(無題)

北欧旅行第5日目。
南アイスランドを巡ります。

6:11、起床。
昨日よりも早くBSÍバスターミナルへ向かいます。
バウチャーに書かれていた時刻より
18分遅れでバスがやって来て出発。


アイスランドを一周する国道1号線で南東へ。
国道1号線と言ったらいわばその国の目抜き通りですが、
南アイスランドではポツポツと民家がある程度。
このRangárvallasýsla
(ラゥングアゥルヴァトラシスラ)という
ネタみたいな名前の県は
人口密度がたったの0.4人/km2しかありません。


本日一つ目の観光スポット、
Seljalandsfoss(セリャラントスフォス)に到着。


Seljalandsfossというのはこの滝の事。
昨日のGullfoss(グトルフォス)もそうでしたが、
アイスランド語でfossとは滝の意味です。
広大な平原に突如現れる台地の上から
止め処なく水が流れ落ちてきています。


この滝の特徴は何と言っても裏に回れる事。
まるで誰かが刳り貫いたかのように
滝の裏側に道が出来ています。


裏側から見たSeljalandsfoss。
水飛沫が凄いです。
びっしょびしょになります。


このSeljalandsfossも華厳の滝みたいに
少しずつ崩れて後退していくのかな?
だとすれば、滝を裏側から見られる期間は
そう長くないのかも知れませんね。


南アイスランドの家は水を得易い滝の下にある事が多く、
滝の水流を使って水力発電しているところもあります。
この小さな滝で5kWの発電能力があるとか。


次の観光スポットへと向かいます。
この家、岩に飲み込まれているけど、
何故こんなところに建てたのだろう…
風雪避け?


二つ目の観光スポットはSkógafoss(スコゥガフォス)。
落差60mでアイスランド最大級の滝です。


Seljalandsfossよりも更に激しい水飛沫。
あまりに凄いのでこれ以上近くでは撮れません。


このSkógafossはその規模でも有名ですが、
滝壺から滝の上まで登れる事でも有名。
400段ほどで登れるそうなので勿論登ります。


Skógafossの上まで来ました。
これまた飛沫が凄いです。
滝壺が見えないから高さが良く伝わらないな…


てっきり滝の上に出て終わりかと思いきや、
道はまだまだ続いています。
この道、後で聞いたところによると
あのお騒がせなEyjafjallajökull
(エイヤフィヤトラヨークトル)まで続いているとか。
与えられた停車時間45分の間に何処まで行けるか、
夏休みに向けて鍛えてきた脚で試してみます。


あんなところに羊が…
北欧は何処にでも羊がいますね。


少し歩くと別の滝が現れました。
これまた幅広の立派な滝ですが、
地図で調べた限りこれと言った名前は無いようです。
日本だったら確実にこの滝諸共観光地化されそうだけどな…


更に進むとまた滝が現れました。
あれ?
向こうの崖際に何やら人が集まっているな…
あそこからも何か見えるのかな?
時間は厳しいですが、頑張って行ってみます。


第四の滝が現れました。
おお、これは…
滝そのものというより、
周りの苔生した地形が見事です。
超巨大な箱庭と言うか、神の造園と言うか…
個人的にはSkógafossと並ぶくらい好きかも。
ここまで登ってきて大正解だったな…


おっと、もう時間が無い!
急いで駆け下ります。


三つ目の観光スポットはReynisfjara(レイニスフィヤラ)。
玄武岩質の真っ黒い砂利が広がる、
別名ブラックサンドビーチです。
勿論、それだけなら単なる黒い浜辺というだけで
こんなにも多くの観光客は呼び寄せないでしょうが…


Reynisfjaraで有名なのはこの奇岩。
超巨大な柱状節理が海に向かって迫り出しています。
パイプオルガンみたいな見た目ですね。


柱状節理が持ち上がって洞窟のようになっています。
どうやったらこんな形で固まるのだろう…


正に地質学の聖地アイスランド。
地球惑星科学専攻の人が居れば
飛び上がって喜んだだろうなぁ…


最後の観光スポットはSólheimajökull
(ソゥルヘイマヨークトル)。
まずはスクールバスのような車に乗り込んで装備を整えます。
アイゼンは勿論の事、ピッケルまで渡される本格派です。


「アイス」ランドなのにこれまで全く氷が出てないぞ!
と思っていた方、お待たせしました。
このツアーのハイライト、氷河トレッキングです。
そう、Sólheimajökullとは氷河の名前。
ちなみに、アイスランド語でjökullとは氷河の意味です。
あのEyjafjallajökullも正確には火山の名前ではなく、
その火山の上にある氷河の名前です。


このSólheimajökullは
世界で最も早く融けている氷河の一つとして有名。
右に立っている看板は2010年の時の
氷河の先端の位置を表しています。
たったの7年でこんなにも融けてしまったのです。


まるで石炭の採掘現場のように
黒いものが積み上がっていますが、
これは全て火山灰です。
南アイスランドは火山大国アイスランドの中でも
とりわけ火山の多い地域で、
つい5日前には噴火の危険が高まったとして
観光客を緊急避難させる一幕もあったとか。
氷河の下に潜む火山が噴火すると、
氷河が融けて大洪水が起きるそうです。


アイゼンを装着して氷河に挑みます。
おお、アイスピックで氷を割るようなこの感触…
Glaciar de Perito Moreno(ペリト・モレノ氷河)を思い出すな…
青い氷河はあまり見えません。
もう少し天気が良ければ或いは…
ちなみに、”Sólheimajökull”とは
「太陽の家の氷河」という意味だそうですが、
年間250日雨や雪が降るそうです。
この天気は雨が降っていない分、相当良い方だとか。
ネーミングセンス皆無ですね。


氷の架け橋。
2週間前に現れたそうです。
氷河は常に動いているので、
数日経つともうルートを変更しなければならないとか。
ここで記念撮影をしました。


氷河を流れる川。
水音が反響しており、かなり深そうです。
ここに落ちたら下の氷河湖まで滑っていけるのかな?


灰が降り積もっていると
氷河のうねりがより一層際立ちますね。
Glaciar de Perito Morenoの時のように
氷河を削ってオンザロック、という事は無理ですが、
閉じ込められた空気が圧縮されて
虹模様になった氷を見せてくれたりしました。


ここをずーっと登っていくと
とても美しい火山の噴火口まで行けるそうです。
氷河の登山というのは雪山登山よりも難しそうだな…


灼熱の火山と極寒の氷河という
両極端な二者の共演が見られて楽しかったです。
アイスランドの自然は凄いな…


この後はReykjavík(レイキャビク)に戻り、
バスターミナルで夕食を食べて宿に戻りました。

コメント