機器に不具合が発生しました。」
とか言い出したので焦りましたが、
20分程度の遅れでちゃんと飛びました。
18:45、羽田国際空港に到着。
こうして僕とYRの東京観光が終わりました。
いつか行きたいと思っていた秘島、青ヶ島。
前評判に恥じず、素晴らしい秘境でした。
天候にも海況にも恵まれ、
案外行き易くない?と勘違いしてしまいそうです。
とにかくのんびりした空気が流れていて、
船も碌に就航しない絶海の孤島ながら、
孤独感よりも寧ろ人の温もりを感じさせられました。
「青ヶ島が気に入ったんなら、
いつでも俺の会社で雇ってやるよ!」
と建設会社の社長さんが言ってくれたので、
東大物理学科の卒業生進路一覧に
「青ヶ島総合開発 1」が追加される日は近い…かも?
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